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第一部
第17話 公開恋愛? ☆
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「お嬢様!買ってきましたわ」
「ありがとう、ルーチェ」
ルーチェの帰りを待ち構えていた私は、急いで紙袋を受け取った。
「どうです?」
「掲載されてたわ……」
一通り目を通した後、ルーチェに差し出す。
「見ても宜しいですか?」
「うん」
『……もし、読者だという彼女がこのコラムを読んでくれているのであれば、もう一度ゆっくり逢いたいとこの場を借りて伝えたい……』
「先行配信のネット掲示板から文面変わってませんね~」
ルーチェに続きを読むように、指先で紙面をツンツンする。
『なんと嬉しいことに掲示板に返信があった。彼女が私に返事をくれたこと、神に感謝したい』
「お返事されたところはどうでした?」
『今回の記事を拝見して大変驚きました。私も先日は、楽しい印象深い一時を過ごさせていただきましたが、まさかミスターユッカその人であるとは思わず……失礼の数々お許しくださいませ。
運命の出会いとまで、おっしゃって頂き、大変嬉しく、私も好ましい殿方であると感じております。運命とまでおっしゃっていただいたお言葉に甘え、宜しければこの紙面かもしくは掲示板上で暫くお付き合いしていただけたらと思っております』
「編集かかってませんね。お嬢様が書き込んだままじゃないですか」
『それではミスターユッカの恋を皆さんで紙面で見守っていきましょう。では、リエージュさん、次号も引き続き書き込みをお願いします』
「……完全に企画化されましたね」
ルーチェが唸る。
「うん。まぁ、私としてはそれを狙ったんだけど」
「編集部が実物に会いたいと言ってきたらどうするつもりです?」
「その時はルーチェが出てよ」
「ダメですよ。カフェで会ってますからね。ミスターユッカには簡単にバレます」
「まぁ、できるだけ会わない方向で頑張るわ」
「それもどこまでもちますかねぇ」
「大丈夫。そのうち、読者が飽きて違う企画になるわよ」
そう。軽い気持ちで始めたこの企画、二三回で消えるだろうと思っていたのに、意外に人気名物コーナーになってしまい……。
何かね~、中年カップルの純愛?話が色んな年代に受けてるんだって。
基本的にミスターユッカが振った話に私が返す感じのやりとりなんだけど、公開発言的になるので毎回、キーボードの前で「こんなんで良いかしら?」と悶えまくっているの。
あんなに楽しみだった、ユッカナウの発売日がこんなに気が重くなるとは思わなかったわ……。
「ありがとう、ルーチェ」
ルーチェの帰りを待ち構えていた私は、急いで紙袋を受け取った。
「どうです?」
「掲載されてたわ……」
一通り目を通した後、ルーチェに差し出す。
「見ても宜しいですか?」
「うん」
『……もし、読者だという彼女がこのコラムを読んでくれているのであれば、もう一度ゆっくり逢いたいとこの場を借りて伝えたい……』
「先行配信のネット掲示板から文面変わってませんね~」
ルーチェに続きを読むように、指先で紙面をツンツンする。
『なんと嬉しいことに掲示板に返信があった。彼女が私に返事をくれたこと、神に感謝したい』
「お返事されたところはどうでした?」
『今回の記事を拝見して大変驚きました。私も先日は、楽しい印象深い一時を過ごさせていただきましたが、まさかミスターユッカその人であるとは思わず……失礼の数々お許しくださいませ。
運命の出会いとまで、おっしゃって頂き、大変嬉しく、私も好ましい殿方であると感じております。運命とまでおっしゃっていただいたお言葉に甘え、宜しければこの紙面かもしくは掲示板上で暫くお付き合いしていただけたらと思っております』
「編集かかってませんね。お嬢様が書き込んだままじゃないですか」
『それではミスターユッカの恋を皆さんで紙面で見守っていきましょう。では、リエージュさん、次号も引き続き書き込みをお願いします』
「……完全に企画化されましたね」
ルーチェが唸る。
「うん。まぁ、私としてはそれを狙ったんだけど」
「編集部が実物に会いたいと言ってきたらどうするつもりです?」
「その時はルーチェが出てよ」
「ダメですよ。カフェで会ってますからね。ミスターユッカには簡単にバレます」
「まぁ、できるだけ会わない方向で頑張るわ」
「それもどこまでもちますかねぇ」
「大丈夫。そのうち、読者が飽きて違う企画になるわよ」
そう。軽い気持ちで始めたこの企画、二三回で消えるだろうと思っていたのに、意外に人気名物コーナーになってしまい……。
何かね~、中年カップルの純愛?話が色んな年代に受けてるんだって。
基本的にミスターユッカが振った話に私が返す感じのやりとりなんだけど、公開発言的になるので毎回、キーボードの前で「こんなんで良いかしら?」と悶えまくっているの。
あんなに楽しみだった、ユッカナウの発売日がこんなに気が重くなるとは思わなかったわ……。
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