134 / 150
第二部
第13話 予測不可能な一日!?
しおりを挟む
「おいっ! 奏大アレっ!」
コンビニのレジでビニール傘の会計を終わらせた俺に、トイレから出てきた佳彦が必死に飛びついてきた。
「ちょっ……何!?」
佳彦にせかされて扉の外を見ると、柄の悪そうなE隙高の制服を着た男が優姫たちに絡んでいた。
「ヤバいな……」
「あぁ、優姫。大会前だろ?」
俺達は顔を見合わせた。
「ここだと防犯カメラがあるからな。バッチリ映っちまう……」
「いや、アイツ。それは分かってるみたいだぞ」
優姫はマルサネの腕を掴み、コンビニとショッピングモールの狭間の路地裏へジリジリと後退していく。
当然のことながら、雨降りの路地裏にひと気などない。
俺と佳彦はコンビニから飛び出して、路地裏へ向かった。
$$$
「何処へ行くのかな? コネコちゃん?」
俺達が路地裏に駆けつけると、月並みな台詞を口にしながら二人組の男たちは優姫達を追いつめていた。
ショッピングモールの屋根から突きだした庇のおかげでここに雨は振り込んでこない。
「なんだ、お前ら!」
「邪魔する気か? ごらぁ!」
男達は俺達に気づいて振り向いた。
凄まれて佳彦は俺の背中に慌てて隠れる。
まぁ、いいけどさ……。ヘタレ過ぎだよ、佳彦。
「なぁ、奏大。コイツらって家畜か?」
その時、急に正面のマルサネが突拍子もないことを大声で言った。
「は?」
「だって、牛と同じ鼻輪をつけている」
マルサネの言葉に優姫と佳彦が、声を失った。
……そして思いっきり吹き出す。佳彦は腹を抱えて笑っていた。
「そんなにあたし、変なこと言ったか?」
マルサネが憮然として言った。
「てめぇっ! 俺達をコケにしやがって……」
「ナメテんのか? ぁあ?」
ロン毛男とピアス男は、怒りでブルブルと震えながら語彙のなさを露呈した台詞をわめき出す。
「コケ? 石にくっついてるヤツのことか?」
マルサネの言葉に、この女はひょっとして馬鹿か? と言う様な蔑みの光が男達の狂眼に宿った。
そして凶悪なそれが、マルサネに向かって向けられる。
「あぁ? ふざけるなよ、このクソ大女!」
「痛い目にあわせてやろうか?」
二人組はマルサネに向かって脅すように拳をふりあげた。
大声でビビらせようという戦法であるが、マルサネに全く動じた様子はない。
「家畜だけに、全く……隙だらけだな」
とマルサネはつまらなさそうに頬を掻く。
「おい、奏大! 止めなくていいのか?」
慌てる佳彦を俺は押し止めた。
優姫に目で合図をすると、優姫もマルサネから離れるように間合いをとる。
止める? とんでもない。
あのマルサネの構え。
これは巻き添えを食らわないように、できるだけマルサネから離れる方が正解だ。
そもそも優姫がわざとここの路地裏に誘ったのは、コンビニの防犯カメラの死角に誘導するため。
優姫は全国大会に出るほどの空手の実力者だ。
特に大会を控えたこの時期は、ボコってるところが発覚すると不祥事になる。
ちなみに俺も母さんに言われて優姫と同じ道場に通っていた。だから、大抵の喧嘩なら俺達は負ける気がしない。そして実際、素人相手に負けたことはないのだ。
……だが、その俺達から見て、マルサネは全く隙がない。
いったい何者なんだ……?
