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第一章:金色の神様
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――こいつらにどんなことをされるかなんて,分かっているはずなのに。早く中に戻ればいい――だが,恐怖で足がぴくりとも動かない!
「さぁて。今日は何をしてやろうか」
イジメッ子の一人がスウェンに近づき,胸元にハサミを差し向けてきた。その瞬間,スウェンの全身はかっと熱くなり,脇の下から汗がダラッと流れた。
胸元を見ることができない。
――こいつなら笑いながら,刺してくるかもしれない……
恐ろしいことしか考えられなかった。
切傷や骨折などの怪我はすぐに治るとしても,胸を刺されたりすればスウェンだって死ぬだろう。
もしも本当にこいつがスウェンを殺してしまえば,イジメッ子はただの犯罪者になるだけである。スウェンは歯を食い縛った。
「まあ待てよ」
と,偉そうにマイケルが言った。
「まずはこれを燃やすのが先だ」
すると奴は,落ちていたボロボロの下着をクシャッと踏みつける。
――そう,マイケルは下着を本気で燃やそうとしているのだ。
「や……やめろ! それを燃やしたら,ボクの穿くものがなくなっちゃう……!」
スウェンは焦った。彼の家には,いちいち新しい服や下着を買う金はない。
下着がボロボロにされても,どうにか直して使うしかないのだ。燃やされてしまったら,どうしようもなくなる。
マイケルたちは,スウェンの家が貧乏だということを知っている。そんな事情などどうでもいいと言うように,奴らはスウェンのことを馬鹿にした。
「あっはっは! おいみんな,聞いたかよ。こいつ,こんな汚いパンツを燃やすな,とかほざいてるぜ!?」
「穿くものがないからって,こんなモン使う気かよ。クソはしっこの固まりでも穿いてりゃいいだろ! ギャハハハ!」
爆笑された。
最悪だ。
スウェンは泣きたい気持ちを必死に抑え,顏を真っ赤にした。
「お願いだ……やめてくれ。困るよ!」
「あのなぁ,おれたちはテメェを泣かせるために来てやってんだぜ。テメェがそうやって困るほど,おれたちにとって快感になるんだ。
テメェはただの,玩具なんだよ。分かってんのか?」
スウェンはショックで何も言い返せなかった。マイケルたちの言うことは,あまりにも酷すぎる。
「おい誰か。マッチ持ってないか」
「あるぜ。こんなこともあろうかと思って,持ってきたんだ」
「よし,貸せ」
マイケルはスウェンの足元に唾を吐き,マッチを受け取った。
――このままでは,下着が燃やされてしまう!
スウェンは無我夢中でマイケルに飛び付こうとした。
しかし――ハサミを突きだしていたイジメッ子の一人が,いきなり髪の毛を引っ張ってきた。訳の分からないうちに,突然頭部に激痛を感じた。
――まるで大きなハサミでちょん切られているような痛さ。
スウェンはイジメッ子に,頭を地面に叩き付けられていた。
数秒も経たないうちに,ダラダラと血が流れてきた。地面に叩き付けられる度,あたりに血が飛び散る。
マイケルは笑いながら言った。
「おい,そのへんにしておけ。こいつを燃やすところを見せてやらないとな」
「はいはい。分かってますよ。ちょっと遊んだだけだ」
三人はげらげらと笑った。
イジメる者は,イジメを楽しんでいる。だがそれとは裏腹に,イジメられる者はとても辛い思いをする。
スウェンには分からなかった。
どうしてこんなことを,されなければならないのか。自分は本当に,マイケルたちの「玩具」として生きているのだろうか。
(もう嫌だ。神様,こいつらを殺して。殴られたり蹴られたり,物を壊されたりするのはもう嫌なんだ……)
もう立つ気力も,喋る気力も残っていない。
意識が朦朧としてきた。そんな中で,マイケルたちがスウェンの下着を燃やしている。スウェンの頬に,やがて冷たい涙がぽろりと流れた。
