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とあるインテリヤクザと不良牧師の交錯

第4話 とある教祖の場合 15

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「ハフハフ。ってことがあってですね。竜崎さん何か知りませんか?」

「ふー、ふー。知るか。」

詐欺師とヤクザ、小さなワンルームで二人。すき焼きをほふっている。初めて流れで九条の家ですき焼きを食べた後。時たまこうして、二人ですき焼きを食べているのだ。この時ばかりは竜崎も、自分がヤクザであることを忘れることにしている。目の前のすき焼きに、真摯に向き合わねば。しかし今日は事情が違う。

「もう行くわ。」

「え?早いですね。まだ半分以上残ってますよ。」

「悪いな。近頃大仕事がある。」

「へえ、どんな仕事ですか?詐欺師の成敗?」

「詐欺師はてめえだけで十分だ。宗教だよ。」

「……宗教?」

「とある新興宗教が、うちのシマで好き勝手金儲けしてのさばってるんだとよ。ただの宗教ならうちの出る幕はないが、こっちの評判が落ちかねねえ汚ねえ商売やってんだと。」

「汚い商売?」

「まあ、薬やらなんやら。他にも色々だな。」

「……それで?」

「うちの幹部の身内に接触とって布教しているらしい。幹部を信者にして、うちの組丸ごと信者にしようって腹だろうな。たくめんどくせえ。」

「……竜崎さん。」

「おっと、喋りすぎたな。残りは適当に食べといてくれ。」

「竜崎さん。俺、その宗教知ってます。」



「はっ、ははっ、初めまして!!なななっ、七瀬と申します!!」

「七瀬、ヤクザ相手だからってそんな緊張しなくていいよ。竜崎さんはヤクザらしくないヤクザだし。昨日だって俺とすき焼き」

「九条、それ以上言ったらぶっ殺すぞ。」

「ヒィイ!!」

なぜか七瀬が悲鳴をあげる。

「にいちゃん、七瀬って言ったか?別にあんたに危害を加える気はねえから安心しな。」

「は、はい。」

「ただ、俺もあんたも追うものが同じである可能性が高いって話だ。ここは一つ、協力しようや。」

「わ、わかりました。」

「俺が追っているのは救魂愛我教っちゅう新興宗教だ。」
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