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キャラメイキング
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意識が覚醒する。
そこは真っ白い何もない空間だった。
ただ白いだけ。
目の前に徐々に何かが浮かんで来る。
タブレット端末のような半透明な何かである。
突然タブレット? が文字を浮かび上がらせた。
文字とともに頭の中から声が聞こえる。
「ようこそ」
「今回の世界はダンジョン型となります」
「難易度はナイトメアで登録されています」
「キャラメイキングをおこないます」
突然起こったことに頭が混乱している。
無機質な声が告げるそれはまるでゲームのようだ。
しかしゲームだとしても説明が少なすぎだ。このあとあるのかもしれないけれどどうかと思う。
「名前を設定してください」
え、名前から……
藤崎春樹だからハルキでいいか。
タブレットの画面が代わり、入力できるようになっている。
特に何事もなく入力した。
「ハルキで承りました」
今完了も何も押していない。もしかして訂正できない仕様なのか…
というよりも学級裁判中に光に包まれて混乱から立ち直っていな状況ででどうしろって言うんだよ。
道場で習った呼吸法を2回ほど行う。
むりやり心を落ち着かせる。
「ボーナスポイントを付与いたします。画面をタッチしてください」
タブレットの画面に目まぐるしく数字が回転している。
目を凝らしても高速過ぎて数がわからない。
「あと3秒」
はやい! 叩きつけるようにタブレットに指を押し付ける。
間に合ったか。というか制限時間が短すぎないか。
「ボーナス 0 ポイント」
まだよく理解していないが、とても手痛い失敗をしているようだ。
「ステータスに加算してください」
タブレットの画面に一瞬浮かび上がる文字。
筋力、体力、魔力、などが書かれていた。
その他の項目もあったけど
「ボーナス 0 ポイントのためスキップします」
「職業を選択してください」
一瞬過ぎて確認できなかった…
ボーナスポイント振り分けてから職業選択って厳しくないか?
ボーナス0はやばい。職業につけるのか?
タブレットを見ると
「ボーナス0のため選択できる職業はありません」
無情な告知がなされた。
よくわからないが無職はヤバイ、難易度ナイトメアっていうのも理解できない。
ノーマルとかハードじゃないのか?
俺は必死になって画面をいじって見た。
画面は変わらず無職を示している。
よし、叩いてみよう。
右突きをタブレットに叩き込む。
拳が壊れないように掌底だ。
風斬り音とヒットの瞬間の爆裂音が鳴り響く。腰のひねりも加えて発勁の効果も加える。
数回叩いてみるとタブレットがひび割れてきた。
画面が変わる
「人間ヤメますか(怒)」
なんか出てきた。
呆然としている間に次の画面に移り変わった。
無慈悲にもキャラメイキングは続く。
「パーティーを編成します」
「学校のメンバーを表示します」
そこにはクラスメイトの本名とさっき付けたであろう名前と横にはボーナスポイントの数字が写っている。
ざっと見た感じ平均して6~9ポイントが多い。
ちらほら15以上もいる。
一人おかしいやつがいる。
神楽坂幸子 さっちん 41ポイント
豊洲マホ まほまほ 6ポイント
普通だ。
一体この状況でどうやってメンバー決めるんだ。
「パーティーはボーナスポイント上位の人間が4人まで指名できます。5人を上限としてパーティーを編成してください」
なるほど。
「なお今回は難易度ナイトメアのため5人パーティーを強く推奨いたします」
タブレットに表示されてある光っていた名前がどんどん暗くなっていく。まるでゲームのようだ。
嫌な予感がしてきた。というよりも必然か…
俺の名前はずっと光ったままだ。
「以上キャラメイキングは終了です」
色々短すぎやしないか?もうちょいこう何かあるだろ。
「これから皆様には無慈悲で非情で殺伐としてとても救いがないこの「嘆きの塔」を攻略していただきます」
「攻略手段はひたすら魔物を殺し、人を殺し、どんどん最上層まで目指してください」
多分パーティーを組めていないであろう俺がどうやって攻略していけばいいか非常に悩む。
運営(仮)がこんだけ難しいと言っているのは本当にヤバイのだろう。
「ナイトメア特典があります。皆様に残機を10ポイントお付けいたします。」
「もし仮に死亡した場合、拠点の所定の場所から復活いたします」
「残機→LPと表記させていただきます」
「詳しい説明はタブレットをご参照ください」
「チュートリアルはありません。死んで覚えてください」
「ゴールで会いましょう」
「頑張って生き残ってください」
白い世界が徐々に色を付けていく。
そこに広がる光景に愕然した。
教室の窓から見えるグランドには天辺が見えないほどの高さの塔が立っている。
空の色は暗い緑色。学校の敷地以外はその色で埋め尽くされている。
生徒の位置はさっきと変わらない。担任はいない……
机の上にはひび割れた半透明なタブレットが置いてある。
あたりを見渡すと茫然とするクラスメイトたちがいる。
みんな動揺しているのか声も出せない。
俺も混乱はしているが、まずタブレットを確認しよう。
タブレット持った瞬間手の中で粉々に砕け散った。
その時ほかのクラスメイトのタブレットから悲鳴のようなアラーム音が聴こえてくる。
隣にいた青い顔をしている豊洲のタブレットを覗き見る。
「モンスターパニックの時間まであと10分となります。塔まで退避してください」
アラームが鳴り響くなか俺は思った。
よく理解できないがとてつもなく不味い状況のようだ……
ボーナス0
パーティー無し
職業は多分無職
友達無し、彼女(仮面含む)無し
幼なじみは違う世界のキャラ
お助けタブレット無し
開始10分で戦闘
