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兄編

兄編 2*

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 あっという間にベッドの上で羽交い締めにされた一綺。
 男は白いシャツの前ボタンをぷちっ、ぷちっと丁寧な手つきで外していく。
 あまりの展開に、脳が混乱して、ただ目を見開いて震えるしかなかった。

「な……にを、して……。」
「今からあなたを犯します。ケツの穴に僕のちんぽをねじ込んで、切れてしまっても血が出ても構わず、腹の奥の奥まで辿り着いて種付けするまで絶対に抜きません。」
「はーっ、はーっ♡」
「抵抗しようものなら、喉にこのアイスピックを刺します。いいですね。」
「いいわけっ、あるか……。」
「そうは言ってもあなた、素質あるみたいですよ。」

 一綺は気づいていなかった。自分の舌が徐々に伸び、瞳はハートが浮かびそうなほど潤んで、発情した顔になってしまっていることを。

 自分勝手に、暴力的に振る舞う自分を、ねじ伏せてほしい。人権も何もかも無視で、自分の抵抗や恥など顧みず、支配し、蹂躙してほしい。

 そんな幻想を、現実にしてくれるかもしれない状況を目の前にして、細胞の一つ一つまで喜びで震えてしまうような感覚。

 この男が、俺を支配してくれる……!
 俺を解放してくれる!


 一糸纏わぬ姿の一綺の首には、赤くゴツい首輪がはめられ、まさに愛玩動物のような姿。
 じゃらじゃらと大きな鎖が繋がっていて、その先は男は握っている。

 パァンッ!パァンッ!パァンッ!パァンッ!

「うぐっ!ん”ぅ”っ!やめ、お”っ!お”ぁ”ッ……ぁ”……。」

 むっちりと筋肉のついた大きな尻が真っ赤に腫れ上がる。
 手のひらの跡がついてしまうほど強く、スパンキングされて屈辱と痛みに顔を歪ませる。
 ヒリヒリと痺れる肉を、手のひらで優しく撫でられて、思わず背をのけぞらせる。

「ひぃっ!や”め”っろぉ!ふざけた真似っ、しやが、ってぇ……!」
 
 このままだと、皮膚が、裂けるっ!
 腰をつかんでいた男の手をなんとかパシンっと跳ね除けた。
 そのまま、よた…よた……と、ガクガク震えて力の入らない足で、四つん這いになって逃げようとする。

「こーら♡逃げちゃダメでしょ。」

 男に耳元で囁かれ、背筋がぞくぞくと震えた。
 後ろからのしかかられ、両乳首を摘まれて、ぎゅんっと強く引っ張られた。

「ひぎぃいっ!?♡♡」

 思わず背をのけぞらせ、胸をズンと強調する姿勢になってしまう。
 ここぞとばかりに、男はぎゅむっ、ぎゅむっと乳首を押しつぶした。

「ぁ”……ぁ、ぁ”……♡」
「自分で乳首弄ってますね?」
「ひっ♡んなこと……してな……。」
「じゃあなんでこんな敏感なんですか?」
「お”♡ぉ”あ”♡…クソが…♡やめろっ♡」

 知らない、知らない!
 性的虐待され、陵辱されることを想像して、部屋で自身の身体を虐め抜いていたのだ。
 誰も知るはずのない、自分だって認めたくない行為を、一瞬で悟られて、畏怖すら植えつけられていく。
 服従を求める身体が、心が、暴かれていく。

「心は未開発なのに、身体は堕とされる快楽に期待している。天性のM奴隷ですよ。」
「違っ……俺はぁ……っ!♡♡」
「これから、心まで、奴隷に堕ちるんですよ、あなたは。」


「一番屈辱的だと思うポーズをしてごらん。」
「ひぃっ♡ぁ…、あ”……ぁ”……♡」
「あなたが考えうる、最も恥ずかしいポーズを、ご主人様に隅から隅まで見てもらいなさい。」
「や”♡…むりっ!……無理らぁ”♡♡」
「無理じゃない、やれ。」
「はーっ♡…はーっ♡…はーっ!?♡♡」

 ドスの効いた声が耳の奥に響く。
 目の前に見せつけられたアイスピックの先端から目を離せない。
 恐怖と未知の快感に、脳がバチッバチッと明滅する。
 まともな思考力が奪われていく。
 従わなければ、もっと酷いことをされてしまう♡
 恥ずかしいポーズを取らないとっ♡
 慌てた動きで、爪先立ちのまましゃがみこみ、かかと同士を合わせて、尻にペタンとつける。
 むちぃっと折りたたまれた太ももを、震えながらパカっと左右に開き、尻肉とちんぽを大っぴらに晒け出す。
 腰を反らして、胸を突き出して、真っ赤にビンと腫れ上がった乳首を差し出す。
 両手を軽く握り、手首を曲げて、肘を折りたたんで、胸の上にキュッと据える。
 まるでちんちんのポーズをとった犬の前足にように。

「あへ、ぇえ”♡はあ♡はーー♡」

 舌がだらしなく伸びてしまう、恥ずかしすぎて、息ができない。呼吸が震える。

 恥ずかしい♡脚を閉じたい♡腕下ろしたい♡胸突き出すのやだぁ♡でも、らめらぁ♡恥ずかしい格好しないとっ♡全部見てもらわないと♡酷いことされちまうっ♡殺されちまうぅ♡怖いっ♡怖いっ♡……きもひぃ…いっ……!♡♡イくっ、イ”く”っぅ”♡♡

「トンじゃった顔してますね。恥ずかしいポーズして気持ちよくなっちゃったんですか?」

 恐怖で歯がガチガチと音を鳴らす。
 しかし、ちんぽは勃起しきって、とろとろと涙を流している。
 晒されているアナルも恥ずかしさでヒクヒクと不規則に痙攣し、わずかに腰が揺れてしまう。
 その腰振りのたび、ちんぽと腫れた乳首がふるんふるんと無様に揺れている。
 その姿は発情した犬そのもの。

「土下座で来るかと思ったけど、それは犬のポーズですか?」
「う”ぅ”んっ♡や”っ♡」
「躾ける前から躾けられてるみたいなことしますね、あなた。」
「違う”っ♡俺は、犬じゃ、ねえ…ぇ”え”♡♡」
「あなたにとって一番屈辱的で、恥ずかしいポーズは、ソレということでしょう。」
「やだ、もうやだぁっ♡♡許してくれぇ♡♡」

 腰が砕けそうになって、姿勢ががくりと崩れる。

「誰が、やめていいと言った!?」
「ひぅっぅん”♡」

 蛇に睨まれた蛙のように、その声に決死の思いでシャキンと姿勢を正し直す。
 全身を支えるつま先は限界を迎えプルプルと震える。

「隅々まで見るっつっただろうが。」
「も、耐え、られな……♡」
「『一綺の変態で恥ずかしい犬のちんちんポーズ、おまんこヒダから乳首の先まで全部見てください。』はい、言って。」

 もはや会話することもできず、ただ屈辱に耐えるため、唇を噛んで涙をぼろぼろと溢している。
 そんな一綺の喉元にアイスピックを突き立てる。

「言え。」
「あグッ♡い、一綺の…ォ”、変態で、恥ずかしい、ぃ、ぃ、い、ぬの……ん、ちん、ポーズ……ぉ、ま、んこ……ヒダ、から…ち、くび、の先、まで…ぇ”…全部、見てくださいぃぃい”……♡♡」
「遅い、何も聞こえません。ちゃんと続けて、大きい声で言えるまで、何度でも言わせますよ。」
「っ一綺の、変態で、恥ずかしい、ぃ、犬の、ちんちんポーズっ、おまんこっ、ヒダから、乳首の先まで、全部見てくださいっぃ”……ンォおおお”オ”!?!?♡♡♡」

 言い終わった瞬間に、一綺は全身をガクガクと大きく痙攣させながら、ちんぽから体液を噴き出して、コロンと後ろに倒れこんだ。
 がに股に開ききった両脚と脱力した腕、上むいた瞳、唾液を垂れ流す唇。
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