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第一部 - 一章 中州の龍姫
一章二節 - 暗殺者と薬師
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しばらく話したあと、与羽は退室するらしかった。
「あんまり長居して邪魔になっちゃいけんし、そろそろ帰るわ。その人のことよろしく」との言葉とともに、暗鬼の頭の近くで人が立ち上がる気配がした。衣擦れの音やわずかな床の軋みから、できる限り与羽の体型と体重を推測する。背は平均的、体は軽そうだが、動きが洗練されているだけかもしれない。厳しく立ち居振る舞いをしつけられたか、何かしらの武術か舞踊の心得がありそうだ。
「そんなに気を遣ってくれなくていいのに」
凪も言いながら腰を上げる。男性二人は、与羽が退出の意思を見せると同時に部屋の端へと移動していた。おそらくそちらに戸口があるのだろう。
「凪ちゃんが忙しい人なの、めっちゃ良く知っとるもん」
会話しながら部屋を出る四人の様子を、暗鬼は聴覚で確かめた。衣擦れの音や足音が少しずつ遠くなる。かわりに、室内ではぜる火の音や、外で鳥が鳴く声に意識が向いた。
人の気配が完全に消えたところで、暗鬼は薄く目を開けた。まず見えたのが、板張りの低い天井。こまめに掃除されているようで、清潔感がある。
少し首をひねって見た壁には、束ねられた薬草が吊るしてあった。医師の家らしい。半開きになった障子戸から入ってくる光は、今が真昼であることを示している。それだけ確認して、暗鬼は再び目を閉じた。
しばらくのち、小さな足音とともに、誰かが暗鬼の寝かされている部屋に入ってきたのがわかった。与羽たちを見送りに出ていた凪だろう。
迷いなく暗鬼の元まで歩み寄った凪は、やさしく彼にかけられた布団をはぐった。
初秋の昼間なので、寒くはない。
迷いのない動作に驚いたが、気を失ったふりを続ける暗鬼はそれを全く表に出さなかった。これだけで動揺するようでは、暗殺者として生きていけない。大国の王のもとで働く彼には、優秀な医師にさえ完全に気を失っていると誤診させる能力がある。
布団をはぐった凪は暗鬼の体を湯で湿らせた手ぬぐいで拭きはじめた。その手つきの慣れたこと――。彼女には看護の心得があるらしい。
そろそろ気がついてもいい頃合いかもしれない。
凪の持つ手拭いがほほに触れた瞬間、暗鬼はゆっくりと眉間にしわを寄せた。
「っつ……、う……」
小さくうめき声をもらしながら、目を開ける。
「あ、気付いたね」
凪は気安い口調で言った。与羽と話している時は、もう少し落ち着いた控えめな雰囲気だったが。さきほどまでは、身分の高い与羽に遠慮していたのだろうか。
「大丈夫だよ。骨折とか、ひどい怪我はないし、すぐよくなるから」
いや、もしかすると彼女は暗鬼を安心させるために、わざと明るく元気な声を出しているのかもしれない。
「あたし、薬師凪那。凪って呼んで。――あなたは?」
「あっ……、と」
暗鬼は目覚めたてで意識のはっきりしていない人間を演じた。「薬師」と言うことは、薬学の知識があるのだろうか?
「えと、ユリ……、です」
ぼんやりした口調で、あらかじめ決めていた名前を口にする。女のような名前だが、彼が好んで使う偽名だ。
「かわいい名前。あたしはいいと思うよ、男でユリって名前も」
凪はほほえんだ。
「……ありがとう、ございます」
暗鬼も照れたように笑い返して、彼女を観察した。
凪は二十代半ばくらい。こげ茶の髪は毛先が肩に当たって、大きく跳ね広がっている。
垂れ目になで肩なためおとなしそうに見えるが、その表情は明るい。山で倒れていた暗鬼を怪しむ様子はなく、むしろ同情してくれているようだ。
――相手を同情させて、付け入りやすくする。
暗鬼の計画通り。彼女なら簡単にだませる。利用できるものは、全て利用しなければ。
暗鬼は、怪我が治るまで彼女に面倒を見させることにした。その間に暗殺の標的を確かめて、暗殺方法と脱出方法をじっくり考えるのだ。
暗鬼の潜入作戦がはじまった。
凪はとても面倒見がよかった。
「いっぱい食べて体を治さなきゃね!」と毎日三食用意してくれる食事は、栄養の計算がされている上、味も良い。怪我の手当ても包帯の巻き方も熟練していた。彼女の家は代々医師や薬師を輩出しているのだそうだ。
暗鬼が医師の家だと思ったこの場所こそ凪の家で、彼女自身幼いころから医学の勉強をしてきたらしい。
普段は祖母と両親の四人暮しだが、祖母はやや遠方の町に出ており、両親も中州国中を巡る旅の医師でしばらく帰ってくる予定はない。治療や看護の手伝いで人が出入りしているが、凪一人だけの時もある。
凪は「人手不足でごめんね」と申し訳なさそうにしていたが、暗鬼にとってはありがたい。人目を盗んで行動しやすくなる。
