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第十一章 彼女のいる世界
197,兄と姉と妹と
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あまりにも自然に放たれたその言葉に、胸が更に熱くなる。
「レイはね、希望の光なんだよ」
妹はあたたかみのある笑みを浮かべて語り始めた。
「わたしは生まれる前にこっちに来ちゃったから、パパとママをすごく悲しませたの。ちゃんと生きられなかったから、二人のことを沢山泣かせちゃったんだ。何年経ってもパパとママは立ち直れなかったみたいでね、わたしすごく心配になったしごめんなさいっていつも謝ってた」
妹の瞳は、切なさの色で染められている。
「だけどレイと出会ってから、パパとママは本当に幸せそうに笑うようになった。二人が家族の時間を増やすようになったのを見てね、安心したんだよ。やっと……悲しみの沼から抜け出せたんだって」
この感覚は何だろう。話を聞いてるうちに、俺の心がキュッと掴まれるような不思議な感じがした。
「レイがいてくれたおかげで、家族は明るくなった。わたしが出来なかったことをレイが代わりにたくさんしてくれたから、パパもママも立ち直れた。だから、レイはわたしにとっても希望の子なんだよ。あの子が家族の形を作ってくれた。パパとママを救ってくれたの」
瞳を潤わせながらも、妹は柔らかい表情を崩さない。
そんな妹を見て、俺はそっと頭を撫でた。
「そうだな……そのとおりだよ。レイは皆に光を与えてくれるんだよな」
俺が優しくそう言うと──突然妹の顔から笑みが消える。唐突に俺の手を強い力で掴み取り、怪訝そうな表情を浮かべた。
「ちょっとお兄ちゃん」
「何?」
「やめてくれる?」
「……えっ」
妹は顔を真っ赤に染め、俺の手をさっと振り解く。
「もしわたしが生きていたら、今頃いい歳なんだよ! そんな妹の頭撫でる兄なんてマジキモいんですけど!」
「はあ? 何だ、そこまで言うか?」
頬を膨らませる妹を前に俺は少し引き気味でありながらも、ふと気づいた。
──ああ、そうか。これが兄妹ってやつか。
俺は今までレイの義理の兄として過ごしてきたが、兄妹らしくないことばかりしてきた。だから、本来妹にどう接していいのかなんて知る由もなく、いつもの癖で頭を優しく撫でてしまった。
冷静に考えれば普通の兄妹はこういうことをしないのかもしれない。妹の言うとおり、俺の浅はかな行動はちょっとキモいと言える。
自分の言動を振り返ると、俺はおかしくなってしまい笑いが止まらなくなった。
「……お兄ちゃん、何笑ってるの?」
「はは……。いや、別に。リミィの言ってること、間違ってないなぁと思ってな」
しばらく笑いが止まらない俺のことを、妹は目を点にしながらじっと眺める。
落ち着いてから、俺は静かに口を開いた。
「ありがとう、リミィ。兄妹ってこういうものなのかって思ったら楽しかったよ」
「……うん、そう?」
どこかはにかみながら、妹はこくりと頷く。
「俺たちは生まれた瞬間から別々の世界にいるけど──リミィはいつまでも俺の大事な妹だからな」
「え……? お兄ちゃん。何言うの、急に……」
「感謝してるんだぜ。弱っていた俺を助けに来てくれたんだよな。良い妹に見守られて幸せ者だ」
「そんなの、お兄ちゃんの為だけじゃないもん。レイに悲しい想いさせたくなかっただけ」
目をわざと逸しながらも、妹の口調は優しさで溢れていた。
俺は足下に置かれた冷たい箱の中をもう一度見つめた。赤子のレイの泣き声は先程よりも明らかに弱ってしまっている。
眉を八の字にしながら妹は言うんだ。
「もうすぐレイの声が聞こえなくなっちゃう。お兄ちゃん、急いで……」
焦る妹に、俺は大きく頷いた。
大丈夫、俺は彼女のいる世界に絶対に帰ってみせる。どんなに体が悲鳴を上げても、精神的にも肉体的にも大きなダメージを受けていても関係ない。
レイを抱き締めてあげたい。大切な贈りものもちゃんと渡すんだ。ダンスの練習もたくさんしなくちゃいけない。まだまだレイとやることがたくさんあるから。こんな所で悩んでいる場合じゃなかった。
赤子のレイを抱き上げる前に、俺はもう一度妹を──リミィの方を振り返る。
「戻るよ」
「……うん」
「リミィ。父さんと母さんによろしくな」
「お兄ちゃんもレイによろしく伝えておいてね」
「ああ、分かった」
リミィはもう一度だけ、俺に向かって微笑んでくれた。まるで天使みたいに明るくて、眩しい笑顔なんだ。
「もうこんな所まで迷い込んでこないでよ? もしまたこっちに来たら、本気で引っ叩くからねっ」
「ああ……そうしてくれ」
一瞬、沈黙が流れた。お互い寂しさと名残惜しさの気持ちが伝わってきたが、もう時間がない。
今にも呼吸が止まってしまいそうな赤子のレイにそっと触れる。氷のように体が冷たくなってしまっていた。そっと首を支え、もう片方の手でゆっくりと小さな身体を抱き上げた。
「帰り道、気をつけてね。レイの声をよく聞いて。聞こえなくなったら迷子になって、どっちの世界にも戻れなくなることがあるから」
「ああ、大丈夫だ。俺は、何があってもレイを見失わないよ」
