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とあるインテリヤクザと不良牧師の交錯
第4話 とある教祖の場合 31※
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「おいおいおい!いらん!しばらく拉致監禁されてたんだ、少しはゆっくりさせてくれ。」
辰巳が七瀬の体を押しのけると、七瀬は叱られた犬のようにしょぼんとした表情を浮かべた。
「でも僕も頑張ったんですよ。辰巳さんが誘拐されてるかもしれないって気づいたし、怖いけどヤクザと連絡とって。宗教団体に乗り込んで、貴方を助けるために。」
「それは……ずるいだろ。」
「僕に、ご褒美ください。」
上目遣いで見つめる七瀬にひるむ。七瀬から目を離せずにしばらく思考が駆け巡る。
「お前には感謝してるんだ俺は。自分で言うのも恥ずかしいが、かなり衰弱していてな。お前にはなんでもしてやりたいくらいの気持ちだ。」
そう言うと、辰巳は七瀬の頬に手を寄せた。
「た、つみ、さ。」
「しかし、俺にはそんな器用なことはできない。こんなので礼なんて言えもしないが、勝手にしろ。」
これは据え膳か、七瀬は目の前の状況にひどく混乱する。しかし、弱みにつけこんで成り行きでやるのも違いのではないか。おろおろと躊躇する七瀬に辰巳はクスリと笑った。
「教会出禁の件といい、今といい、お前は妙なところ真面目なんだな。」
「だ、だだ、だって、拉致監禁されて、何日も拘束されて、一人歩けないような状態だった貴方を、助けた弱みにつけこんでどうにかするなんて、なんか、保育士としてどうなのかなって感じだし、しかも貴方は牧師さんだし、その
辰巳は七瀬の後ろ髪をひっつかんで、七瀬の言い訳のような言葉を遮るように深くキスをした。
「んぅっ!?ぷはっ、辰巳さん!?」
「弱みじゃねえ、わかれ。」
「弱みじゃない……って……。」
「お前も覚悟決めろよ。」
「辰巳さん。」
「俺の覚悟はできてる。」
辰巳の鋭く真剣な眼差しに、七瀬はつま先から頭の上まで全身が熱を持つのがわかった。もう誰にもとめられない、止める権利もないだろう。そこには欲情にとらわれた目をした二人がいるだけだ。
「ぅ、ぁ、はーっ、はーっ、く、ぅ。」
辰巳が七瀬の体を押しのけると、七瀬は叱られた犬のようにしょぼんとした表情を浮かべた。
「でも僕も頑張ったんですよ。辰巳さんが誘拐されてるかもしれないって気づいたし、怖いけどヤクザと連絡とって。宗教団体に乗り込んで、貴方を助けるために。」
「それは……ずるいだろ。」
「僕に、ご褒美ください。」
上目遣いで見つめる七瀬にひるむ。七瀬から目を離せずにしばらく思考が駆け巡る。
「お前には感謝してるんだ俺は。自分で言うのも恥ずかしいが、かなり衰弱していてな。お前にはなんでもしてやりたいくらいの気持ちだ。」
そう言うと、辰巳は七瀬の頬に手を寄せた。
「た、つみ、さ。」
「しかし、俺にはそんな器用なことはできない。こんなので礼なんて言えもしないが、勝手にしろ。」
これは据え膳か、七瀬は目の前の状況にひどく混乱する。しかし、弱みにつけこんで成り行きでやるのも違いのではないか。おろおろと躊躇する七瀬に辰巳はクスリと笑った。
「教会出禁の件といい、今といい、お前は妙なところ真面目なんだな。」
「だ、だだ、だって、拉致監禁されて、何日も拘束されて、一人歩けないような状態だった貴方を、助けた弱みにつけこんでどうにかするなんて、なんか、保育士としてどうなのかなって感じだし、しかも貴方は牧師さんだし、その
辰巳は七瀬の後ろ髪をひっつかんで、七瀬の言い訳のような言葉を遮るように深くキスをした。
「んぅっ!?ぷはっ、辰巳さん!?」
「弱みじゃねえ、わかれ。」
「弱みじゃない……って……。」
「お前も覚悟決めろよ。」
「辰巳さん。」
「俺の覚悟はできてる。」
辰巳の鋭く真剣な眼差しに、七瀬はつま先から頭の上まで全身が熱を持つのがわかった。もう誰にもとめられない、止める権利もないだろう。そこには欲情にとらわれた目をした二人がいるだけだ。
「ぅ、ぁ、はーっ、はーっ、く、ぅ。」
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