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とあるインテリヤクザと不良牧師の交錯

第4話 とある教祖の場合 37

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「じゃあバイト代は出す。ここに来いよ。」

「ぁ、ありがとうございます。」

「ただし、まぁ、なんだ、ちょっとした許可が得れれば、だがな。」

「許可?」

「まあいい。許可が出ればバイトしにきていいから。とは言ってもバイト雇うほど忙しくねえし、出せる金もそんな多くはねえがな。せいぜい子どもたちのお守りか買い出しくらいだな。」

「いいんです!なんでもいい。放課後、家にいない口実ができれば。それと……貴方と一緒にいる口実ができれば。」

最後は消え入りそうな声で、辰巳には届いていなかった。

それから少し喋った後、未来にいくつかお菓子を持たせて帰らせた。


週末の土曜日、仕事休みの七瀬が教会を訪れた。許可を得なければならないと言うのは、彼のことだった。

「絶対嫌です。絶対ダメです。ていうかなんで俺に言うんですかそんなこと!反対するに決まってるでしょ!」

「反対されるとわかっててお前に言ったのは、一応義理立てしてるつもりなんだが。」

「そっそそ、そんなこと言って、俺が許すとでも!?て言うか貴方、あの男に何されたか忘れたんですか!?」

「何されたかお前は知らないだろ。」

「だいたい想像はつきます!僕は子どもにすら嫉妬するほど貴方のことが好きなんですよ。」

「あーはいはい。」

「貴方は高校生は子どもだと思っているかもしれませんが、一番獣なんですよ、野獣ですよ!」

「たく、余裕ねぇなあ。」

「だいたい貴方はっ、んぅっ?」

辰巳は七瀬の後ろ髪を掴んでキスをした。

「ちょっ、話聞いてるんですか!?」

「そもそもあんな貧弱なガキに何かされる前に返り討ちにできる。この前は薬盛られたせいだからな、それも気をつける。俺がなんかされんのを許すのはお前だけだ。」

「た、つみ、さん。」

「それにお前が保育園の窓からずっと見ててくれんだろ?ストーカーさんよ。」

「……もう、ずるいですよ。本当に。」

「許可は?」

「いいに決まってるでしょ。」

「ふっ、男前だな。」

「からかわないでください。その代わりもっと頻繁にここに来ますよ、毎日でも来ますよ。」

辰巳は笑いながら、七瀬の髪をくしゃくしゃと撫でた。



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