どんな異世界転移だよ……
初っぱなから本気でやらなきゃ……な。
そこは真っ白い何もない空間だった。
ただ白いだけ。
目の前に徐々に何かが浮かんで来る。
タブレット端末のような半透明な何かである。
突然タブレット? が文字を浮かび上がらせた。
文字とともに頭の中から声が聞こえる。
「ようこそ」
「今回の世界はダンジョン型となります」
「難易度はナイトメアで登録されています」
「キャラメイキングをおこないます」
突然起こったことに頭が混乱している。
無機質な声が告げるそれはまるでゲームのようだ。
しかしゲームだとしても説明が少なすぎだ。このあとあるのかもしれないけれどどうかと思う。
「名前を設定してください」
え、名前から……
藤崎春樹だからハルキでいいか。
タブレットの画面が代わり、入力できるようになっている。
特に何事もなく入力した。
「ハルキで承りました」
今完了も何も押していない。もしかして訂正できない仕様なのか…
というよりも学級裁判中に光に包まれて混乱から立ち直っていな状況ででどうしろって言うんだよ。
道場で習った呼吸法を2回ほど行う。
むりやり心を落ち着かせる。
「ボーナスポイントを付与いたします。画面をタッチしてください」
タブレットの画面に目まぐるしく数字が回転している。
目を凝らしても高速過ぎて数がわからない。
「あと3秒」
はやい! 叩きつけるようにタブレットに指を押し付ける。
間に合ったか。というか制限時間が短すぎないか。
「ボーナス 0 ポイント」
まだよく理解していないが、とても手痛い失敗をしているようだ。
「ステータスに加算してください」
タブレットの画面に一瞬浮かび上がる文字。
筋力、体力、魔力、などが書かれていた。
その他の項目もあったけど
「ボーナス 0 ポイントのためスキップします」
「職業を選択してください」
一瞬過ぎて確認できなかった…
ボーナスポイント振り分けてから職業選択って厳しくないか?
ボーナス0はやばい。職業につけるのか?
タブレットを見ると
「ボーナス0のため選択できる職業はありません」
無情な告知がなされた。
よくわからないが無職はヤバイ、難易度ナイトメアっていうのも理解できない。
ノーマルとかハードじゃないのか?
俺は必死になって画面をいじって見た。
画面は変わらず無職を示している。
よし、叩いてみよう。
右突きをタブレットに叩き込む。
拳が壊れないように掌底だ。
風斬り音とヒットの瞬間の爆裂音が鳴り響く。腰のひねりも加えて発勁の効果も加える。
数回叩いてみるとタブレットがひび割れてきた。
画面が変わる
「人間ヤメますか(怒)」
なんか出てきた。
呆然としている間に次の画面に移り変わった。
無慈悲にもキャラメイキングは続く。
「パーティーを編成します」
「学校のメンバーを表示します」
そこにはクラスメイトの本名とさっき付けたであろう名前と横にはボーナスポイントの数字が写っている。
ざっと見た感じ平均して6~9ポイントが多い。
ちらほら15以上もいる。
一人おかしいやつがいる。
神楽坂幸子 さっちん 41ポイント
豊洲マホ まほまほ 6ポイント
普通だ。
一体この状況でどうやってメンバー決めるんだ。
「パーティーはボーナスポイント上位の人間が4人まで指名できます。5人を上限としてパーティーを編成してください」
なるほど。
「なお今回は難易度ナイトメアのため5人パーティーを強く推奨いたします」
タブレットに表示されてある光っていた名前がどんどん暗くなっていく。まるでゲームのようだ。
嫌な予感がしてきた。というよりも必然か…
俺の名前はずっと光ったままだ。
「以上キャラメイキングは終了です」
色々短すぎやしないか?もうちょいこう何かあるだろ。
「これから皆様には無慈悲で非情で殺伐としてとても救いがないこの「嘆きの塔」を攻略していただきます」
「攻略手段はひたすら魔物を殺し、人を殺し、どんどん最上層まで目指してください」
多分パーティーを組めていないであろう俺がどうやって攻略していけばいいか非常に悩む。
運営(仮)がこんだけ難しいと言っているのは本当にヤバイのだろう。
「ナイトメア特典があります。皆様に残機を10ポイントお付けいたします。」
「もし仮に死亡した場合、拠点の所定の場所から復活いたします」
「残機→LPと表記させていただきます」
「詳しい説明はタブレットをご参照ください」
「チュートリアルはありません。死んで覚えてください」
「ゴールで会いましょう」
「頑張って生き残ってください」
白い世界が徐々に色を付けていく。
そこに広がる光景に愕然した。
教室の窓から見えるグランドには天辺が見えないほどの高さの塔が立っている。
空の色は暗い緑色。学校の敷地以外はその色で埋め尽くされている。
生徒の位置はさっきと変わらない。担任はいない……
机の上にはひび割れた半透明なタブレットが置いてある。
あたりを見渡すと茫然とするクラスメイトたちがいる。
みんな動揺しているのか声も出せない。
俺も混乱はしているが、まずタブレットを確認しよう。
タブレット持った瞬間手の中で粉々に砕け散った。
その時ほかのクラスメイトのタブレットから悲鳴のようなアラーム音が聴こえてくる。
隣にいた青い顔をしている豊洲のタブレットを覗き見る。
「モンスターパニックの時間まであと10分となります。塔まで退避してください」
アラームが鳴り響くなか俺は思った。
よく理解できないがとてつもなく不味い状況のようだ……
ボーナス0
パーティー無し
職業は多分無職
友達無し、彼女(仮面含む)無し
幼なじみは違う世界のキャラ
お助けタブレット無し
開始10分で戦闘
どんな異世界転移だよ……
初っぱなから本気でやらなきゃ……な。
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