官能を暴き、屈辱を貢ぐ

第四話② 結腸責め・中出し

　一ノ瀬の甘い匂いがフェロモンか何かのように鼻腔に染み込み、それだけで身体が喜びに震え背がびくっ♡びくっ♡と仰け反る。
ーーセックスなんてっ♡♡暇人馬鹿のやることだっ……♡♡俺はっ……こんなっあ"♡♡♡
　高くひねくれたプライドがぶっ壊されまいと必死にこの行為と自分自身を否定する。
　ぐっぽし♡と深く繋がった結合部は止まったままだ。引き攣れて不規則に異常な痙攣を繰り返す腸の襞が肉の塊に纏わりつき馴染むまで後ろから軽く揺する程度の動きを繰り返す。
　それでも喜びにうち震え紅く染まった媚肉がはみ出て、ひくっ♡ひくん♡とちんぽを咥えこんで締め付ける。
「っすごいですよ、蜘蛛野先生のここ、私のちんぽ欲しい欲しいって一生懸命食い締めて♡……とても可愛らしく切なげにくぱ♡って呼吸してます」
「ん"ぅ"～～～～っ！♡♡」
　言葉で責められて、辱しめられて、全身が喜びと興奮で支配されるなんて気がつきたくなかったが、認めざるを得なかった。
　どくっどくっどくっどくっと心臓が大きな鼓動を刻む。
ーーぁぁぁ"♡どうしよう"っ♡♡もうっ、早くほし……♡♡
　その時だった。後背位で繋がっていた蜘蛛野の両手首をガシッと掴んで後ろに引いた。そのままの勢いで一ノ瀬の膝に蜘蛛野が座り込む体位ーー背面座位、となった。
どちゅんっっ！！♡♡♡
　自重で腹の奥にちんぽが当たる衝撃音が頭の中に響き、頭の中でバチッ♡と光が飛んだ。
「おほぉ"お"お"っ！？！？♡♡」
　あられもない下品な咆哮が蜘蛛野の喉から弾ける。むっちりと乗る尻を一ノ瀬が腰ごと両手で掴み乱暴に上下させると、ばちゅんっ♡ばちゅんっ♡と激しい情事を物語る水音が響く。蜘蛛野の下っ腹を亀頭が何度も何度も抉り、前立腺をごりごりと押し潰した。
「ん"おぉ"っ♡お"ぉ"～～～っ！♡♡♡ちゅぶれ"でる"っ！？♡…やばいっ声でる……♡♡」
　自分でもドン引きするようなド変態おほ声をあげて、鼻水も涙も涎も垂れ流しのままよがり泣く。
「ひぃ"っ♡めくれ"る"っ♡…ぉお"お"っ♡♡…やめろ"お"！激しくすんなぁあ♡♡♡」
　激しい肛虐に媚肉がますます紅くぽってりと腫れてびきびきに固くなったペニスに纏わりつく。自身のアナルが一ノ瀬のちんぽを悦ばせる孔になってしまったことを自覚。蜘蛛野の背と一ノ瀬の腹がぴったりと密着して、お互いの体温と汗が混ざり溶け合う。
ーー年下の"っ♡担当編集ちんぽでっ♡♡イかされてるう"う"っ……♡♡♡これ以上っ…ちんぽセックスっ…♡♡されたら"…おかじぐなる"ぅっうう"……♡♡
　身体を上下に揺する動きはどんどんと激しくなり、指が食い込むほど蜘蛛野の腰を掴む手に力を入れ、これでもかと自身の股間に引き寄せた。
　その瞬間、ぐぽんっっ！♡♡♡と、決して人体で鳴ってはいけないようなくぐもった突破音が全身に響き、下っ腹にビリビリビリッ！♡♡と痺れた甘い鈍痛が走った。
「おほぉ"お"っ！？♡♡♡おへええ"え"っ…♡ら"めえぇ"え"え"ぇ"え"！？！？♡♡♡♡」
「飲み込んで、しまいましたね。奥まで」
　思わず一ノ瀬の腕を掴み爪を立てるも、くぽっ♡くぽっ♡と蜘蛛野の懇願などお構いなしに奥を無理やり押し広げていく。
