74 / 75
とあるインテリヤクザと不良牧師の交錯
第4話 とある教祖の場合 37
しおりを挟む
「じゃあバイト代は出す。ここに来いよ。」
「ぁ、ありがとうございます。」
「ただし、まぁ、なんだ、ちょっとした許可が得れれば、だがな。」
「許可?」
「まあいい。許可が出ればバイトしにきていいから。とは言ってもバイト雇うほど忙しくねえし、出せる金もそんな多くはねえがな。せいぜい子どもたちのお守りか買い出しくらいだな。」
「いいんです!なんでもいい。放課後、家にいない口実ができれば。それと……貴方と一緒にいる口実ができれば。」
最後は消え入りそうな声で、辰巳には届いていなかった。
それから少し喋った後、未来にいくつかお菓子を持たせて帰らせた。
週末の土曜日、仕事休みの七瀬が教会を訪れた。許可を得なければならないと言うのは、彼のことだった。
「絶対嫌です。絶対ダメです。ていうかなんで俺に言うんですかそんなこと!反対するに決まってるでしょ!」
「反対されるとわかっててお前に言ったのは、一応義理立てしてるつもりなんだが。」
「そっそそ、そんなこと言って、俺が許すとでも!?て言うか貴方、あの男に何されたか忘れたんですか!?」
「何されたかお前は知らないだろ。」
「だいたい想像はつきます!僕は子どもにすら嫉妬するほど貴方のことが好きなんですよ。」
「あーはいはい。」
「貴方は高校生は子どもだと思っているかもしれませんが、一番獣なんですよ、野獣ですよ!」
「たく、余裕ねぇなあ。」
「だいたい貴方はっ、んぅっ?」
辰巳は七瀬の後ろ髪を掴んでキスをした。
「ちょっ、話聞いてるんですか!?」
「そもそもあんな貧弱なガキに何かされる前に返り討ちにできる。この前は薬盛られたせいだからな、それも気をつける。俺がなんかされんのを許すのはお前だけだ。」
「た、つみ、さん。」
「それにお前が保育園の窓からずっと見ててくれんだろ?ストーカーさんよ。」
「……もう、ずるいですよ。本当に。」
「許可は?」
「いいに決まってるでしょ。」
「ふっ、男前だな。」
「からかわないでください。その代わりもっと頻繁にここに来ますよ、毎日でも来ますよ。」
辰巳は笑いながら、七瀬の髪をくしゃくしゃと撫でた。
完
「ぁ、ありがとうございます。」
「ただし、まぁ、なんだ、ちょっとした許可が得れれば、だがな。」
「許可?」
「まあいい。許可が出ればバイトしにきていいから。とは言ってもバイト雇うほど忙しくねえし、出せる金もそんな多くはねえがな。せいぜい子どもたちのお守りか買い出しくらいだな。」
「いいんです!なんでもいい。放課後、家にいない口実ができれば。それと……貴方と一緒にいる口実ができれば。」
最後は消え入りそうな声で、辰巳には届いていなかった。
それから少し喋った後、未来にいくつかお菓子を持たせて帰らせた。
週末の土曜日、仕事休みの七瀬が教会を訪れた。許可を得なければならないと言うのは、彼のことだった。
「絶対嫌です。絶対ダメです。ていうかなんで俺に言うんですかそんなこと!反対するに決まってるでしょ!」
「反対されるとわかっててお前に言ったのは、一応義理立てしてるつもりなんだが。」
「そっそそ、そんなこと言って、俺が許すとでも!?て言うか貴方、あの男に何されたか忘れたんですか!?」
「何されたかお前は知らないだろ。」
「だいたい想像はつきます!僕は子どもにすら嫉妬するほど貴方のことが好きなんですよ。」
「あーはいはい。」
「貴方は高校生は子どもだと思っているかもしれませんが、一番獣なんですよ、野獣ですよ!」
「たく、余裕ねぇなあ。」
「だいたい貴方はっ、んぅっ?」
辰巳は七瀬の後ろ髪を掴んでキスをした。
「ちょっ、話聞いてるんですか!?」
「そもそもあんな貧弱なガキに何かされる前に返り討ちにできる。この前は薬盛られたせいだからな、それも気をつける。俺がなんかされんのを許すのはお前だけだ。」
「た、つみ、さん。」
「それにお前が保育園の窓からずっと見ててくれんだろ?ストーカーさんよ。」
「……もう、ずるいですよ。本当に。」
「許可は?」
「いいに決まってるでしょ。」
「ふっ、男前だな。」
「からかわないでください。その代わりもっと頻繁にここに来ますよ、毎日でも来ますよ。」
辰巳は笑いながら、七瀬の髪をくしゃくしゃと撫でた。
完
0
お気に入りに追加
141
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
珍しい魔物に孕まされた男の子が培養槽で出産までお世話される話
楢山コウ
BL
目が覚めると、少年ダリオは培養槽の中にいた。研究者達の話によると、魔物の子を孕んだらしい。
立派なママになるまで、培養槽でお世話されることに。
僕は肉便器 ~皮をめくってなかをさわって~ 【童貞新入社員はこうして開発されました】
ヤミイ
BL
新入社員として、とある企業に就職した僕。希望に胸を膨らませる僕だったが、あろうことか、教育係として目の前に現れたのは、1年前、野外で僕を襲い、官能の淵に引きずり込んだあの男だった。そして始まる、毎日のように夜のオフィスで淫獣に弄ばれる、僕の爛れた日々…。
浮気をしたら、わんこ系彼氏に腹の中を散々洗われた話。
丹砂 (あかさ)
BL
ストーリーなしです!
エロ特化の短編としてお読み下さい…。
大切な事なのでもう一度。
エロ特化です!
****************************************
『腸内洗浄』『玩具責め』『お仕置き』
性欲に忠実でモラルが低い恋人に、浮気のお仕置きをするお話しです。
キャプションで危ないな、と思った方はそっと見なかった事にして下さい…。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる