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16章 奪われた姫君
6-1 人類連合軍
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6-1 人類連合軍
そこからの数週間は、長いようで、あっという間に過ぎていった。
一の国までの旅路で、俺たちはめいめい、自分たちの課題に向き合った。
ウィルとライラは、一緒に魔法の研究を進めていたようだ。それに、何やらごそごそと作業する姿を多く目にした。何をしているのかと訊いても、「秘密です」と教えてくれなかったが……一度だけ、兵士に大量の紙を手配できないか頼んでくれと言われたから、紙を使う事だけは分かっているけれど。魔法の呪文でも書き留めているのだろうか?
フランとアルルカは、ちょくちょく組み手をしていたらしい。いちおう、組手だと俺は認識しているけれど、ひょっとしたら取っ組み合いのケンカかもしれない。二人の模擬戦はかなり激しく、時折不安げな顔の兵士たちが、俺に何をやっているのか訊ねに来ることもあった。二人とも並外れた身体能力をしているから、それぐらい本格的にやらないと訓練にならないんだろうな。
ロウランは、日によって居る場所が異なった。ある日はウィルたちに混じって魔法を、ある日はライラたちと組手をしている。ロウランは魔術師でありながら、防御を担当する近接メインの立ち位置だから、どちらも有益なんだろう。
そして俺は、移動の合間に行われる、兵士たちの訓練に混じっていることが多かった。エラゼムが旅立ったので、剣の稽古をつけてくれる相手がいなかったんだよな。みんなに比べたら地味なトレーニングだったけれど、俺にできるのはこれくらいだ。
そうしている日々を過ごしているうちに、気がつけば、一の国の帝都キミテズリがもう目の前になっていた。
「さぁて、いよいよ合流か」
俺たちの乗った馬車は、一の国の宮殿・クリスタルパレスの敷地内へと入った。この馬鹿でかい宮殿には、俺たち二の国の全軍が収まってもなお、ぜんぜん余裕の広さがある。まあ、それぐらいじゃないと困るけどな。なにせここで、一の国および三の国と落ち合う算段になっているのだから。そう、ここで各国は一つになり、“人類連合軍”となるのだ。
「どれ、よそがどれだけ気合を入れてるか見てやるか」
俺は馬車の窓からにゅっと首を出した。が、周りは馬車ばかりで何も見えない。そこで、フランが屋根にひらりと登り、後から俺も引っ張り上げてもらった。
「桜下、ライラも、ライラも見たい!」
「はいはい」
ライラも引っ張り上げて、俺たちは三人で見物をする。
俺たちの周りにいるのは、当然二の国の軍だ。多くの馬車に荷車、兵士たちに騎士たち。そしておそらく、向こう側に見える大軍勢が、一の国の軍隊だろう。
「さすがに、一の国の兵は数が多いな」
「ほんとだねー。倍くらいいそうだよ」
軍備に力を入れている一の国らしいな。けどそこには、二の国の兵士が少ないという事情もあるのだろう。王城が急襲されたせいで、多くの兵士が犠牲となってしまったからだ。
一の国の兵士たちは、みな筋骨隆々で、がっしりした体つきをしていた。それに、人員の幅も広そうだぞ。一般の兵士だけでなく、ローブを纏った魔術師、シスターやブラザーの姿も見える。彼らを乗せるための馬車の数も多い。馬車と言っても、馬だけでなくて、毛足の長い牛、ロバ、少ないけれど獣型モンスターまでいる。ふぅむ、あらゆる人材と獣材(こんな言葉あるのか?)の揃ったオールスター軍って感じだな。
「あれ?一、二と来たけれど、三の国がいなくないか?」
「ほんとだね。遅れてるのかな」
実際、三の国軍は一番遅くに到着した。その日の夕方、西の空が赤く染まる時間帯だった。
