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大使館3年目・夏(16部分)
深大寺くんの双海公国見聞録1
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無事に帰りついたら双海公国についての報告書を書いて欲しい、と言われたので手帳とペンを持ち歩いている。
スマホでも良いんだけど見慣れない器具は不審がられるから気を使ってまだこちらでもギリ見慣れてそうな藁半紙をまとめたメモ帳とボールペンを持ち歩くことにしたのだ。
借金のカタとしてヤマンラール公爵邸にいるので普通1人での外出は許可されないが、僕の場合はカウサル女公爵に気に入られているのでカウサル女公爵に同行する形でのみ外出することができる。
「少々特別扱いが過ぎると言われたけどね」
そう苦笑いを溢しつつ、今日はカウサル女公爵と共に街の郊外を目指している。
公爵邸のある国の中心部から馬車で少し走ると景色は果てしない綿花畑へと変わっていく。
この国は人が暮らす地域と田園地域が結構明確に分かれてるから、中心部から少し走るとこんな風に畑しかない状態になるのだ。
「で、今日は僕にどんな意見をお求めで?」
「娼館についてかな。そもそもそっちの国には娼館ってある?」
「日本だと法律上では禁止されてますが事実上娼館のような役割を担うお店はいくつかありますね、正式に認めてる国もありますけど」
「ふうん、人間の欲は世界共通だねえ」
馬車が大きな門の前で止まると馬車を降りるように指示されると、門番に守られた大きな石門がある。
横には馬車を停める大きな駐車場もあって小さいながらも街の入り口のようになっている。
「ここが娼館街なんですか?」
「いや、この塀の向こうで一つの娼館だよ」
「ええ……」
門を抜ければそこは大きな庭のようになっており、そこを縦横無尽に人が行き交う。
よく見ると男女ともに胸や太ももの出た露出の多いティアンドルのようなセクシーな服を着た人が配膳を担っており、お客さんも男性6:女性4ぐらいの比率で混在している。
「娼館というかオクトーバーフェストみたいな……」
「食事の後の締めで配膳する人を買って奥の建物の部屋で抱くんだよ」
ここで食欲と性欲をまとめて満たせると考えると効率はいいような気がする。
「僕が思ってるものよりもなんか健康的な印象ですね」
「もしそっちから客人が来てももてなしに使える?」
「うーん……日本人であれば中年以上であれば、ですかね。たぶん若い人は娼館ってだけで嫌がると思います」
個人的には接待でキャバクラより抵抗感を感じるのでそう言い回しになる。
(まあ好きな人には良いだろうけどねえ?)
「ふうん、服装は?」
「良いんじゃないですか?ボディラインや肌の出た服はそういう目的で来た人には良さそうですし」
「ちなみに、他にいい感じの服装知らない?ここの運営任せてる爺さんが新しい制服導入したいから案無いかってうるさくてさ」
「うーん……バニーガールとか?」
「どういう感じ?」
うろ覚えでバニーガールの服を描き上げると「うさぎの耳と尻尾は導入出来なさそうだけど、案としては良さそうだね」とつぶやく。
「うさぎのつけ耳はダメなんですね」
「割と嫌がられるね。娼館にいるとはいえ人は人として扱わないといけないんで侮辱行為認定されると、土地の提供者である私のところにも苦情が来てうるさいし。他には?」
ああだこうだと案を捻り出すと興味深そうに話を聞いてくれるので、色々と案を出すと「助平だねえ」とニヤニヤと笑う。
「うう……」
「まあ嫌いじゃないけどね、面白いし」
「面白いってなんですか?」
「褒めてるんだよ。ちなみに私は何が似合うと思う?」
面白そうにそう聞いてくるので、羞恥で染まる脳裏を動かしながら全部似合う気がして余計に頬が赤くなるのであった。
スマホでも良いんだけど見慣れない器具は不審がられるから気を使ってまだこちらでもギリ見慣れてそうな藁半紙をまとめたメモ帳とボールペンを持ち歩くことにしたのだ。
借金のカタとしてヤマンラール公爵邸にいるので普通1人での外出は許可されないが、僕の場合はカウサル女公爵に気に入られているのでカウサル女公爵に同行する形でのみ外出することができる。
「少々特別扱いが過ぎると言われたけどね」
そう苦笑いを溢しつつ、今日はカウサル女公爵と共に街の郊外を目指している。
公爵邸のある国の中心部から馬車で少し走ると景色は果てしない綿花畑へと変わっていく。
この国は人が暮らす地域と田園地域が結構明確に分かれてるから、中心部から少し走るとこんな風に畑しかない状態になるのだ。
「で、今日は僕にどんな意見をお求めで?」
「娼館についてかな。そもそもそっちの国には娼館ってある?」
「日本だと法律上では禁止されてますが事実上娼館のような役割を担うお店はいくつかありますね、正式に認めてる国もありますけど」
「ふうん、人間の欲は世界共通だねえ」
馬車が大きな門の前で止まると馬車を降りるように指示されると、門番に守られた大きな石門がある。
横には馬車を停める大きな駐車場もあって小さいながらも街の入り口のようになっている。
「ここが娼館街なんですか?」
「いや、この塀の向こうで一つの娼館だよ」
「ええ……」
門を抜ければそこは大きな庭のようになっており、そこを縦横無尽に人が行き交う。
よく見ると男女ともに胸や太ももの出た露出の多いティアンドルのようなセクシーな服を着た人が配膳を担っており、お客さんも男性6:女性4ぐらいの比率で混在している。
「娼館というかオクトーバーフェストみたいな……」
「食事の後の締めで配膳する人を買って奥の建物の部屋で抱くんだよ」
ここで食欲と性欲をまとめて満たせると考えると効率はいいような気がする。
「僕が思ってるものよりもなんか健康的な印象ですね」
「もしそっちから客人が来てももてなしに使える?」
「うーん……日本人であれば中年以上であれば、ですかね。たぶん若い人は娼館ってだけで嫌がると思います」
個人的には接待でキャバクラより抵抗感を感じるのでそう言い回しになる。
(まあ好きな人には良いだろうけどねえ?)
「ふうん、服装は?」
「良いんじゃないですか?ボディラインや肌の出た服はそういう目的で来た人には良さそうですし」
「ちなみに、他にいい感じの服装知らない?ここの運営任せてる爺さんが新しい制服導入したいから案無いかってうるさくてさ」
「うーん……バニーガールとか?」
「どういう感じ?」
うろ覚えでバニーガールの服を描き上げると「うさぎの耳と尻尾は導入出来なさそうだけど、案としては良さそうだね」とつぶやく。
「うさぎのつけ耳はダメなんですね」
「割と嫌がられるね。娼館にいるとはいえ人は人として扱わないといけないんで侮辱行為認定されると、土地の提供者である私のところにも苦情が来てうるさいし。他には?」
ああだこうだと案を捻り出すと興味深そうに話を聞いてくれるので、色々と案を出すと「助平だねえ」とニヤニヤと笑う。
「うう……」
「まあ嫌いじゃないけどね、面白いし」
「面白いってなんですか?」
「褒めてるんだよ。ちなみに私は何が似合うと思う?」
面白そうにそう聞いてくるので、羞恥で染まる脳裏を動かしながら全部似合う気がして余計に頬が赤くなるのであった。
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