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三成くんと茶粥
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拝啓、天国の父さん。最近我が家にエルフの居候が増えました。
「おはよう、ミツナリ」
「……おはようございます、エルシアさん」
居候エルフのエルシアさんは性別不詳の美人です。
金色の長い髪や大きなスカイブルーの瞳で女性のようにも見えるけど、冒険者だけあって無駄な贅肉の無い筋肉質な体つきなので男性にも見えます。どっちなのかはなんとなく聞けません。
「あの、僕の見間違いでなければ掃除機がひとりでに動いてるように見えるんですが」
「私の髪の毛を媒介にすることで自律思考する掃除機に出来たんだ」
エルシアさんが来てから家事がぐっと楽になりました。
なんせ居候になる代わりに家の掃除や洗濯をエルシアさんが全部してくれるようになったので僕が随分と楽になりました。
「ミツナリはこれから朝ごはんか」
「ええ、今日は茶粥です」
相変わらず僕は三食の食事作りを担っています。
残り物のごはんをほうじ茶で炊いてる間に、お昼のお弁当作りです。
高校に入ってからは自分でご飯を作らないといけなくなったので不便ですが、どうせ毎朝の食事を僕が作ってるので大した負担になってないのが救いです。
「ただいまー」
「お帰り兄さん、チロにご飯あげた?」
「ちゃんとあげてるぞ」
柴犬のチロはもうすぐ5歳ですが、相変わらず元気に毎朝長樂兄さんと散歩してます。
「そうだ。エルシア、今日は10時から法要があるから本堂の方には近寄るなよ。お前は美人だからどうにも目立つ」
「わかった」
長樂兄さんもすっかり住職が板についていて、檀家さんからの評判もいいみたいです。
「あいつも三成みたいに手伝ってくれればなあ」
「それはそうなんだけどねえ」
継雄兄さんは大学に入ってからは週末しか帰ってこない日が続いていますが、相変わらずバンド活動に熱心で最近は土日でも帰ってこない時が増えました。
たまには手伝って欲しいとは思うけれど当の本人がいないので文句が言えなくて困ってるところです。
「あ、学校の帰りに母さんのこと見て来るね」
母さんは相変わらずの入院生活です。今のところは小康状態みたいで、病室に行くと喜んでくれるので週に一度は顔を出すようにしてます。
「じゃあ瑞葉に迎え行ってもらおうか?」
「義姉さんが良いって言うなら」
「学校の帰りなら5時くらいだろ?ちょうど保育園の子ども達送り終わったぐらいだしちょうどいいだろ」
あ、長樂兄さんと瑞葉義姉さんは円満夫婦です。
瑞葉姉さんが母さんの入院でに副園長になった時は大変だったけど、何とかうまく行ってるみたいです。
「ミツナリ。もうお粥いいんじゃないか?」
「あ、ほんとだ」
父さん。そんな訳で今日もうちの寺はうまく行ってます。
「おはよう、ミツナリ」
「……おはようございます、エルシアさん」
居候エルフのエルシアさんは性別不詳の美人です。
金色の長い髪や大きなスカイブルーの瞳で女性のようにも見えるけど、冒険者だけあって無駄な贅肉の無い筋肉質な体つきなので男性にも見えます。どっちなのかはなんとなく聞けません。
「あの、僕の見間違いでなければ掃除機がひとりでに動いてるように見えるんですが」
「私の髪の毛を媒介にすることで自律思考する掃除機に出来たんだ」
エルシアさんが来てから家事がぐっと楽になりました。
なんせ居候になる代わりに家の掃除や洗濯をエルシアさんが全部してくれるようになったので僕が随分と楽になりました。
「ミツナリはこれから朝ごはんか」
「ええ、今日は茶粥です」
相変わらず僕は三食の食事作りを担っています。
残り物のごはんをほうじ茶で炊いてる間に、お昼のお弁当作りです。
高校に入ってからは自分でご飯を作らないといけなくなったので不便ですが、どうせ毎朝の食事を僕が作ってるので大した負担になってないのが救いです。
「ただいまー」
「お帰り兄さん、チロにご飯あげた?」
「ちゃんとあげてるぞ」
柴犬のチロはもうすぐ5歳ですが、相変わらず元気に毎朝長樂兄さんと散歩してます。
「そうだ。エルシア、今日は10時から法要があるから本堂の方には近寄るなよ。お前は美人だからどうにも目立つ」
「わかった」
長樂兄さんもすっかり住職が板についていて、檀家さんからの評判もいいみたいです。
「あいつも三成みたいに手伝ってくれればなあ」
「それはそうなんだけどねえ」
継雄兄さんは大学に入ってからは週末しか帰ってこない日が続いていますが、相変わらずバンド活動に熱心で最近は土日でも帰ってこない時が増えました。
たまには手伝って欲しいとは思うけれど当の本人がいないので文句が言えなくて困ってるところです。
「あ、学校の帰りに母さんのこと見て来るね」
母さんは相変わらずの入院生活です。今のところは小康状態みたいで、病室に行くと喜んでくれるので週に一度は顔を出すようにしてます。
「じゃあ瑞葉に迎え行ってもらおうか?」
「義姉さんが良いって言うなら」
「学校の帰りなら5時くらいだろ?ちょうど保育園の子ども達送り終わったぐらいだしちょうどいいだろ」
あ、長樂兄さんと瑞葉義姉さんは円満夫婦です。
瑞葉姉さんが母さんの入院でに副園長になった時は大変だったけど、何とかうまく行ってるみたいです。
「ミツナリ。もうお粥いいんじゃないか?」
「あ、ほんとだ」
父さん。そんな訳で今日もうちの寺はうまく行ってます。
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