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とあるインテリヤクザの受難
序話 とあるインテリヤクザの受難
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「何ぃ、今度は詐欺師の成敗だと!?高い壺を買わされた?あのおんぼれの女房が?知るか!!」
とある街に縄張りを張る組の組織に所属する若葉会。28歳という若さでその長を務めるのが竜崎という男。現組長の愛人の子という不遇な立場でありながら有名私立大学の法学部を卒業し、今では会のトップにまで登り詰めた。
俗にいうインテリヤクザというやつだ。
竜崎が仕切る若葉会は上層部が手をつけ切れない案件に取り組んだり、枝分かれした数多くの団体を監視し、組織の治安を維持するためにできた会だ。しかし今では雑用係と化していた。
一年前
「やっと若葉会の長を引き受けてくれる気になったかね。竜崎。」
「ええ。但し会員は俺の一存で決めさせてくださるという条件を飲んでいただければ。」
「それは問題無い。幹部以外なら誰でも、私が手を回して若葉会に引き抜こう。」
「では、会員の名簿を作りましたので許諾ください。」
「どれ………。ほう、驚いた。ごろつきばかりだな。」
「馬鹿な方が動かしやすいんですよ。」
「ふん、私には『人助け』にしか見えんがな。」
「人助けで部下を決める程、甘っちょろい仕事はしませんよ。」
一年後
今日も平和な若葉会。数少ない会員の中でも下っぱの二人が事務所の部屋にこもっていた。
「おいハサミ持って来いやぁ。」
「ハサミなんかいらねぇ!早く破っちまえよ」
「ああん?俺は袋綴じは綺麗に開けたい派なんだ。」
「 ごたごたうるせーなぁ! 早くしねえと頭戻ってくんだろが。」
「うわ!勝手に破くんじゃねぇ……うっ!」
「うへえ、こりゃすげぇや。」
「…………何してんだてめぇら」
「うわあ!竜崎さん!!」
「頭ぁ!!」
「こいつがこんなひひ卑猥な本買ってきたから捨てちまおうと思ってですね!」
「おい裏切り者!」
「ほお、それで何で意気揚々と袋綴じを開けようとしてんだ?あぁ?」
「いやあのその」
「さっさと仕事しろ馬鹿ども!!」
「はいいい!!!」
とある街に縄張りを張る組の組織に所属する若葉会。28歳という若さでその長を務めるのが竜崎という男。現組長の愛人の子という不遇な立場でありながら有名私立大学の法学部を卒業し、今では会のトップにまで登り詰めた。
俗にいうインテリヤクザというやつだ。
竜崎が仕切る若葉会は上層部が手をつけ切れない案件に取り組んだり、枝分かれした数多くの団体を監視し、組織の治安を維持するためにできた会だ。しかし今では雑用係と化していた。
一年前
「やっと若葉会の長を引き受けてくれる気になったかね。竜崎。」
「ええ。但し会員は俺の一存で決めさせてくださるという条件を飲んでいただければ。」
「それは問題無い。幹部以外なら誰でも、私が手を回して若葉会に引き抜こう。」
「では、会員の名簿を作りましたので許諾ください。」
「どれ………。ほう、驚いた。ごろつきばかりだな。」
「馬鹿な方が動かしやすいんですよ。」
「ふん、私には『人助け』にしか見えんがな。」
「人助けで部下を決める程、甘っちょろい仕事はしませんよ。」
一年後
今日も平和な若葉会。数少ない会員の中でも下っぱの二人が事務所の部屋にこもっていた。
「おいハサミ持って来いやぁ。」
「ハサミなんかいらねぇ!早く破っちまえよ」
「ああん?俺は袋綴じは綺麗に開けたい派なんだ。」
「 ごたごたうるせーなぁ! 早くしねえと頭戻ってくんだろが。」
「うわ!勝手に破くんじゃねぇ……うっ!」
「うへえ、こりゃすげぇや。」
「…………何してんだてめぇら」
「うわあ!竜崎さん!!」
「頭ぁ!!」
「こいつがこんなひひ卑猥な本買ってきたから捨てちまおうと思ってですね!」
「おい裏切り者!」
「ほお、それで何で意気揚々と袋綴じを開けようとしてんだ?あぁ?」
「いやあのその」
「さっさと仕事しろ馬鹿ども!!」
「はいいい!!!」
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