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第1章 転がり落ちてきた玉座への道と、繰り上がり王太子の嫁取り事情
ユーハン01.天から舞い降りた天使を見つけた僕は
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僕の名は、ユーハン・ルツォ・スヴェンデン。スヴェンデン公爵家の次男と産まれた僕は、何一つ不自由のない幼少期を過ごした。厳しくも愛を確かに感じられる両親たちに、幼い頃から神童と呼ばれるほどの秀才っぷりを見せた異母弟にも優しい異母兄上、可愛らしい異母弟妹。何の不安もなく育ってきた、――9歳までは。
順風満帆に見えた僕の人生に暗雲が立ち込め始めたのは、閨教育が始まってからだ。それが、僕にとって初めてぶち当たった挫折であった。自分の性自認は、男の雌。それだけであったなら、多少珍しくともリモやセドとして生きて行けたであろう。しかし、僕はどうしても、リモやセドの生き方が出来そうにない、と自覚してしまった。
そこからは、転がり落ちるようだった、と言えた方がマシだったかもしれない。当主である父が、僕はルツォと名乗るよう決めたのみで、それ以外は何も変わらない生活が続いた。つまりは、リモひいては当主となる教育からは多少逸れたのだろうが、きちんと教育をつけさせてくれて、変わらない愛情を注いでくれた。それが僕にとって、逆にツラかった。
だって、両親たちからも異母兄上からも、たまにしか合わないからこその親族からも、僕がリモかセドになることを望まれていたことは肌で感じていた。正直言って異母兄上が、異母弟である僕に何故自分の立ち位置を脅かすリモやセドになることを望んでいたのかは分からない。しかし、皆の理由はどうであれ、期待を裏切ってしまったということが僕の胸に響いた。愛されていたことを知っていたからこそ、皆の役に立ちたかったのに。
ただただハーレム入りするしか出来ない自分が、こんなに勉強したところで何になるというのか。
そんな鬱屈した生活を2年ほどしたら、僕に転機が訪れた。王家から縁談が届いたがどうしたいか、と問われたのだ。
相手は、第一王子アーロン・リモ・シェルクヴィスト殿下。王妃陛下となられた方から生まれた正当な血筋の御方で、つい先日10歳を迎えてリモを賜ったということだった。これ以上にない、縁談であった。十妃に名を連ねることが出来れば生家に箔がつくだろうし、王家であれば僕のこの褒められた頭脳も活かすところがあるのかもしれない。僕は、一も二もなくその縁談に飛びついた。
――それが、いけなかったのだろうか。
「お前が俺の筆頭婚約者候補か。女でも雌でもない、男の中性が筆頭の座に収まるとは頭が高いな」
「っも、申し訳ございません……」
「母上がどうしてもと言うから、お前を使ってやろう。だが、情けをやるつもりはない。無論、愛妾を持つのは許さん。心得ておけ」
「承知、致しました……」
白い婚姻、お飾りの妃となることが決定した瞬間だった。
初めての顔合わせ、そこで両陛下にお目通りが叶い、婚約者となるのだから二人で庭園を散歩しておいでと送り出されて、二人きりになった直後の言葉で。ぼんやりとだけど、両親たちのように愛し愛される幸せな婚姻をイメージに持っていたから、殿下に言われたことは衝撃的でしかなかった。いや、よくよく考えれば王家のリモのハーレムが、そんな平和な訳がないし、高位貴族である公爵家でも同様だ。公爵家出身なのに幸せな家庭のイメージが持てているのは、とても幸せなことだと後から気付いたけれど。それでも、まだ12歳のお子ちゃまだった僕には、とても衝撃的でありショックだった。
ついでに言うと、僕は雌なのに中性――要は雄にも雌にもなれるタイプと王家に伝えられていることも驚いた。ただ、こちらはたぶん、この頃には既に大柄に成長しているのが見て取れる息子に雌と名乗らせるリスクを、両親たちが危惧したのだろうと思った。実際、外では自分のことを雌だと明言したことはないし、周りからは雄だと言われているのも否定していなかった。公爵家という高位貴族に産まれたからこそ、口さがない者達の口撃対象にならないよう配慮した結果が、中性であるとすることだったのだろう。事実、後に王妃陛下は僕のことを雌だと正しく認識してくださった上に、僕を中性だと第一王子殿下に伝えたのは王妃陛下の発案であると知った。ということは、王妃陛下も少しばかり自分の息子に思うところがあったのかもしれない、と今なら思える。
それからは、義務付けられた定期的なお茶会以外に、婚約者であるはずの第一王子殿下にお会いすることはなかった。しかも、このお茶会は一対一という訳ではなく第一王子殿下の婚約者達との交流、という形だった。よって楽しそうにふわふわとした婚約者である女の子に囲まれている、第一王子殿下を隅で眺めることしか出来なかった。
そんな僕の楽しみは、その交流会に顔を出した後に許可された蔵書室での読書。そして、蔵書室には時折天使が居るのだ。……いや、天使とか頭おかしいんじゃないか、というのは分かる。だがこの天使、普通に存在する人間である。何を隠そう、第二王子クレーメンス殿下こそこの地に舞い降りた天使だった。正直、蔵書室の素晴らしい品揃えも大変好ましいが、それ以上に天使に会いに来ているようなものだったかもしれない。
「こんにちは、おにいさん。今日は、きていたんだね」
「ごきげんよう、殿下。私としては毎日来たいほどですが、用があるのが今のペースくらいゆえ」
「ぼくが、父上におねがいしておにいさんがこれるよう、許可証だしてもらうよ?」
「ありがとうございます、殿下。ですが、これでも勉強中の身ゆえ実際の時間がとれるか微妙なので、今のままでも困らないのですよ」
「そっかぁ……」
卑怯なことに、僕はこの天使様の異母兄の婚約者という立場を伝えていなかった。聡明なこの天使であれば察していたかもしれないけれど、いつも『おにいさん』と呼んでくれて、僕としてはこの関係を壊したくなかった。あまり王宮に長居していちゃもんをつけられても困るから、この天使との交流は細々と続けるのみに留めたけれど。それに、この天使が万が一にも責められる要素を作ってはならないとも思っていた。
結局、月に一度ほどのペースで、僕が学園に入学するまでの3年間という僕にとってはとても短い交流だった。最後の方は、月に一度ほどもお茶会に呼んでもらえなかったので、実際はもっと短い期間の交流でしかなかったのだが。
でも、この天使と会えなくなった時に、僕は決めたのだ。この時には既にこの天使がリンドフォーシュ公爵家にハーレム入りすることを知っていたからこそ、覚悟した。この天使が住まう国を良くすることに身を捧げよう、と。その為ならば冷遇されようと婚約者という立場にしがみついてやる、と。絶対に十妃入りして立場を得てやれるだけのことはやるのだ、と。
――まさか、この2年半後に天使と婚約することになるだなんて、想像もせず。己の全てを天使に捧げるための残りの準備期間へ、学園生活という己の賢さという武器を磨き上げる最後の日々へ思いを馳せたのだった。
順風満帆に見えた僕の人生に暗雲が立ち込め始めたのは、閨教育が始まってからだ。それが、僕にとって初めてぶち当たった挫折であった。自分の性自認は、男の雌。それだけであったなら、多少珍しくともリモやセドとして生きて行けたであろう。しかし、僕はどうしても、リモやセドの生き方が出来そうにない、と自覚してしまった。
そこからは、転がり落ちるようだった、と言えた方がマシだったかもしれない。当主である父が、僕はルツォと名乗るよう決めたのみで、それ以外は何も変わらない生活が続いた。つまりは、リモひいては当主となる教育からは多少逸れたのだろうが、きちんと教育をつけさせてくれて、変わらない愛情を注いでくれた。それが僕にとって、逆にツラかった。
だって、両親たちからも異母兄上からも、たまにしか合わないからこその親族からも、僕がリモかセドになることを望まれていたことは肌で感じていた。正直言って異母兄上が、異母弟である僕に何故自分の立ち位置を脅かすリモやセドになることを望んでいたのかは分からない。しかし、皆の理由はどうであれ、期待を裏切ってしまったということが僕の胸に響いた。愛されていたことを知っていたからこそ、皆の役に立ちたかったのに。
ただただハーレム入りするしか出来ない自分が、こんなに勉強したところで何になるというのか。
そんな鬱屈した生活を2年ほどしたら、僕に転機が訪れた。王家から縁談が届いたがどうしたいか、と問われたのだ。
相手は、第一王子アーロン・リモ・シェルクヴィスト殿下。王妃陛下となられた方から生まれた正当な血筋の御方で、つい先日10歳を迎えてリモを賜ったということだった。これ以上にない、縁談であった。十妃に名を連ねることが出来れば生家に箔がつくだろうし、王家であれば僕のこの褒められた頭脳も活かすところがあるのかもしれない。僕は、一も二もなくその縁談に飛びついた。
