相糸双愛になれる魔法~運命の紅い蜘蛛の糸で結ばれた上級魔法科生の俺と編入生の騎士科女子~

まほまほ

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才女と優等生と二等身

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 好きな人ができました。

 あ、片思いです。

 しかし、好きで好きでたまらないのです。

 あの愛らしいフォルム、円らな瞳、そして慌てふためて逃げ回る小動物感。

 あぁ、なんてなんてなんてなんて。

「かゎ・・・」

 これ以上は、口にしたらいけない。

 私は、今羨望と嫉妬で渦巻く渦中の立場。

 このガブリール学園始まって以来の騎士科編入生の天才と有名になってしまった女の子。

 家柄は公爵家ながらも、三女。
 なんとも中途半端な三女。
 何をしても許される範囲が広い三女。
 姉様方の視線に苦しむ三女。

 そんな私には、祖父が遺した剣技の才能があった。
 それは、この学園の騎士科への〝通常はあり得ない〟編入において、偏差値以上の実力が求められる技能部門で悠に好成績を残せるほどだった。
 
 周りは、私が天才だという。

 そんなある日、この学園で運命の人と出会った。

 あの二等身・・・の方に。

「また会えたら今度は・・・」

 つい、窓の外の空を見ると、あの方の困り果てた表情が見えてくる気がする。

「〝だーれ〟を思って空見てるん?」
「っ・・・!!」

 突如、背後から肩をポンと叩かれました。

 失念してました。

「いえ、なんでもありませんよ」

 振り返り、その同級の女生徒ジェリアにそう伝える。

「ふーん? ま、まだ知り合って間もない親友未満の考えは分からないんだけどさ! なんか出会いがあったら教えてほしいね!」
「そう見えましたか?」
「ふふっ そう見えたんよ? 親友未満の私でもね?」

 ジェリアは、私が編入する以前の騎士科のトップを争うほどの強者。
 そして、編入試験で、私と剣を交えた心優しいお友達です。

 友以上、親友未満、と彼女から早速アプローチを受け、私は嬉しかった。

 それ以来、この学園での生活は、さほど苦しくないものになりました。

「では、一つ聞きたいことが」
「なになに? なんでも聞いて! 答えられることならなんでも答えるわ!」

 ドン、と胸を張るジェリア。

「先日、二等身の学生を見かけたのですが、その方は、どこの学科にいらっしゃるのでしょうか?」
「二等身? この学園は、種族の割合的には圧倒的に人間の方が多いけど、二等身くらいの大きさならホビットとかドワーフ辺りじゃない?」
「いえ、あれは人間でした。見間違えではありません」
「えー、じゃあわからないなー・・・あ! でもそういったことができる奴なら心当たりがあるわ!」
「本当ですか!? どなたです!? どこの学科です!?」

 はしたない私。
 淑女ということを、つい忘れていました。

「そんなにか! がっつくほどにか!」
「がっつく・・・! はっ! ジェリア、失礼しました。つい・・・」

 ジェリアは多少一直線にものを言うところがあります。
 自業自得とはいえ、少々傷つきます。

「あー、とりあえず、そいつに会ってみるか? そいつもお前と同じ〝天才〟だから、天才同士で分かりあえるかもしれねー」
「まあ・・・!!」

 私の心は今の一言で癒えました。

「よほどそいつが気に入ったんだな・・・なんか不安だぜ」
「あの方に会える・・・!」
「聞いちゃいねぇ・・・ ふっ」

 ジェリア、ありがとう。感謝いたします。
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