三の国は一の国とは真逆で、ほっそりとした線の細い連中ばかりで構成された軍隊だ。だが彼らは、剣の代わりに杖を持っている。そう、三の国の軍は、魔術師の大軍団なのだ。魔術師の数は一、二の国のどこよりも多い。さすがは魔術大国……だけど逆に、総人数はたぶん三国中で一番少ない。少数精鋭ということなんだろう。
「でも、あんなに少人数で戦えるのかな。二の国の半分もいないんじゃないか?」
「ふふん。戦場においてまほーつかいは、剣士の五倍の働きができるって、昔の学者が言ってるんだよ」
「へー。なら実際はかける五か。なるほど、十分だ」
そうして集まった軍勢は、広大な宮殿の庭を埋め尽くさんばかりになった。人類連合軍、字面に恥じぬすごい数だ……こうでもしないと、魔王には勝てないってことなんだろう。
集まった人類連合軍は、ここで一日休み、補給をしたのち、明日の早朝には出発となるらしい。補給物資のほとんどは、なんと一の国持ち。二と三の国と違い、一の国は移動が必要ない分、準備に時間を掛けられたからだろう。だとしても、数週間でこれだけの大軍に必要な物資を集めるとは……恐らく一の国は、こうなる前から準備を始めていたに違いない。
そして帝都を出た後は、一の国西部に広がる砂漠を抜け、戦争の最前線となるフィドラーズグリーン戦線に合流、その戦線を押し上げる形で、魔大陸ゲヘナに進軍を図る計画らしい。
「そうか、ようやくついたって気持ちだったけど、まだ始まってすらないんだよな。魔王の大陸に入ってからが本番か」
連合軍としては、ここがスタート地点となる。その記念すべき今夜、宮殿では戦勝祈願として、盛大な宴が開催される運びとなるんだが……
「宴だって。出るの?」
「冗談だろ。どうせ出ても仮面を外せないんだ。俺はオコトワリだな」
「同感」
日が沈むと、俺たち不在の宴が開催された。が、その直前くらいに、渋い顔したヘイズが訪ねてきた。
「お前ら、宴に顔出す気とかって、ないよな?」
「え、なんでだよ。今回は社交パーティーとは違うだろ?俺たちがいなくたっていいんじゃないのか」
「そりゃそうなんだが、一の国のお方々がうるさいんだよ。お前に一目会いたいって」
「はぁ?」
なんだそりゃ、たちの悪い冗談か?が、ヘイズは首を横に振る。
「本当なんだ。この前の勇演武闘の試合を見て、こっちじゃお前らのファンが急増中らしいぞ」
なぁ、なんだって?バカな。ファン?
「うっそだろ、そんな、まさか。だいたいあの試合、俺は負けたじゃないか」
「こっちのお国柄、強いやつはそれだけで人気を集めるんだよ。勇者クラークと互角の戦いを演じたともなりゃ、それだけで十分な反響を呼ぶんだ。実際、俺はこの目で見たぞ。麗しい娘さん方が、血眼になってお前を探してる。仮面の勇者様の素顔を、一目でいいから見てみたいってな」
俺は青ざめ、フランとウィルは顔の険を深くした。それを聞いて、ますます行きたくなくなった。
「まあ仕方ない、どうせお前はそう言うと思ってたしな。こっちはなんとかしておくから、お前もせいぜい気を付けろ。お前はこっちじゃ有名人なんだってこと、忘れんなよ?」
ヘイズはいたずらっぽくにやりと笑って、馬車を出て行った。じ、冗談じゃないってんだ。有名人だって?ヘイズめ、大げさに言って脅かしたんじゃないだろうな。
がしかし、ヘイズの証言は、どうやら本当のことのようだった。しばらくすると、コンコンと丁寧に馬車の扉がノックされた。開けてみると、ターバンを巻いた男が立っている。この恰好、一の国の臣下か?と俺が思った時には、臣下は恭しく頭を下げていた。
「失礼いたします。こちらに、二の国の勇者、ニシデラ様はおいででしょうか?」
げげっ!ほ、ほんとに来た……この男は、仮面を被った姿しか知らないんだろう。とりあえずしらばっくれる。
「ええーっと、今ちょっと外してて……」
「おや、そうでございましたか……」
臣下は一瞬残念そうな顔をしたが、すぐににこやかな顔に戻る。
「それでは、こちらをお預かりいただけますか。勇者様と皆様で、ぜひ召し上がってくださいませ」
そう言って、大きなバスケットを渡してくれた。中を見ると、暖かい湯気の立つ料理が入っている。しかも一つじゃなくて、それが二個三個と続く。あっという間に、ちょっとした晩餐が整えられた。
「すごーい。わざわざ持ってきてくれたんだ」
ライラは無邪気にはしゃいでいるが、俺はとてもそれどころじゃなかった。てことはつまり、俺がここにいること、その上で宴に顔を出していないことまでバレてるってことだろ?胃が痛くなってきた……
「……ま、けどせっかく持ってきてくれたんだ。ありがたくいただくとするか」
俺たちは俺たちで、ささやかな宴としゃれこもう。
すげぇ、まるごと一羽焼いた鳥なんて、もと居た世界でも食べたことないかも。かぶりつくと、肉汁が溢れ出す。さすが、味もなかなかだ。食べ終わって残った骨は、ライラがおいしくいただいた。さっきの臣下は俺が子どもだってことを知らなかったのか、カゴの中にはワインも入っていた。そいつはアルルカとウィルがおいしくいただいた。
そんな風に夕食をとっていると。コンコン。
「はっ……まさか、また野次馬か?」
「あ、わらしがみましょうか」
酔ってろれつの怪しいウィルが、にゅっと首だけを扉の外に突き出す。
「あら?意外なお客様ですね。桜下さん、開けてあげたらどうですか?」
「うん?まあ、そう言うなら」
ウィルの反応からして、知り合いだろうか?俺が扉を開けると、そこには、鳶色の髪の少女が立っていた。
つづく
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続きは【翌日0時】に更新予定です(日曜日はお休み)。
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一の国までの旅路で、俺たちはめいめい、自分たちの課題に向き合った。
ウィルとライラは、一緒に魔法の研究を進めていたようだ。それに、何やらごそごそと作業する姿を多く目にした。何をしているのかと訊いても、「秘密です」と教えてくれなかったが……一度だけ、兵士に大量の紙を手配できないか頼んでくれと言われたから、紙を使う事だけは分かっているけれど。魔法の呪文でも書き留めているのだろうか?
フランとアルルカは、ちょくちょく組み手をしていたらしい。いちおう、組手だと俺は認識しているけれど、ひょっとしたら取っ組み合いのケンカかもしれない。二人の模擬戦はかなり激しく、時折不安げな顔の兵士たちが、俺に何をやっているのか訊ねに来ることもあった。二人とも並外れた身体能力をしているから、それぐらい本格的にやらないと訓練にならないんだろうな。
ロウランは、日によって居る場所が異なった。ある日はウィルたちに混じって魔法を、ある日はライラたちと組手をしている。ロウランは魔術師でありながら、防御を担当する近接メインの立ち位置だから、どちらも有益なんだろう。
そして俺は、移動の合間に行われる、兵士たちの訓練に混じっていることが多かった。エラゼムが旅立ったので、剣の稽古をつけてくれる相手がいなかったんだよな。みんなに比べたら地味なトレーニングだったけれど、俺にできるのはこれくらいだ。
そうしている日々を過ごしているうちに、気がつけば、一の国の帝都キミテズリがもう目の前になっていた。
「さぁて、いよいよ合流か」
俺たちの乗った馬車は、一の国の宮殿・クリスタルパレスの敷地内へと入った。この馬鹿でかい宮殿には、俺たち二の国の全軍が収まってもなお、ぜんぜん余裕の広さがある。まあ、それぐらいじゃないと困るけどな。なにせここで、一の国および三の国と落ち合う算段になっているのだから。そう、ここで各国は一つになり、“人類連合軍”となるのだ。