人不足を補うためか、凪は良く働く上に気も回る。ちょっとした怪我や病気なら彼女一人で処置できてしまうし、患者のいない時はせっせと薬を作っている。暗鬼には薬学の知識もあるので、彼女が優れた技術を持っていることはすぐにわかった。暗鬼の国――華金ならば、王宮勤めをしていてもおかしくない。
しかし、彼女は武士も町民も分け隔てなく診察し、ためらいなく薬を分け与える。華金ではありえない安価で。彼女の何気ない言動からは、中州の豊かさが滲み出していた。
「あんまり長居して邪魔になっちゃいけんし、そろそろ帰るわ。その人のことよろしく」との言葉とともに、暗鬼の頭の近くで人が立ち上がる気配がした。衣擦れの音やわずかな床の軋みから、できる限り与羽の体型と体重を推測する。背は平均的、体は軽そうだが、動きが洗練されているだけかもしれない。厳しく立ち居振る舞いをしつけられたか、何かしらの武術か舞踊の心得がありそうだ。
「そんなに気を遣ってくれなくていいのに」
凪も言いながら腰を上げる。男性二人は、与羽が退出の意思を見せると同時に部屋の端へと移動していた。おそらくそちらに戸口があるのだろう。
「凪ちゃんが忙しい人なの、めっちゃ良く知っとるもん」
会話しながら部屋を出る四人の様子を、暗鬼は聴覚で確かめた。衣擦れの音や足音が少しずつ遠くなる。かわりに、室内ではぜる火の音や、外で鳥が鳴く声に意識が向いた。
人の気配が完全に消えたところで、暗鬼は薄く目を開けた。まず見えたのが、板張りの低い天井。こまめに掃除されているようで、清潔感がある。
少し首をひねって見た壁には、束ねられた薬草が吊るしてあった。医師の家らしい。半開きになった障子戸から入ってくる光は、今が真昼であることを示している。それだけ確認して、暗鬼は再び目を閉じた。
しばらくのち、小さな足音とともに、誰かが暗鬼の寝かされている部屋に入ってきたのがわかった。与羽たちを見送りに出ていた凪だろう。
迷いなく暗鬼の元まで歩み寄った凪は、やさしく彼にかけられた布団をはぐった。
初秋の昼間なので、寒くはない。
迷いのない動作に驚いたが、気を失ったふりを続ける暗鬼はそれを全く表に出さなかった。これだけで動揺するようでは、暗殺者として生きていけない。大国の王のもとで働く彼には、優秀な医師にさえ完全に気を失っていると誤診させる能力がある。
布団をはぐった凪は暗鬼の体を湯で湿らせた手ぬぐいで拭きはじめた。その手つきの慣れたこと――。彼女には看護の心得があるらしい。
そろそろ気がついてもいい頃合いかもしれない。
凪の持つ手拭いがほほに触れた瞬間、暗鬼はゆっくりと眉間にしわを寄せた。
「っつ……、う……」
小さくうめき声をもらしながら、目を開ける。
「あ、気付いたね」
凪は気安い口調で言った。与羽と話している時は、もう少し落ち着いた控えめな雰囲気だったが。さきほどまでは、身分の高い与羽に遠慮していたのだろうか。
「大丈夫だよ。骨折とか、ひどい怪我はないし、すぐよくなるから」
いや、もしかすると彼女は暗鬼を安心させるために、わざと明るく元気な声を出しているのかもしれない。
「あたし、薬師凪那。凪って呼んで。――あなたは?」
「あっ……、と」
暗鬼は目覚めたてで意識のはっきりしていない人間を演じた。「薬師」と言うことは、薬学の知識があるのだろうか?
「えと、ユリ……、です」
ぼんやりした口調で、あらかじめ決めていた名前を口にする。女のような名前だが、彼が好んで使う偽名だ。
「かわいい名前。あたしはいいと思うよ、男でユリって名前も」
凪はほほえんだ。
「……ありがとう、ございます」
暗鬼も照れたように笑い返して、彼女を観察した。
凪は二十代半ばくらい。こげ茶の髪は毛先が肩に当たって、大きく跳ね広がっている。
垂れ目になで肩なためおとなしそうに見えるが、その表情は明るい。山で倒れていた暗鬼を怪しむ様子はなく、むしろ同情してくれているようだ。
――相手を同情させて、付け入りやすくする。
暗鬼の計画通り。彼女なら簡単にだませる。利用できるものは、全て利用しなければ。
暗鬼は、怪我が治るまで彼女に面倒を見させることにした。その間に暗殺の標的を確かめて、暗殺方法と脱出方法をじっくり考えるのだ。
暗鬼の潜入作戦がはじまった。
凪はとても面倒見がよかった。
「いっぱい食べて体を治さなきゃね!」と毎日三食用意してくれる食事は、栄養の計算がされている上、味も良い。怪我の手当ても包帯の巻き方も熟練していた。彼女の家は代々医師や薬師を輩出しているのだそうだ。
暗鬼が医師の家だと思ったこの場所こそ凪の家で、彼女自身幼いころから医学の勉強をしてきたらしい。
普段は祖母と両親の四人暮しだが、祖母はやや遠方の町に出ており、両親も中州国中を巡る旅の医師でしばらく帰ってくる予定はない。治療や看護の手伝いで人が出入りしているが、凪一人だけの時もある。
凪は「人手不足でごめんね」と申し訳なさそうにしていたが、暗鬼にとってはありがたい。人目を盗んで行動しやすくなる。
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