間もなくしてスウェンはゆっくりと目を閉じ,意識をなくした――。
「さぁて。今日は何をしてやろうか」
イジメッ子の一人がスウェンに近づき,胸元にハサミを差し向けてきた。その瞬間,スウェンの全身はかっと熱くなり,脇の下から汗がダラッと流れた。
胸元を見ることができない。
――こいつなら笑いながら,刺してくるかもしれない……
恐ろしいことしか考えられなかった。
切傷や骨折などの怪我はすぐに治るとしても,胸を刺されたりすればスウェンだって死ぬだろう。
もしも本当にこいつがスウェンを殺してしまえば,イジメッ子はただの犯罪者になるだけである。スウェンは歯を食い縛った。
「まあ待てよ」
と,偉そうにマイケルが言った。
「まずはこれを燃やすのが先だ」
すると奴は,落ちていたボロボロの下着をクシャッと踏みつける。
――そう,マイケルは下着を本気で燃やそうとしているのだ。
「や……やめろ! それを燃やしたら,ボクの穿くものがなくなっちゃう……!」
スウェンは焦った。彼の家には,いちいち新しい服や下着を買う金はない。
下着がボロボロにされても,どうにか直して使うしかないのだ。燃やされてしまったら,どうしようもなくなる。
マイケルたちは,スウェンの家が貧乏だということを知っている。そんな事情などどうでもいいと言うように,奴らはスウェンのことを馬鹿にした。
「あっはっは! おいみんな,聞いたかよ。こいつ,こんな汚いパンツを燃やすな,とかほざいてるぜ!?」
「穿くものがないからって,こんなモン使う気かよ。クソはしっこの固まりでも穿いてりゃいいだろ! ギャハハハ!」
爆笑された。
最悪だ。
スウェンは泣きたい気持ちを必死に抑え,顏を真っ赤にした。
「お願いだ……やめてくれ。困るよ!」
「あのなぁ,おれたちはテメェを泣かせるために来てやってんだぜ。テメェがそうやって困るほど,おれたちにとって快感になるんだ。
テメェはただの,玩具なんだよ。分かってんのか?」
スウェンはショックで何も言い返せなかった。マイケルたちの言うことは,あまりにも酷すぎる。
「おい誰か。マッチ持ってないか」
「あるぜ。こんなこともあろうかと思って,持ってきたんだ」
「よし,貸せ」
マイケルはスウェンの足元に唾を吐き,マッチを受け取った。
――このままでは,下着が燃やされてしまう!
スウェンは無我夢中でマイケルに飛び付こうとした。
しかし――ハサミを突きだしていたイジメッ子の一人が,いきなり髪の毛を引っ張ってきた。訳の分からないうちに,突然頭部に激痛を感じた。
――まるで大きなハサミでちょん切られているような痛さ。
スウェンはイジメッ子に,頭を地面に叩き付けられていた。
数秒も経たないうちに,ダラダラと血が流れてきた。地面に叩き付けられる度,あたりに血が飛び散る。
マイケルは笑いながら言った。
「おい,そのへんにしておけ。こいつを燃やすところを見せてやらないとな」
「はいはい。分かってますよ。ちょっと遊んだだけだ」
三人はげらげらと笑った。
イジメる者は,イジメを楽しんでいる。だがそれとは裏腹に,イジメられる者はとても辛い思いをする。
スウェンには分からなかった。
どうしてこんなことを,されなければならないのか。自分は本当に,マイケルたちの「玩具」として生きているのだろうか。
(もう嫌だ。神様,こいつらを殺して。殴られたり蹴られたり,物を壊されたりするのはもう嫌なんだ……)
もう立つ気力も,喋る気力も残っていない。
意識が朦朧としてきた。そんな中で,マイケルたちがスウェンの下着を燃やしている。スウェンの頬に,やがて冷たい涙がぽろりと流れた。
間もなくしてスウェンはゆっくりと目を閉じ,意識をなくした――。
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