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廃嫡を避けるには僕のスキルであるスライム化のスキルを調べ、その有用性を示すことだという。
「有用性を示せって言われても」
「とりあえずスキルを行使してみな」
母が宥めながら僕にそう告げる。
昔から論より実践の人であった母らしいが、僕としては自信がない。
スキルの行使方法はこの半年間しっかり叩き込まれている。
「スキル起動」
すると頭の中にキィーンという高い音が響き、同時にカクカクとした女性の声がする。
『スライム化スキルを起動しました、なにをスライム化しますか?』
「何でもスライムに出来るの?」
『現在は出来ませんが、レベルが上がれば可能となります』
「じゃあ今スライム化出来るのは?」
『ご自身の身体をスライム化出来ます』
「じゃあ、僕自身をスライム化で」
そう指示すると再びキィーンという高い音が脳裏に響く。
しばらくすると高い音が鳴り止み『スライム化完了』という声が響いた。
全身ぷよぷよの青い塊みたいになってしまってないか、恐る恐る自分の手を覗いてみるがあまり変わらないように見える。
「ちょっと失礼」
母が僕の手を取るとふんふんと呟き、頬や胸をつついて確認してくる。
「母上?」
すると母が懐中から短剣取り出すと、僕の親指を切り落とした。
「ギャー!母上!いくら役立たずの僕と言って「断面を見ろ」
言われた通り先ほど切断したところを見ると血は一滴も垂れておらず、青くぷるぷるしたものが僕の体の中に詰まっていることに気づいた。
先ほど短剣で切られた親指も血はついておらず、親指を動かそうとすると落ちた親指がナメクジのようにのたうち回っている。
「母上、スライムって確か切ったら分裂するんですよね?」
切り落とされた親指を拾い上げると頭の中で再びカクカクした女性の声がする。
『この親指は再びくっつける事とご自身の分身にすることが可能です、どちらになさいますか?』
「分身にする」
そう答えると切り落とされた親指がどろりと溶けて、僕の姿へと変形していく。
親指ほどの大きさになった僕が僕の手のひらの上に立っていらのを確認すると、母はにやりと笑う。
「スライム化するとスライムの特性を得られるということは、今のお前は心臓にあるだろう魔核を壊されない限り不老不死という訳か」
このスキルを使いこなせれば僕は廃嫡されないで済むということだ!
「母上、僕頑張って廃嫡を阻止しますね!」
目指せ廃嫡阻止!そしてのんびり王子様ライフ!
「有用性を示せって言われても」
「とりあえずスキルを行使してみな」
母が宥めながら僕にそう告げる。
昔から論より実践の人であった母らしいが、僕としては自信がない。
スキルの行使方法はこの半年間しっかり叩き込まれている。
「スキル起動」
すると頭の中にキィーンという高い音が響き、同時にカクカクとした女性の声がする。
『スライム化スキルを起動しました、なにをスライム化しますか?』
「何でもスライムに出来るの?」
『現在は出来ませんが、レベルが上がれば可能となります』
「じゃあ今スライム化出来るのは?」
『ご自身の身体をスライム化出来ます』
「じゃあ、僕自身をスライム化で」
そう指示すると再びキィーンという高い音が脳裏に響く。
しばらくすると高い音が鳴り止み『スライム化完了』という声が響いた。
全身ぷよぷよの青い塊みたいになってしまってないか、恐る恐る自分の手を覗いてみるがあまり変わらないように見える。
「ちょっと失礼」
母が僕の手を取るとふんふんと呟き、頬や胸をつついて確認してくる。
「母上?」
すると母が懐中から短剣取り出すと、僕の親指を切り落とした。
「ギャー!母上!いくら役立たずの僕と言って「断面を見ろ」
言われた通り先ほど切断したところを見ると血は一滴も垂れておらず、青くぷるぷるしたものが僕の体の中に詰まっていることに気づいた。
先ほど短剣で切られた親指も血はついておらず、親指を動かそうとすると落ちた親指がナメクジのようにのたうち回っている。
「母上、スライムって確か切ったら分裂するんですよね?」
切り落とされた親指を拾い上げると頭の中で再びカクカクした女性の声がする。
『この親指は再びくっつける事とご自身の分身にすることが可能です、どちらになさいますか?』
「分身にする」
そう答えると切り落とされた親指がどろりと溶けて、僕の姿へと変形していく。
親指ほどの大きさになった僕が僕の手のひらの上に立っていらのを確認すると、母はにやりと笑う。
「スライム化するとスライムの特性を得られるということは、今のお前は心臓にあるだろう魔核を壊されない限り不老不死という訳か」
このスキルを使いこなせれば僕は廃嫡されないで済むということだ!
「母上、僕頑張って廃嫡を阻止しますね!」
目指せ廃嫡阻止!そしてのんびり王子様ライフ!
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