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第四部 - 終章
終章二節 - 春風と希望
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「もう結構片付いとるね」
その時、場違いなほど明るい声が響いた。
「まだ大丈夫かな? 城主代理さま」
「ん……、乱兄……?」
与羽が眠たげに目をこすりながら、顔を上げた。人が一人、ギリギリ通れるくらい細く開けた戸から、乱舞が覗いている。まだ外出着のままである点から推測するに、中州城に戻ってすぐここに来たらしい。
「この書類、提出したいんだけど」
乱舞はにこにこしながら、一枚の紙をひらひらと振って見せた。それだけで、三人は乱舞の持つ書類の内容を察した。しかし、辰海は嬉しげにほほえんだものの、絡柳は一瞬乱舞に目を向けただけで書類の整理に戻り、与羽も無表情のままだ。
ちらりと与羽が辰海に目くばせすると、その意図を正確に察した辰海が、乱舞から書類を受け取って与羽に差し出した。絡柳は無関心を装いつつ、そのやり取りを横目で追っている。
辰海から紙を受け取った与羽は、内容に目を通した瞬間に満面の笑みを浮かべた。それを見た絡柳と辰海も、自分の推測が間違っていないことを確信した。
しかし、与羽の笑みは一瞬だけ。すぐにさきほどと同じ眠たげな仏頂面に戻る。与羽はそばに座っていた辰海の肩を支えに立ちあがると、わずかに足元をおぼつかなくさせつつも乱舞に歩み寄った。
「与羽……?」
乱舞が幸福感あふれる笑みをわずかに引っ込め、妹を心配そうに見降ろした。
与羽も、仏頂面のまま兄を見上げる。さっき辰海づてに受け取った書面を乱舞に突き返して――。
「申し訳ありませんが、この書類は受け取れません」
「えっ?」
乱舞が一気に不幸のどん底に落ちたような顔になった。
「与羽!?」
辰海も慌てたように腰を浮かしながら与羽に声をかけたが、絡柳だけは今後の展開を理解して呆れている。
「婚約届は戸籍に関係することなので、橙条の管轄です。お手数ですが、あす以降、再度登城していただき、橙条系官吏にご提出ください」
そして与羽は、薄くくまの浮かぶ顔にいつものいたずらっぽい笑みを浮かべた。放心したままの乱舞の顔を見て、声をあげて笑う。
「お前は城主なんだから、誰が何をやっているかよく承知してるはずだろう」
与羽の思惑をいち早く察していた絡柳も、それにつられて笑いはじめた。
「おめでとうございます、乱舞さん」
先に衝撃から立ち直った辰海が、乱舞に近づいて祝福の言葉を述べている。
「うんうん、おめでとう乱兄」
与羽も乱舞の腕を軽く叩いた。
「んじゃぁ、私部屋に帰って寝るわ」
「あれ? 残るんじゃ……」
乱舞の脇をすり抜けようとする与羽に声をかけたのは辰海だ。
「気が変わった」
与羽の気まぐれなどいつものこと。しかし、今は――。
――待っててくれたんだろうな。
乱舞は与羽が通れるように場所を開けながら、淡くほほえんだ。
「全く、どいつもこいつも素直じゃない……」
絡柳が何度目かわからないため息をつくのが聞こえる。
「与羽! 送るよ!」
慌てて辰海が駆けだしていく。いつもの与羽なら「必要ない」とそっけなく断るところだろう。しかし、今の与羽はそれをあっさりと許した。よほど疲れているのかもしれない。城主の仕事が厳しく、大変なものであることは乱舞が一番よく知っている。
「ありがとう、与羽」
乱舞は、辰海に半ば支えられるようにして歩く与羽の背に声をかけた。
その感謝は何に対するものだったのか。今まで待っていてくれたこと、このいたずらを実行してくれたこと、他にも色々――。
与羽は振り返らなかった。そのかわり、片手をあげて頭の上でひらひら振る。彼女らしい。あまりに彼女らしい照れ隠しの態度に、乱舞は柔らかな笑みを浮かべた。
そのほほを春の夜のひんやりした風がなでる。
冷たくても、どこからか甘い花の香りを運んでくるやさしい風。
「これから、もっと楽しくて温かい日々を過ごせそうな気がするよ」
乱舞はそう言って、長い間与羽の去った方を見つめていた。
【龍神の詩 - 第四部「龍姫の恋愛成就大作戦」 完】
【第五部「七色の羽根」→】
---
【あとがき】
タイトルのちょっと間抜けな感じからもわかる通り、ラブコメにする予定だったのですが、コメディー要素がきれいさっぱり消え失せました。
なお、作中に登場した青金叶恵ママですが、今後の登場は未定です。
与羽的には絡柳と叶恵はいい感じ(恋愛的な意味で)なんじゃないか思って、兄の恋愛成就大作戦に加えて絡柳にも恋愛成就大作戦を仕掛けてやろうとしたのですが、絡柳が仕事人間過ぎて一切なびきませんでした。彼は今後もあらゆる恋愛フラグをへし折りながら生きていくのでしょう。でも、将来的に賢い女性と結ばれて、彼の跡を継ぐにふさわしい有能な息子を授かる予定です。
その時、場違いなほど明るい声が響いた。
「まだ大丈夫かな? 城主代理さま」
「ん……、乱兄……?」
与羽が眠たげに目をこすりながら、顔を上げた。人が一人、ギリギリ通れるくらい細く開けた戸から、乱舞が覗いている。まだ外出着のままである点から推測するに、中州城に戻ってすぐここに来たらしい。
「この書類、提出したいんだけど」
乱舞はにこにこしながら、一枚の紙をひらひらと振って見せた。それだけで、三人は乱舞の持つ書類の内容を察した。しかし、辰海は嬉しげにほほえんだものの、絡柳は一瞬乱舞に目を向けただけで書類の整理に戻り、与羽も無表情のままだ。
ちらりと与羽が辰海に目くばせすると、その意図を正確に察した辰海が、乱舞から書類を受け取って与羽に差し出した。絡柳は無関心を装いつつ、そのやり取りを横目で追っている。
辰海から紙を受け取った与羽は、内容に目を通した瞬間に満面の笑みを浮かべた。それを見た絡柳と辰海も、自分の推測が間違っていないことを確信した。
しかし、与羽の笑みは一瞬だけ。すぐにさきほどと同じ眠たげな仏頂面に戻る。与羽はそばに座っていた辰海の肩を支えに立ちあがると、わずかに足元をおぼつかなくさせつつも乱舞に歩み寄った。
「与羽……?」
乱舞が幸福感あふれる笑みをわずかに引っ込め、妹を心配そうに見降ろした。
与羽も、仏頂面のまま兄を見上げる。さっき辰海づてに受け取った書面を乱舞に突き返して――。
「申し訳ありませんが、この書類は受け取れません」
「えっ?」
乱舞が一気に不幸のどん底に落ちたような顔になった。
「与羽!?」
辰海も慌てたように腰を浮かしながら与羽に声をかけたが、絡柳だけは今後の展開を理解して呆れている。
「婚約届は戸籍に関係することなので、橙条の管轄です。お手数ですが、あす以降、再度登城していただき、橙条系官吏にご提出ください」
そして与羽は、薄くくまの浮かぶ顔にいつものいたずらっぽい笑みを浮かべた。放心したままの乱舞の顔を見て、声をあげて笑う。
「お前は城主なんだから、誰が何をやっているかよく承知してるはずだろう」
与羽の思惑をいち早く察していた絡柳も、それにつられて笑いはじめた。
「おめでとうございます、乱舞さん」
先に衝撃から立ち直った辰海が、乱舞に近づいて祝福の言葉を述べている。
「うんうん、おめでとう乱兄」
与羽も乱舞の腕を軽く叩いた。
「んじゃぁ、私部屋に帰って寝るわ」
「あれ? 残るんじゃ……」
乱舞の脇をすり抜けようとする与羽に声をかけたのは辰海だ。
「気が変わった」
与羽の気まぐれなどいつものこと。しかし、今は――。
――待っててくれたんだろうな。
乱舞は与羽が通れるように場所を開けながら、淡くほほえんだ。
「全く、どいつもこいつも素直じゃない……」
絡柳が何度目かわからないため息をつくのが聞こえる。
「与羽! 送るよ!」
慌てて辰海が駆けだしていく。いつもの与羽なら「必要ない」とそっけなく断るところだろう。しかし、今の与羽はそれをあっさりと許した。よほど疲れているのかもしれない。城主の仕事が厳しく、大変なものであることは乱舞が一番よく知っている。
「ありがとう、与羽」
乱舞は、辰海に半ば支えられるようにして歩く与羽の背に声をかけた。
その感謝は何に対するものだったのか。今まで待っていてくれたこと、このいたずらを実行してくれたこと、他にも色々――。
与羽は振り返らなかった。そのかわり、片手をあげて頭の上でひらひら振る。彼女らしい。あまりに彼女らしい照れ隠しの態度に、乱舞は柔らかな笑みを浮かべた。
そのほほを春の夜のひんやりした風がなでる。
冷たくても、どこからか甘い花の香りを運んでくるやさしい風。
「これから、もっと楽しくて温かい日々を過ごせそうな気がするよ」
乱舞はそう言って、長い間与羽の去った方を見つめていた。
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与羽的には絡柳と叶恵はいい感じ(恋愛的な意味で)なんじゃないか思って、兄の恋愛成就大作戦に加えて絡柳にも恋愛成就大作戦を仕掛けてやろうとしたのですが、絡柳が仕事人間過ぎて一切なびきませんでした。彼は今後もあらゆる恋愛フラグをへし折りながら生きていくのでしょう。でも、将来的に賢い女性と結ばれて、彼の跡を継ぐにふさわしい有能な息子を授かる予定です。
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