薄く笑みを浮かべて立っているマルサネを、俺は思わず凝視した。
その瞬間。ぞくり、と俺の背中を冷たいものが這いあがる。
殺気だ。
チンピラなんかが発するものとは桁違いの、怒りでも憎しみでもなく、それこそ家畜を屠るかのような無感情な、それ。
……近寄ったら、危ない。
本能的なものが、俺の中で猛烈に警報を鳴らす。
一方、E隙高の制服を着た男たちはそんなものには全く気がつかない様子。
二人ともニタニタとした厭な笑いを張りつけながら、間合いをつめていく。
「運が悪かったな。せっかく来たヤツもビビって助けてくれない腰抜けヤロウどもで!」
「運が悪かったのはそっちだ」
マルサネは不敵な笑みを浮かべたまま、フッと身体を揺らした。
その途端。
ひゅう、と風が唸る。
「「早いっ!」」
俺と優姫の口から思わず驚嘆の台詞が漏れた。
ドスッと重い袋に何かを打ちつけたような鈍い打撃音が響く。
「ぎょわぁぁっ!」
ピアス男の絶叫が路地裏に響き渡った。
マルサネの足元で身体を「く」の字に折り曲げて、男は血反吐を撒き散らして転げ回る。
ロン毛男のさっきまで自信に満ちていた暴力的な顔が青白く引き歪んだ。
辺りの空気に血の臭いが混じりはじめる。
「この女ぁっ!」
マルサネは、ひょいっと殴りかかってくる男の振り上げた拳を押さえた。
俺達には軽く手首を握ったようにしか見えなかったのに、
「うぎゃあ~!」
ロン毛男は絶叫すると、握られた手首を押さえて転げ回る。
マルサネは無造作に転げ回る男に近づくと、無表情で男の太ももに右足をのせ、軽く力を込めた。
バキッ!
木の枝が折れるような乾いた音と同時に男の絶叫がコダマする。
「そこまでよ!」
「もう止めろっ!!」
俺と優姫は決死の表情で両脇から押さえ込み、マルサネを背後から止めた。
目の前の地面には、泡を吹いて気絶するロン毛男と血反吐まみれで悶絶する金髪ピアス男が転がっている。
「ん?」
マルサネは何事もなかったかのように、俺達の身体を張った静止にアッサリ止まった。
「……二度と手出しをしてこないように手足をへし折ってやっただけだぞ?
歌音に、死体を始末できない場所では殺してはいけないと言われたから、ちゃんも頭も割ってないし、眼もつぶしてない」
マルサネの言葉に俺達は無言で顔を見合わせた。
「……」
「海に投げるか、山で埋めるか証拠を隠滅できる時以外は殺すなと和奏にも言われた。本当は首をへし折って息を止めたほうが楽だったのだがな……」
……姉ちゃんたちは、揃いもそろってコイツに何を教えたんだ。
でも、何にしろ人殺しを目撃するハメにならなくて良かった。
こいつ……マルサネはおそらく人を殺すことに躊躇いはない。考えたくないが、一体どういう育ちをしてきたんだ……?