「どれ、よそがどれだけ気合を入れてるか見てやるか」
俺は馬車の窓からにゅっと首を出した。が、周りは馬車ばかりで何も見えない。そこで、フランが屋根にひらりと登り、後から俺も引っ張り上げてもらった。
「桜下、ライラも、ライラも見たい!」
「はいはい」
ライラも引っ張り上げて、俺たちは三人で見物をする。
俺たちの周りにいるのは、当然二の国の軍だ。多くの馬車に荷車、兵士たちに騎士たち。そしておそらく、向こう側に見える大軍勢が、一の国の軍隊だろう。
「さすがに、一の国の兵は数が多いな」
「ほんとだねー。倍くらいいそうだよ」
軍備に力を入れている一の国らしいな。けどそこには、二の国の兵士が少ないという事情もあるのだろう。王城が急襲されたせいで、多くの兵士が犠牲となってしまったからだ。
一の国の兵士たちは、みな筋骨隆々で、がっしりした体つきをしていた。それに、人員の幅も広そうだぞ。一般の兵士だけでなく、ローブを纏った魔術師、シスターやブラザーの姿も見える。彼らを乗せるための馬車の数も多い。馬車と言っても、馬だけでなくて、毛足の長い牛、ロバ、少ないけれど獣型モンスターまでいる。ふぅむ、あらゆる人材と獣材(こんな言葉あるのか?)の揃ったオールスター軍って感じだな。
「あれ?一、二と来たけれど、三の国がいなくないか?」
「ほんとだね。遅れてるのかな」
実際、三の国軍は一番遅くに到着した。その日の夕方、西の空が赤く染まる時間帯だった。
三の国は一の国とは真逆で、ほっそりとした線の細い連中ばかりで構成された軍隊だ。だが彼らは、剣の代わりに杖を持っている。そう、三の国の軍は、魔術師の大軍団なのだ。魔術師の数は一、二の国のどこよりも多い。さすがは魔術大国……だけど逆に、総人数はたぶん三国中で一番少ない。少数精鋭ということなんだろう。
「でも、あんなに少人数で戦えるのかな。二の国の半分もいないんじゃないか?」
「ふふん。戦場においてまほーつかいは、剣士の五倍の働きができるって、昔の学者が言ってるんだよ」
「へー。なら実際はかける五か。なるほど、十分だ」
そうして集まった軍勢は、広大な宮殿の庭を埋め尽くさんばかりになった。人類連合軍、字面に恥じぬすごい数だ……こうでもしないと、魔王には勝てないってことなんだろう。
集まった人類連合軍は、ここで一日休み、補給をしたのち、明日の早朝には出発となるらしい。補給物資のほとんどは、なんと一の国持ち。二と三の国と違い、一の国は移動が必要ない分、準備に時間を掛けられたからだろう。だとしても、数週間でこれだけの大軍に必要な物資を集めるとは……恐らく一の国は、こうなる前から準備を始めていたに違いない。
そして帝都を出た後は、一の国西部に広がる砂漠を抜け、戦争の最前線となるフィドラーズグリーン戦線に合流、その戦線を押し上げる形で、魔大陸ゲヘナに進軍を図る計画らしい。
「そうか、ようやくついたって気持ちだったけど、まだ始まってすらないんだよな。魔王の大陸に入ってからが本番か」
連合軍としては、ここがスタート地点となる。その記念すべき今夜、宮殿では戦勝祈願として、盛大な宴が開催される運びとなるんだが……
「宴だって。出るの?」
「冗談だろ。どうせ出ても仮面を外せないんだ。俺はオコトワリだな」
「同感」
日が沈むと、俺たち不在の宴が開催された。が、その直前くらいに、渋い顔したヘイズが訪ねてきた。
「お前ら、宴に顔出す気とかって、ないよな?」
「え、なんでだよ。今回は社交パーティーとは違うだろ?俺たちがいなくたっていいんじゃないのか」
「そりゃそうなんだが、一の国のお方々がうるさいんだよ。お前に一目会いたいって」
「はぁ?」
なんだそりゃ、たちの悪い冗談か?が、ヘイズは首を横に振る。
「本当なんだ。この前の勇演武闘の試合を見て、こっちじゃお前らのファンが急増中らしいぞ」
なぁ、なんだって?バカな。ファン?
「うっそだろ、そんな、まさか。だいたいあの試合、俺は負けたじゃないか」
「こっちのお国柄、強いやつはそれだけで人気を集めるんだよ。勇者クラークと互角の戦いを演じたともなりゃ、それだけで十分な反響を呼ぶんだ。実際、俺はこの目で見たぞ。麗しい娘さん方が、血眼になってお前を探してる。仮面の勇者様の素顔を、一目でいいから見てみたいってな」
俺は青ざめ、フランとウィルは顔の険を深くした。それを聞いて、ますます行きたくなくなった。
「まあ仕方ない、どうせお前はそう言うと思ってたしな。こっちはなんとかしておくから、お前もせいぜい気を付けろ。お前はこっちじゃ有名人なんだってこと、忘れんなよ?」
ヘイズはいたずらっぽくにやりと笑って、馬車を出て行った。じ、冗談じゃないってんだ。有名人だって?ヘイズめ、大げさに言って脅かしたんじゃないだろうな。
がしかし、ヘイズの証言は、どうやら本当のことのようだった。しばらくすると、コンコンと丁寧に馬車の扉がノックされた。開けてみると、ターバンを巻いた男が立っている。この恰好、一の国の臣下か?と俺が思った時には、臣下は恭しく頭を下げていた。
「失礼いたします。こちらに、二の国の勇者、ニシデラ様はおいででしょうか?」
げげっ!ほ、ほんとに来た……この男は、仮面を被った姿しか知らないんだろう。とりあえずしらばっくれる。
「ええーっと、今ちょっと外してて……」
「おや、そうでございましたか……」
臣下は一瞬残念そうな顔をしたが、すぐににこやかな顔に戻る。
「それでは、こちらをお預かりいただけますか。勇者様と皆様で、ぜひ召し上がってくださいませ」
そう言って、大きなバスケットを渡してくれた。中を見ると、暖かい湯気の立つ料理が入っている。しかも一つじゃなくて、それが二個三個と続く。あっという間に、ちょっとした晩餐が整えられた。
「すごーい。わざわざ持ってきてくれたんだ」
ライラは無邪気にはしゃいでいるが、俺はとてもそれどころじゃなかった。てことはつまり、俺がここにいること、その上で宴に顔を出していないことまでバレてるってことだろ?胃が痛くなってきた……
「……ま、けどせっかく持ってきてくれたんだ。ありがたくいただくとするか」
俺たちは俺たちで、ささやかな宴としゃれこもう。
すげぇ、まるごと一羽焼いた鳥なんて、もと居た世界でも食べたことないかも。かぶりつくと、肉汁が溢れ出す。さすが、味もなかなかだ。食べ終わって残った骨は、ライラがおいしくいただいた。さっきの臣下は俺が子どもだってことを知らなかったのか、カゴの中にはワインも入っていた。そいつはアルルカとウィルがおいしくいただいた。
そんな風に夕食をとっていると。コンコン。
「はっ……まさか、また野次馬か?」
「あ、わらしがみましょうか」
酔ってろれつの怪しいウィルが、にゅっと首だけを扉の外に突き出す。
「あら?意外なお客様ですね。桜下さん、開けてあげたらどうですか?」
「うん?まあ、そう言うなら」
ウィルの反応からして、知り合いだろうか?俺が扉を開けると、そこには、鳶色の髪の少女が立っていた。
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