「結腸の"入り口のとこっ、こつんっ♡こつんっ♡でぇ"っあだっでる"がらっぁあ"♡」
　快感と苦しさで限界になってぼろぼろと涙を溢した。結腸の奥の奥まで挿入され、内臓全てが一ノ瀬のちんぽでみちみちに拡げられているような感覚を覚える。
「先生っ……これが私の、ペニスの形です。……覚えてくださいっ」
　あまりにも激しい律動、蜘蛛野の身体はもはやふらふらとして一ノ瀬の動きに追従するしかなかった。それが酷く気持ちが良くて、興奮に支配された頭がぶっ壊れそうになる。
「うぅ"ぅ"♡♡なんれ"…ん"っ♡♡…こんな、きもち、ぃぃ"い"っ♡♡♡」
　暴力的な快楽を与えられ、声がふわりと上ずる。
ーーもうまたっ♡またイっちゃう"♡♡一ノ瀬に♡結腸責め"られ"で♡♡イ"くっ♡いくっ♡イグぅうっ！♡♡
「ーーー～～～～～～ッ！？！？♡♡♡♡♡」
　もう何度めかもわからない絶頂、完璧な腹イキと中イキをキメさせられ余韻が止まらない。背中が折れそうな程仰け反り、致死量の快感を逃そうとする。
　しかし一ノ瀬はその状態で繋がったまま、絶頂を迎えている蜘蛛野の身体をひっくり返した。
「あぇ"え"っ？♡♡なに、なにすんら"ぁあ"♡♡」
　ズブズブに蕩けた尻の中で咥えこんだペニスがぐりんっ♡と回転し前立腺を容赦なく抉った。体位は背面座位から正常位に変わる。
「私のちんぽでアクメきめてる時の顔、見せてください」
　ひっ♡♡と蜘蛛野の喉から吐息のような悲鳴が漏れる。一ノ瀬は蜘蛛野の無防備に広げられた両手の平に自身の指を絡ませ、恋人繋ぎのままベッドに縫い付けた。
　一ノ瀬が腰をゆっくりと引くと、結合部がぬとぉお…♡♡と糸を引き、柔らかい肉襞が抜かないでとでも言うようにきゅん♡とちんぽを締め付ける。
　亀頭が抜け切るかどうか、というところまで引き抜かれ、カリ首がアナルの縁に引っ掛かった。
「なんでっ？♡ちんぽ、抜い……？♡♡」
　ふと一ノ瀬の顔を見た蜘蛛野は目を見開き喉をひくっと震わせた。
　ギラついた瞳で捕食者のように舌で唇を舐めるその表情は獲物を目の前にした雄そのものだった。
　いつも冷静な一ノ瀬の理性を失った顔に、背筋がゾクゾクっ♡♡と震え、自分がメスにされてしまうことを理解し軽くイく。姿勢優位のお陰か、一ノ瀬は本格的に腰を入れた。
ーーまずいっ♡本気ピストン♡♡来る…ぅ"！？♡♡
　死すら予感し恐怖する心とは裏腹に、下っ腹はぎゅん♡ぎゅん♡ぎゅんっ♡と期待で疼いた。
　手はベッドに押し付けられていて抵抗は不可能、脚はガニ股で開脚されていてちょうど挿入れるためだけの姿勢にさせられている。
　もう口しか使えない。蜘蛛野は悲痛で甘美な懇願の叫びをあげた。
「待ってくれっ！…♡♡まだっ♡まだ絶頂が収まってないっのに"っ♡♡…ぃい"い"～～～！？♡♡♡」
　喋ってる最中だというのに、一ノ瀬は無慈悲にもズパンッ♡と腰を打ち付けた。思わず背を仰け反り身体をよじらせる。中イキアクメの最中なのに肉襞、前立腺、結腸、全てをちんぽでガン責めされ、腸がピクピクッ♡と死の間際のような痙攣を起こしている。
「イ"ってゆ"…♡俺イ"ってる"か"ら"あ"っ……♡♡待っでぇ"♡♡ちょっとまってくれ"ええ"♡♡♡」
「せんせっ……すごい…♡……ずぶずぶ♡とろとろになってて♡きもちいです、先生の中」
「あ"ーーー！！♡♡♡♡またイ"ぐううう"う"♡♡イっでる"のにイ"くぅ"ぅ"うっ！？♡♡」
　腰がバタンバタンと暴れ、勃ち上がったちんぽからぷしっ♡と体液を噴き出した。
「先生……っ、締まる……、私も、イキます」
「あ"あ"あ"っ♡いやっ…ぁあ"あ"っ♡♡中に出しゅなぁぁ"あ"っ！♡♡♡」
「先生の、奥の奥に、種付けしますね。私の精液で先生の内臓……汚しますっ」
　びゅ～～～～っ！！♡びゅるっ♡どぴゅっ～～♡♡
　腹の中に熱くて重たい粘液が勢い良く叩きつけられるのを鮮明に感じ取ってしまい、自分が本当に中出しされてしまったことを理解する。
「ひぎゃぁあ"あ"っ♡♡♡精"液やめ"ろ"ぉお"おっ♡♡♡俺ん中"っ♡♡…出されてるぅ"う"ーーーー！？♡♡♡」
　何度か腰を軽く揺すると、一ノ瀬はずぶずぶとゆっくりペニスを引き抜いた。過敏になった肉壁が摩擦によって刺激されそれだけで甘イキしてしまう。アナルからペニスが半分ほどが抜け出ると。
ぶぴゅっ…♡♡どぷっ…♡♡こぽっ……♡とろぉ……♡
　虐待され紅く腫れただれ、ひっく♡ひっく♡と痙攣しおまんこと化したアナルの縁とちんぽの僅かな隙間から濃い白濁が不規則に噴き出し、流れ出た。
「はーっ♡…はーっ♡……はーっ♡」
　涙と鼻水でぐちゃぐちゃの顔、朦朧として視線は宙を定まらない、そんな状態で必死に呼吸を整えようとする蜘蛛野。
「先生、私以外のちんぽで絶頂してはなりませんよ」
「はーっ♡……はっ♡……はあ？♡♡」
「私のちんぽの形でイくの、覚えてくださいね」
「はーっ…♡…俺…に、…挿入れたがる…悪趣味なっ…奴……お前、だけ……だ♡」
　辿々しくそう答えた蜘蛛野。その耳元に唇を近づけた。
　そのまま、一ノ瀬が囁いた。

「……伊糸いいと緑雨りょくうさん」

　蜘蛛野は目を見開いた。
　伊糸緑雨。それは官能小説家、蜘蛛野糸一の本名だった。
　突然本名を囁かれ心臓の鼓動が跳ね上がる。腰がぐりんと反り、ちんぽを食いちぎる勢いで無意識に後ろの孔をぎゅうぅううっ♡♡と締め付けた。
「あ"っ♡ぁ"……♡なんでっ…！？♡……知って……？♡♡」
　仕事の関係者で本名を知っている人間は、出版社のごく僅かな上層部だけだ。蜘蛛野は意図的に本名を隠していた。もちろん一ノ瀬にだって言ったことはない。
「緑雨さん」
「やめろ"お"っ…♡♡名前"っ呼ぶなあ"ぁ"っ！♡♡」
　名前を呼ばれる度、アナルがびっくん♡びっくん♡痙攣し、一ノ瀬のペニスを食い締めた。明らかに身体が異常を来しているのがわかる。
「本名で呼ばれると、感じますか？」
「違う"っ…♡これは……っ…んぉ"お"っ♡」
「緑雨さん」
「あ"あ"あ"ーー～～～っ！？♡いぐ♡イ"くっ♡イ"グうぅう～～ッ！！♡♡♡」
　ぶしゅっ♡ぷしゅぅうっ！♡♡♡とペニスの先から淫汁を噴き出し撒き散らす。
「締め、すぎっ……ですよ」
　一度吐精し萎えかけたペニスが再び固くなる。一ノ瀬はぐいっと蜘蛛野に顔を近づけた。
　一ノ瀬の額から汗がぽたりと落ち、蜘蛛野の頬に当たる。
「貴方は『蜘蛛野糸一』にしか価値が無いと思い込んでいらっしゃる……だけど私は『伊糸緑雨』が欲しいんです」
「いったい……♡俺の…何を……知って……？♡♡」
　疑問を持つことを禁じるかのように、再び腰をぱんっ♡と押し込む。結腸にどちゅんっっ♡♡♡とハメると、くぽっ♡とカリ首が結腸の縁を突破して、油断していた蜘蛛野の喉からオ"ッ♡と苦しげな嬌声か漏れ、瞳がぐりんっ♡と上に裏返った。
　イった直後でほかほかに過敏な状態のおまんことなった結腸を何度もちんぽでこじ開けられる。その上、普段ペンネームで呼ぶ人間がほとんどなのに、一ノ瀬の甘い声で何度も何度も本名を囁かれ、蜘蛛野はあまりの快感に腰が抜けてしまった。
「あ"っ♡あ"っ♡あ"ぅ"っ♡一ノ瀬え"♡おぉお"～～っ！？♡♡♡」
「緑雨さん……名前っ呼んでください」
「……っ誰が！♡♡ぁっぁっあ"ぁ"ああ"っ！」
　拒否すると、アナルを掘削するペニスの動きが激しく乱暴になる。ぱんっ♡ぱんっ♡ぱんっ♡と音が響くたび激しいセックスを生々しく自覚する。身体も頭も壊されてしまうの予感し、ドすけべオホ顔を晒しながら甘い絶叫をあげた。
「んほぉ"お"っ！♡♡みつぐぅーーーっ♡♡」
「はっ…♡そうです……♡もっと呼んで」
「みつぐっ♡……貢……っ♡みつぐっ！♡」
「えぇ、貢ぎますよ。貴方に壊れるほどの屈辱と快楽を……」
「貢っ…ぅ"…♡もっ……らめえ"っ……♡」
　指先から足の先まで全身をガクガク♡と痙攣させながらとろけた顔で懇願、その表情と身体は蜘蛛野が限界であることを物語っていた。恋人繋ぎで絡ませた指にぎゅうう♡♡と力を込め、一ノ瀬の手の甲に爪を立てる。
「緑雨さん、愛してるって言ってください」
「はぇ……？♡♡なに……？♡♡」
「愛してるって言えたら、終わらせてあげます」
「みつ……ぐっ♡みつぐぅ…………あ、ぃ…………♡♡♡」
　そこまで言うと蜘蛛野の瞳は完全に瞼の裏に隠れ、白目を剥いた。
「……先生？」
　もう蜘蛛野の意識はなかった。許容量を越えたあまりの快楽に失神した蜘蛛野はベッドの上でだらりと伸びていた。




　蜘蛛野が目を覚ましたのは、ちょうど12時間だった。身体は清められ、温かいベッドの上で寝転んでいる。辺りを見回すとあれだけ汚かった部屋は完璧に綺麗に片付けられていた。
「先生、良く眠れましたか？」
　声のした方を見ると、ソファで一ノ瀬が本を片手にこちらを向いていた。
「え？…あ、あぁ」
「良かったです。隈もだいぶ取れたみたいですね。……何か作ります」
　一ノ瀬は本を机に置いて、キッチンに向かった。
ーー先ほどまでのあれは、夢だったのだろうか。
　それくらい穏やかな時間が過ぎている。しかし気を抜くと、自身の下っ腹が酷く疼くのに気がついていた。
　わからない、一ノ瀬が何を思って自分とセックスなどしたのか。なぜ自分の名前を知っているのか。なぜ、「愛してる」などと言わせようとしたのか。
　キッチンでカタカタと作業をしながら一ノ瀬は呟いた。
「先生、もう無理はしないでくださいね」
「……それは」
「と編集者の私は思っています。だけど一ノ瀬貢は無理してる先生も好きなんです。……がむしゃらに命を削って死に物狂いで執筆してる先生が」
　予期しない言葉が返ってきて、蜘蛛野は黙り込んでしまった。
「……先生がいつまでもこうやって執筆できるよう。支えるほどの力はありませんが、私の全てを捧げ続けます」
　こ憎たらしい年下の編集のかしこまった言葉に蜘蛛野はむず痒くなって、寝た振りをした