「首をへし折る……?」
「どこの戦地から来たの? マルサネちゃんって……」
呆然と呟く佳彦と優姫に、
「だから、中東アジアの紛争地域から来たっていっただろ?」
俺は慌ててフォローに入ったが、マルサネが瞬時にそれをぶち壊した。
「中東って何だ? 国の名前はユッカだぞ。月の向こうの世界だ」
「「はぁっ!?」」
佳彦と優姫がマルサネの台詞に目を丸くする。
「わ~っ! こいつ地理も日本語も壮絶苦手なんだよなっ!!」
「めっちゃ、流暢に話してるけど?」
佳彦のツッコミは無視。
「ほらっ、ここに長居してる場合じゃないだろ! 何でもいいから早く行こうぜ!!」
俺は三人を追いたてるようにして、早足で裏路地を出ると、最近めっきり見なくなった公衆電話で救急車を呼んだ。
いくら、名うての不良が多いE隙高のヤツらだとしても、本当に死んでしまったら……寝覚めが悪い。
通話口にハンカチを当て、匿名で通報を終えて電話ボックスを出る。ガラスにうつる眩しい光に思わず空を見上げると、黒雲は去り青空が広がっていた。
「雨雲レーダーも先のことは予測不可能かぁ……」
俺は、昨夜から続いている予測不可能な出来事を思って盛大にため息をつく。
昨日までの俺の平和で平凡な生活はどこへいってしまったのだろう……。
遠くから救急車のサイレンが聞こえ、我にかえった俺は慌ててマルサネ達の背中を追いかけたのだった。
コンビニのレジでビニール傘の会計を終わらせた俺に、トイレから出てきた佳彦が必死に飛びついてきた。
「ちょっ……何!?」
佳彦にせかされて扉の外を見ると、柄の悪そうなE隙高の制服を着た男が優姫たちに絡んでいた。
「ヤバいな……」
「あぁ、優姫。大会前だろ?」
俺達は顔を見合わせた。
「ここだと防犯カメラがあるからな。バッチリ映っちまう……」
「いや、アイツ。それは分かってるみたいだぞ」
優姫はマルサネの腕を掴み、コンビニとショッピングモールの狭間の路地裏へジリジリと後退していく。
当然のことながら、雨降りの路地裏にひと気などない。
俺と佳彦はコンビニから飛び出して、路地裏へ向かった。
$$$
「何処へ行くのかな? コネコちゃん?」
俺達が路地裏に駆けつけると、月並みな台詞を口にしながら二人組の男たちは優姫達を追いつめていた。
ショッピングモールの屋根から突きだした庇のおかげでここに雨は振り込んでこない。
「なんだ、お前ら!」
「邪魔する気か? ごらぁ!」
男達は俺達に気づいて振り向いた。
凄まれて佳彦は俺の背中に慌てて隠れる。
まぁ、いいけどさ……。ヘタレ過ぎだよ、佳彦。
「なぁ、奏大。コイツらって家畜か?」
その時、急に正面のマルサネが突拍子もないことを大声で言った。
「は?」
「だって、牛と同じ鼻輪をつけている」
マルサネの言葉に優姫と佳彦が、声を失った。
……そして思いっきり吹き出す。佳彦は腹を抱えて笑っていた。
「そんなにあたし、変なこと言ったか?」
マルサネが憮然として言った。
「てめぇっ! 俺達をコケにしやがって……」
「ナメテんのか? ぁあ?」
ロン毛男とピアス男は、怒りでブルブルと震えながら語彙のなさを露呈した台詞をわめき出す。
「コケ? 石にくっついてるヤツのことか?」
マルサネの言葉に、この女はひょっとして馬鹿か? と言う様な蔑みの光が男達の狂眼に宿った。
そして凶悪なそれが、マルサネに向かって向けられる。
「あぁ? ふざけるなよ、このクソ大女!」
「痛い目にあわせてやろうか?」
二人組はマルサネに向かって脅すように拳をふりあげた。
大声でビビらせようという戦法であるが、マルサネに全く動じた様子はない。
「家畜だけに、全く……隙だらけだな」
とマルサネはつまらなさそうに頬を掻く。
「おい、奏大! 止めなくていいのか?」
慌てる佳彦を俺は押し止めた。
優姫に目で合図をすると、優姫もマルサネから離れるように間合いをとる。
止める? とんでもない。
あのマルサネの構え。
これは巻き添えを食らわないように、できるだけマルサネから離れる方が正解だ。
そもそも優姫がわざとここの路地裏に誘ったのは、コンビニの防犯カメラの死角に誘導するため。
優姫は全国大会に出るほどの空手の実力者だ。
特に大会を控えたこの時期は、ボコってるところが発覚すると不祥事になる。
ちなみに俺も母さんに言われて優姫と同じ道場に通っていた。だから、大抵の喧嘩なら俺達は負ける気がしない。そして実際、素人相手に負けたことはないのだ。
……だが、その俺達から見て、マルサネは全く隙がない。
いったい何者なんだ……?