――それが、いけなかったのだろうか。
「お前が俺の筆頭婚約者候補か。女でも雌でもない、男の中性が筆頭の座に収まるとは頭が高いな」
「っも、申し訳ございません……」
「母上がどうしてもと言うから、お前を使ってやろう。だが、情けをやるつもりはない。無論、愛妾を持つのは許さん。心得ておけ」
「承知、致しました……」
白い婚姻、お飾りの妃となることが決定した瞬間だった。
初めての顔合わせ、そこで両陛下にお目通りが叶い、婚約者となるのだから二人で庭園を散歩しておいでと送り出されて、二人きりになった直後の言葉で。ぼんやりとだけど、両親たちのように愛し愛される幸せな婚姻をイメージに持っていたから、殿下に言われたことは衝撃的でしかなかった。いや、よくよく考えれば王家のリモのハーレムが、そんな平和な訳がないし、高位貴族である公爵家でも同様だ。公爵家出身なのに幸せな家庭のイメージが持てているのは、とても幸せなことだと後から気付いたけれど。それでも、まだ12歳のお子ちゃまだった僕には、とても衝撃的でありショックだった。
ついでに言うと、僕は雌なのに中性――要は雄にも雌にもなれるタイプと王家に伝えられていることも驚いた。ただ、こちらはたぶん、この頃には既に大柄に成長しているのが見て取れる息子に雌と名乗らせるリスクを、両親たちが危惧したのだろうと思った。実際、外では自分のことを雌だと明言したことはないし、周りからは雄だと言われているのも否定していなかった。公爵家という高位貴族に産まれたからこそ、口さがない者達の口撃対象にならないよう配慮した結果が、中性であるとすることだったのだろう。事実、後に王妃陛下は僕のことを雌だと正しく認識してくださった上に、僕を中性だと第一王子殿下に伝えたのは王妃陛下の発案であると知った。ということは、王妃陛下も少しばかり自分の息子に思うところがあったのかもしれない、と今なら思える。
それからは、義務付けられた定期的なお茶会以外に、婚約者であるはずの第一王子殿下にお会いすることはなかった。しかも、このお茶会は一対一という訳ではなく第一王子殿下の婚約者達との交流、という形だった。よって楽しそうにふわふわとした婚約者である女の子に囲まれている、第一王子殿下を隅で眺めることしか出来なかった。
そんな僕の楽しみは、その交流会に顔を出した後に許可された蔵書室での読書。そして、蔵書室には時折天使が居るのだ。……いや、天使とか頭おかしいんじゃないか、というのは分かる。だがこの天使、普通に存在する人間である。何を隠そう、第二王子クレーメンス殿下こそこの地に舞い降りた天使だった。正直、蔵書室の素晴らしい品揃えも大変好ましいが、それ以上に天使に会いに来ているようなものだったかもしれない。
「こんにちは、おにいさん。今日は、きていたんだね」
「ごきげんよう、殿下。私としては毎日来たいほどですが、用があるのが今のペースくらいゆえ」
「ぼくが、父上におねがいしておにいさんがこれるよう、許可証だしてもらうよ?」
「ありがとうございます、殿下。ですが、これでも勉強中の身ゆえ実際の時間がとれるか微妙なので、今のままでも困らないのですよ」
「そっかぁ……」
卑怯なことに、僕はこの天使様の異母兄の婚約者という立場を伝えていなかった。聡明なこの天使であれば察していたかもしれないけれど、いつも『おにいさん』と呼んでくれて、僕としてはこの関係を壊したくなかった。あまり王宮に長居していちゃもんをつけられても困るから、この天使との交流は細々と続けるのみに留めたけれど。それに、この天使が万が一にも責められる要素を作ってはならないとも思っていた。
結局、月に一度ほどのペースで、僕が学園に入学するまでの3年間という僕にとってはとても短い交流だった。最後の方は、月に一度ほどもお茶会に呼んでもらえなかったので、実際はもっと短い期間の交流でしかなかったのだが。
でも、この天使と会えなくなった時に、僕は決めたのだ。この時には既にこの天使がリンドフォーシュ公爵家にハーレム入りすることを知っていたからこそ、覚悟した。この天使が住まう国を良くすることに身を捧げよう、と。その為ならば冷遇されようと婚約者という立場にしがみついてやる、と。絶対に十妃入りして立場を得てやれるだけのことはやるのだ、と。
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