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とあるインテリヤクザと不良牧師の交錯

第4話 とある教祖の場合 12

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「貴方はさ、きっと堕ちた方が楽な人だ。ずっとそのプライドと意志を持ち続けてたらすぐに壊れてしまうよ。」

「……。」

「早いとこ堕ちて、染まって、洗脳された方がいい。」

そう言うと、未来は立ち上がって扉に向かって歩いた。

「……ごめんね、辰巳さん。」

扉を開けてそう言い残した。



1日でも悪夢なのに、そんな日々は毎日続いた。未来の言葉通り、終わりがないように思えた。毎日拝まれ、祈りの言葉を捧げられ、襲われる。毎回最初は、未来に挿入れられる。事後は未来と軽く言葉を交わす。会話している時の未来は、時折無邪気な表情を見せ少し大人びてはいるがちゃんと高校生だと実感する。しかし繋がっている時の未来はまるで人形のように表情を失って、義務のように辰巳に突き入れる。それと対比するように、辰巳の体は徐々に感じやすくなり、開発されていく。毎回へろへろになりながら、未来に縋りつきたい衝動に駆られるが、力の入らない腕はだらりとのびたままで、そんな時に限って未来は抱きしめてきたりする。

これは推察に過ぎないが、未来は自分を堕とそうとしているのだろう。素直になれば、プライドを捨てれば、堕ちてしまえば、優しくしてくれる、気持ちよくなれる、楽になれると体に教え込もうとしているのだ。それが未来の優しさなのか、清羊の指示なのかは、わからない。



「おかしい、絶対おかしい。」

七瀬は数日ぶりに、教会を訪れた。園児たちの前で辰巳を襲ってしまったあの事件以降、教会を出禁になってしまったのでもどかしい思いをしつつも訪れる回数を大幅に減らしていたのだ。出禁なのだから一回も来てはいけないはずなのだが…。出禁になった後も、何回か訪れていたら堪忍袋の緒が切れた辰巳からどん叱られた。それからは一回も訪れていなかった。しかし辰巳に逢いたくて逢いたくて震えてしまうほどだった。そろそろ怒ってないだろう、と控えめに教会を訪れた。すると、扉には一枚の張り紙が張られていた。

『一身上の都合で教会をお休みします。再開日時は未定です。』

「はあああ!?!?」

そんなことあるものか!七瀬はガムテープで封鎖されていた教会の扉を無理やりこじ開けて、中に踏み入る。しかし中はもぬけの殻で、人一人いない。七瀬は教会の椅子に座って考え込む。
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