薄く笑みを浮かべて立っているマルサネを、俺は思わず凝視した。
その瞬間。ぞくり、と俺の背中を冷たいものが這いあがる。
殺気だ。
チンピラなんかが発するものとは桁違いの、怒りでも憎しみでもなく、それこそ家畜を屠るかのような無感情な、それ。
……近寄ったら、危ない。
本能的なものが、俺の中で猛烈に警報を鳴らす。
一方、E隙高の制服を着た男たちはそんなものには全く気がつかない様子。
二人ともニタニタとした厭な笑いを張りつけながら、間合いをつめていく。
「運が悪かったな。せっかく来たヤツもビビって助けてくれない腰抜けヤロウどもで!」
「運が悪かったのはそっちだ」
マルサネは不敵な笑みを浮かべたまま、フッと身体を揺らした。
その途端。
ひゅう、と風が唸る。
「「早いっ!」」
俺と優姫の口から思わず驚嘆の台詞が漏れた。
ドスッと重い袋に何かを打ちつけたような鈍い打撃音が響く。
「ぎょわぁぁっ!」
ピアス男の絶叫が路地裏に響き渡った。
マルサネの足元で身体を「く」の字に折り曲げて、男は血反吐を撒き散らして転げ回る。
ロン毛男のさっきまで自信に満ちていた暴力的な顔が青白く引き歪んだ。
辺りの空気に血の臭いが混じりはじめる。
「この女ぁっ!」
マルサネは、ひょいっと殴りかかってくる男の振り上げた拳を押さえた。
俺達には軽く手首を握ったようにしか見えなかったのに、
「うぎゃあ~!」
ロン毛男は絶叫すると、握られた手首を押さえて転げ回る。
マルサネは無造作に転げ回る男に近づくと、無表情で男の太ももに右足をのせ、軽く力を込めた。
バキッ!
木の枝が折れるような乾いた音と同時に男の絶叫がコダマする。
「そこまでよ!」
「もう止めろっ!!」
俺と優姫は決死の表情で両脇から押さえ込み、マルサネを背後から止めた。
目の前の地面には、泡を吹いて気絶するロン毛男と血反吐まみれで悶絶する金髪ピアス男が転がっている。
「ん?」
マルサネは何事もなかったかのように、俺達の身体を張った静止にアッサリ止まった。
「……二度と手出しをしてこないように手足をへし折ってやっただけだぞ?
歌音に、死体を始末できない場所では殺してはいけないと言われたから、ちゃんも頭も割ってないし、眼もつぶしてない」
マルサネの言葉に俺達は無言で顔を見合わせた。
「……」
「海に投げるか、山で埋めるか証拠を隠滅できる時以外は殺すなと和奏にも言われた。本当は首をへし折って息を止めたほうが楽だったのだがな……」
……姉ちゃんたちは、揃いもそろってコイツに何を教えたんだ。
でも、何にしろ人殺しを目撃するハメにならなくて良かった。
こいつ……マルサネはおそらく人を殺すことに躊躇いはない。考えたくないが、一体どういう育ちをしてきたんだ……?
