86 / 135
大使館3年目・春(15部分)
大人達と誕生日
しおりを挟む
「そういえば今日って石薙さん誕生日じゃないでしたっけ?」
昼食どきに夏沢が突然そんな話をしてくる。
「誕生日……今日って28日でしたっけ?」
確認するように隣にいた深大寺にそう問えば「確かそうですね」と答える。
「まあでも暦のズレで地球では既に誕生日過ぎてますし、もう今更誕生日で嬉しいなんて歳でも無いですしねえ」
「そういうもんですか?」
深大寺はあまりピンと来ていないようだが、歳をとるとそういう感じになりがちだ。
俺もたまに自分が43なのか44なのか42なのか分からなくなる。
「にしても良く知ってますね?」
「ちょっと午前中大使館メンバーの資料読み返してたもので」
夏沢は特に気にするそぶりもなく答える。
「じゃあ僕の誕生日も?」
「深大寺さんは7月14日ですよね」
「正解、夏沢さんはいつ?」
「5月ですね、5月の26。こっちだと夏の収穫祭終わったぐらいかな」
「へえ、いい時期だ」
ふと思い立って「夏沢は全員の誕生日暗記したのか?」と聞けば「そうですね」と答える。
身元確認をする時に生年月日を用いるために暗記してる、というのは俺も同じなので一つ出題してみよう。ー
「じゃあ大使館の人間の誕生日を年度順に並べた時一番最初に来るのは?」
「真柴さんですね、年度順なら4月始まりなので4月27日生まれの真柴さんが最初のはずです」
「正解。じゃあ大使館メンバーの誕生日を暦順に並べると?」
「敬称略で行きますね。納村、柊木、石薙、真柴、私、木栖、深大寺、嘉神、飯山。これで合ってます?」
「正解」
昼飯片手にそんなクイズで遊べるのも平和さゆえなのだが、まあ別に悪いことじゃ無い。
「正解のご褒美にプチトマトをひとつやろう」
昼食どきに夏沢が突然そんな話をしてくる。
「誕生日……今日って28日でしたっけ?」
確認するように隣にいた深大寺にそう問えば「確かそうですね」と答える。
「まあでも暦のズレで地球では既に誕生日過ぎてますし、もう今更誕生日で嬉しいなんて歳でも無いですしねえ」
「そういうもんですか?」
深大寺はあまりピンと来ていないようだが、歳をとるとそういう感じになりがちだ。
俺もたまに自分が43なのか44なのか42なのか分からなくなる。
「にしても良く知ってますね?」
「ちょっと午前中大使館メンバーの資料読み返してたもので」
夏沢は特に気にするそぶりもなく答える。
「じゃあ僕の誕生日も?」
「深大寺さんは7月14日ですよね」
「正解、夏沢さんはいつ?」
「5月ですね、5月の26。こっちだと夏の収穫祭終わったぐらいかな」
「へえ、いい時期だ」
ふと思い立って「夏沢は全員の誕生日暗記したのか?」と聞けば「そうですね」と答える。
身元確認をする時に生年月日を用いるために暗記してる、というのは俺も同じなので一つ出題してみよう。ー
「じゃあ大使館の人間の誕生日を年度順に並べた時一番最初に来るのは?」
「真柴さんですね、年度順なら4月始まりなので4月27日生まれの真柴さんが最初のはずです」
「正解。じゃあ大使館メンバーの誕生日を暦順に並べると?」
「敬称略で行きますね。納村、柊木、石薙、真柴、私、木栖、深大寺、嘉神、飯山。これで合ってます?」
「正解」
昼飯片手にそんなクイズで遊べるのも平和さゆえなのだが、まあ別に悪いことじゃ無い。
「正解のご褒美にプチトマトをひとつやろう」
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
ドマゾネスの掟 ~ドMな褐色少女は僕に責められたがっている~
桂
ファンタジー
探検家の主人公は伝説の部族ドマゾネスを探すために密林の奥へ進むが道に迷ってしまう。
そんな彼をドマゾネスの少女カリナが発見してドマゾネスの村に連れていく。
そして、目覚めた彼はドマゾネスたちから歓迎され、子種を求められるのだった。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる