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とあるインテリヤクザと不良牧師の交錯
第4話 とある教祖の場合 26
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「辰巳さん、階段登れますか?」
「ああ、なんとかな。」
七瀬に肩を貸され、やっとの事で歩き、地下から脱出する。
「なんでここがわかったんだ、七瀬。」
「あ、ええ。あの~。ちょっと言いづらいといいますか……。」
いいよどむ七瀬。
「なんだ。」
「教会の扉に、『教会はお休みします』って張り紙が張ってあったんです。けど、あなたが教会からいなくなるなんて信じられなくて。」
「なるほどな、なんで言いづらいんだ。」
「いやだって。教会を出禁にされたのにまた教会に行ったから……。」
辰巳は思わず吹き出した。この後に及んでそんなこと気にするはずはないというのに。いわば七瀬は恩人だ。感謝すらある。七瀬は言葉を続けた。
「それで知り合いに相談したら、」
「さっき後ろにいた奴か。」
「はい、高校の時の同級生で、九条っていうんです。九条からある方を紹介されまして。」
「ある方?」
「あのですね、ちょっとあの。闇の業界と言いますか、なんというか。」
もしや。と、辰巳の脳裏に一人の人物がよぎった。
「もしかして、竜崎とかいうヤクザか?」
「……!なんで知ってるんですか!?」
「まあ、ちょっとした知り合いでな。」
「知り合い?牧師さんがヤクザと接点あるんですか?もしかして、暴走族だった時の……。」
「ちげえよ。まあ、それはいい。それで?」
「竜崎さんが別件でここの教祖を追っていて、辰巳さん失踪にも関わってるんじゃないかってことになって。それで乗り込んだんです。」
そうこう話しているうちに、日光が差してきて、一階にたどり着いた。玄関から出ると、竜崎と虎居がいた。
「あれ!?七瀬さん、なんでここにいるんすか!教会で待っててくださいって言ったでしょ!」
虎居が素っ頓狂な声をあげた。
「ああ、なんとかな。」
七瀬に肩を貸され、やっとの事で歩き、地下から脱出する。
「なんでここがわかったんだ、七瀬。」
「あ、ええ。あの~。ちょっと言いづらいといいますか……。」
いいよどむ七瀬。
「なんだ。」
「教会の扉に、『教会はお休みします』って張り紙が張ってあったんです。けど、あなたが教会からいなくなるなんて信じられなくて。」
「なるほどな、なんで言いづらいんだ。」
「いやだって。教会を出禁にされたのにまた教会に行ったから……。」
辰巳は思わず吹き出した。この後に及んでそんなこと気にするはずはないというのに。いわば七瀬は恩人だ。感謝すらある。七瀬は言葉を続けた。
「それで知り合いに相談したら、」
「さっき後ろにいた奴か。」
「はい、高校の時の同級生で、九条っていうんです。九条からある方を紹介されまして。」
「ある方?」
「あのですね、ちょっとあの。闇の業界と言いますか、なんというか。」
もしや。と、辰巳の脳裏に一人の人物がよぎった。
「もしかして、竜崎とかいうヤクザか?」
「……!なんで知ってるんですか!?」
「まあ、ちょっとした知り合いでな。」
「知り合い?牧師さんがヤクザと接点あるんですか?もしかして、暴走族だった時の……。」
「ちげえよ。まあ、それはいい。それで?」
「竜崎さんが別件でここの教祖を追っていて、辰巳さん失踪にも関わってるんじゃないかってことになって。それで乗り込んだんです。」
そうこう話しているうちに、日光が差してきて、一階にたどり着いた。玄関から出ると、竜崎と虎居がいた。
「あれ!?七瀬さん、なんでここにいるんすか!教会で待っててくださいって言ったでしょ!」
虎居が素っ頓狂な声をあげた。
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