「首をへし折る……?」
「どこの戦地から来たの? マルサネちゃんって……」
呆然と呟く佳彦と優姫に、
「だから、中東アジアの紛争地域から来たっていっただろ?」
俺は慌ててフォローに入ったが、マルサネが瞬時にそれをぶち壊した。
「中東って何だ? 国の名前はユッカだぞ。月の向こうの世界だ」
「「はぁっ!?」」
佳彦と優姫がマルサネの台詞に目を丸くする。
「わ~っ! こいつ地理も日本語も壮絶苦手なんだよなっ!!」
「めっちゃ、流暢に話してるけど?」
佳彦のツッコミは無視。
「ほらっ、ここに長居してる場合じゃないだろ! 何でもいいから早く行こうぜ!!」
俺は三人を追いたてるようにして、早足で裏路地を出ると、最近めっきり見なくなった公衆電話で救急車を呼んだ。
いくら、名うての不良が多いE隙高のヤツらだとしても、本当に死んでしまったら……寝覚めが悪い。
通話口にハンカチを当て、匿名で通報を終えて電話ボックスを出る。ガラスにうつる眩しい光に思わず空を見上げると、黒雲は去り青空が広がっていた。
「雨雲レーダーも先のことは予測不可能かぁ……」
俺は、昨夜から続いている予測不可能な出来事を思って盛大にため息をつく。
昨日までの俺の平和で平凡な生活はどこへいってしまったのだろう……。
遠くから救急車のサイレンが聞こえ、我にかえった俺は慌ててマルサネ達の背中を追いかけたのだった。
0
お気に入りに追加
142
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
魅了の魔法を使っているのは義妹のほうでした・完
瀬名 翠
恋愛
”魅了の魔法”を使っている悪女として国外追放されるアンネリーゼ。実際は義妹・ビアンカのしわざであり、アンネリーゼは潔白であった。断罪後、親しくしていた、隣国・魔法王国出身の後輩に、声をかけられ、連れ去られ。
夢も叶えて恋も叶える、絶世の美女の話。
*五話でさくっと読めます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢とバレて、仕方ないから本性をむき出す
岡暁舟
恋愛
第一王子に嫁ぐことが決まってから、一年間必死に修行したのだが、どうやら王子は全てを見破っていたようだ。婚約はしないと言われてしまった公爵令嬢ビッキーは、本性をむき出しにし始めた……。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
そろそろ前世は忘れませんか。旦那様?
氷雨そら
恋愛
結婚式で私のベールをめくった瞬間、旦那様は固まった。たぶん、旦那様は記憶を取り戻してしまったのだ。前世の私の名前を呼んでしまったのがその証拠。
そしておそらく旦那様は理解した。
私が前世にこっぴどく裏切った旦那様の幼馴染だってこと。
――――でも、それだって理由はある。
前世、旦那様は15歳のあの日、魔力の才能を開花した。そして私が開花したのは、相手の魔力を奪う魔眼だった。
しかも、その魔眼を今世まで持ち越しで受け継いでしまっている。
「どれだけ俺を弄んだら気が済むの」とか「悪い女」という癖に、旦那様は私を離してくれない。
そして二人で眠った次の朝から、なぜかかつての幼馴染のように、冷酷だった旦那様は豹変した。私を溺愛する人間へと。
お願い旦那様。もう前世のことは忘れてください!
かつての幼馴染は、今度こそ絶対幸せになる。そんな幼馴染推しによる幼馴染推しのための物語。
小説家になろうにも掲載しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない
おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。
どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに!
あれ、でも意外と悪くないかも!
断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。
※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
最後に報われるのは誰でしょう?
ごろごろみかん。
恋愛
散々婚約者に罵倒され侮辱されてきたリリアは、いい加減我慢の限界を迎える。
「もう限界だ、きみとは婚約破棄をさせてもらう!」と婚約者に突きつけられたリリアはそれを聞いてラッキーだと思った。
限界なのはリリアの方だったからだ。
なので彼女は、ある提案をする。
「婚約者を取り替えっこしませんか?」と。
リリアの婚約者、ホシュアは婚約者のいる令嬢に手を出していたのだ。その令嬢とリリア、ホシュアと令嬢の婚約者を取り替えようとリリアは提案する。
「別にどちらでも私は構わないのです。どちらにせよ、私は痛くも痒くもないですから」
リリアには考えがある。どっちに転ぼうが、リリアにはどうだっていいのだ。
だけど、提案したリリアにこれからどう物事が進むか理解していないホシュアは一も二もなく頷く。
そうして婚約者を取り替えてからしばらくして、辺境の街で聖女が現れたと報告が入った。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる