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「意外とはなんだ。スタイリストじゃあるまいし、そんなにファッション性にこだわる必要はない。」
「だってさっきセンスがないとか云々言ってたしよ。」
「最低限ってものがあるだろう。」
「俺は最低限のセンスすらないってかよ!」
「いちいちヘソを曲げるな。ちょっとそこの店員さん、彼に服を見繕っていただけますか?」
「はいっ!お任せください!」
うわっ、めっちゃ可愛い。元気な笑顔が眩しいな~。
「貴方、噂の魔導師様ですよね!いや、びっくりしましたよ~。突然桜吹雪の中から出て来るんですもの。この地域では桜なんてとんと見てませんから、すごく素敵でしたわ。」
「そんな~素敵だなんて~!!ここは桜が咲かないんですか?」
「いや、かつては春になると咲いていたんですけど、魔王の気がこの村に及んでいるせいか、気温がぐっと下がったんです。それで桜が開花しなくなっちゃって。」
「へ~、魔王ってそんな力まであんのかよ。大変だな~。」
「ちょっと待って、この男が出て来た時桜吹雪が吹いたんですか?」
「え、ええ。大量の桜吹雪が辺りを真っ白に染めて、思わず目をつぶってしまって。そしたらその桜吹雪の中からサク様が…。」
「……。」
店員が答えると、イサゴはそのまま黙りこくった。なんなんだこいつ。当たり障りないかと思いきや、急に無愛想になりやがって。よくわかんねえな。
「あっ、お召し物ですよね!どのようなものがお好みでしょうか。」
「あ~、実はこの時代に生きたことがないものでね、服装についてはよくわかんないんすよ。」
「なるほど~。そもそも魔導師様はどの時代に生きていた方なんでしょうか。」
「え?いや、いつっていうか。その。」
「サク様は長い間封印されていたのです。当時の暦と今の暦は違いますゆえ、生きていた年代を特定するのは難しいですね。」
見かねてイサゴが助け舟を出してくれる。ていうかイサゴはどの時代に生きてたんだ?『特定するのは難しい』ってそんなことあんのかよ。
「そういうことですか、それでそのような珍妙なお召し物を……。」
だから珍妙っていうな!!
「あ~、まあ俺の世界では超絶おしゃれな服装なんすけどねえ。」
「と、いうことで利便性に留意していただければ、あとは店員さんのセンスでお任せしたいということです。」
「わかりました!魔導師様にぴったりのお召し物を選ばせていただきます!」
「だってさっきセンスがないとか云々言ってたしよ。」
「最低限ってものがあるだろう。」
「俺は最低限のセンスすらないってかよ!」
「いちいちヘソを曲げるな。ちょっとそこの店員さん、彼に服を見繕っていただけますか?」
「はいっ!お任せください!」
うわっ、めっちゃ可愛い。元気な笑顔が眩しいな~。
「貴方、噂の魔導師様ですよね!いや、びっくりしましたよ~。突然桜吹雪の中から出て来るんですもの。この地域では桜なんてとんと見てませんから、すごく素敵でしたわ。」
「そんな~素敵だなんて~!!ここは桜が咲かないんですか?」
「いや、かつては春になると咲いていたんですけど、魔王の気がこの村に及んでいるせいか、気温がぐっと下がったんです。それで桜が開花しなくなっちゃって。」
「へ~、魔王ってそんな力まであんのかよ。大変だな~。」
「ちょっと待って、この男が出て来た時桜吹雪が吹いたんですか?」
「え、ええ。大量の桜吹雪が辺りを真っ白に染めて、思わず目をつぶってしまって。そしたらその桜吹雪の中からサク様が…。」
「……。」
店員が答えると、イサゴはそのまま黙りこくった。なんなんだこいつ。当たり障りないかと思いきや、急に無愛想になりやがって。よくわかんねえな。
「あっ、お召し物ですよね!どのようなものがお好みでしょうか。」
「あ~、実はこの時代に生きたことがないものでね、服装についてはよくわかんないんすよ。」
「なるほど~。そもそも魔導師様はどの時代に生きていた方なんでしょうか。」
「え?いや、いつっていうか。その。」
「サク様は長い間封印されていたのです。当時の暦と今の暦は違いますゆえ、生きていた年代を特定するのは難しいですね。」
見かねてイサゴが助け舟を出してくれる。ていうかイサゴはどの時代に生きてたんだ?『特定するのは難しい』ってそんなことあんのかよ。
「そういうことですか、それでそのような珍妙なお召し物を……。」
だから珍妙っていうな!!
「あ~、まあ俺の世界では超絶おしゃれな服装なんすけどねえ。」
「と、いうことで利便性に留意していただければ、あとは店員さんのセンスでお任せしたいということです。」
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