迷わず俺がそう口にすると、リミィは大きく頷いてくれる。そして最後に透き通った声で言うんだ。
「お兄ちゃん、レイと幸せになってね……」
俺が返事をしようとした瞬間、辺りはあっという間に真っ白の世界に逆戻り。
目の前の風景もリミィの姿も消えていき、その場には俺と腕の中ですやすやと眠るレイだけが取り残された。
帰る場所を捜そう。赤子のレイがしんでしまう前に。
「レイ」
真っ白の世界で俺は声の限り叫んだ。
「レイ。帰り道を教えて。君はどこにいる? 俺の声が聞こえるなら、返事をしてくれ。レイ!」
「レイはね、希望の光なんだよ」
妹はあたたかみのある笑みを浮かべて語り始めた。
「わたしは生まれる前にこっちに来ちゃったから、パパとママをすごく悲しませたの。ちゃんと生きられなかったから、二人のことを沢山泣かせちゃったんだ。何年経ってもパパとママは立ち直れなかったみたいでね、わたしすごく心配になったしごめんなさいっていつも謝ってた」
妹の瞳は、切なさの色で染められている。
「だけどレイと出会ってから、パパとママは本当に幸せそうに笑うようになった。二人が家族の時間を増やすようになったのを見てね、安心したんだよ。やっと……悲しみの沼から抜け出せたんだって」
この感覚は何だろう。話を聞いてるうちに、俺の心がキュッと掴まれるような不思議な感じがした。
「レイがいてくれたおかげで、家族は明るくなった。わたしが出来なかったことをレイが代わりにたくさんしてくれたから、パパもママも立ち直れた。だから、レイはわたしにとっても希望の子なんだよ。あの子が家族の形を作ってくれた。パパとママを救ってくれたの」
瞳を潤わせながらも、妹は柔らかい表情を崩さない。
そんな妹を見て、俺はそっと頭を撫でた。
「そうだな……そのとおりだよ。レイは皆に光を与えてくれるんだよな」
俺が優しくそう言うと──突然妹の顔から笑みが消える。唐突に俺の手を強い力で掴み取り、怪訝そうな表情を浮かべた。
「ちょっとお兄ちゃん」
「何?」
「やめてくれる?」
「……えっ」
妹は顔を真っ赤に染め、俺の手をさっと振り解く。
「もしわたしが生きていたら、今頃いい歳なんだよ! そんな妹の頭撫でる兄なんてマジキモいんですけど!」
「はあ? 何だ、そこまで言うか?」
頬を膨らませる妹を前に俺は少し引き気味でありながらも、ふと気づいた。
──ああ、そうか。これが兄妹ってやつか。
俺は今までレイの義理の兄として過ごしてきたが、兄妹らしくないことばかりしてきた。だから、本来妹にどう接していいのかなんて知る由もなく、いつもの癖で頭を優しく撫でてしまった。
冷静に考えれば普通の兄妹はこういうことをしないのかもしれない。妹の言うとおり、俺の浅はかな行動はちょっとキモいと言える。
自分の言動を振り返ると、俺はおかしくなってしまい笑いが止まらなくなった。
「……お兄ちゃん、何笑ってるの?」
「はは……。いや、別に。リミィの言ってること、間違ってないなぁと思ってな」
しばらく笑いが止まらない俺のことを、妹は目を点にしながらじっと眺める。
落ち着いてから、俺は静かに口を開いた。
「ありがとう、リミィ。兄妹ってこういうものなのかって思ったら楽しかったよ」
「……うん、そう?」
どこかはにかみながら、妹はこくりと頷く。
「俺たちは生まれた瞬間から別々の世界にいるけど──リミィはいつまでも俺の大事な妹だからな」
「え……? お兄ちゃん。何言うの、急に……」
「感謝してるんだぜ。弱っていた俺を助けに来てくれたんだよな。良い妹に見守られて幸せ者だ」
「そんなの、お兄ちゃんの為だけじゃないもん。レイに悲しい想いさせたくなかっただけ」
目をわざと逸しながらも、妹の口調は優しさで溢れていた。
俺は足下に置かれた冷たい箱の中をもう一度見つめた。赤子のレイの泣き声は先程よりも明らかに弱ってしまっている。
眉を八の字にしながら妹は言うんだ。
「もうすぐレイの声が聞こえなくなっちゃう。お兄ちゃん、急いで……」
焦る妹に、俺は大きく頷いた。
大丈夫、俺は彼女のいる世界に絶対に帰ってみせる。どんなに体が悲鳴を上げても、精神的にも肉体的にも大きなダメージを受けていても関係ない。
レイを抱き締めてあげたい。大切な贈りものもちゃんと渡すんだ。ダンスの練習もたくさんしなくちゃいけない。まだまだレイとやることがたくさんあるから。こんな所で悩んでいる場合じゃなかった。
赤子のレイを抱き上げる前に、俺はもう一度妹を──リミィの方を振り返る。
「戻るよ」
「……うん」
「リミィ。父さんと母さんによろしくな」
「お兄ちゃんもレイによろしく伝えておいてね」
「ああ、分かった」
リミィはもう一度だけ、俺に向かって微笑んでくれた。まるで天使みたいに明るくて、眩しい笑顔なんだ。
「もうこんな所まで迷い込んでこないでよ? もしまたこっちに来たら、本気で引っ叩くからねっ」
「ああ……そうしてくれ」
一瞬、沈黙が流れた。お互い寂しさと名残惜しさの気持ちが伝わってきたが、もう時間がない。
今にも呼吸が止まってしまいそうな赤子のレイにそっと触れる。氷のように体が冷たくなってしまっていた。そっと首を支え、もう片方の手でゆっくりと小さな身体を抱き上げた。
「帰り道、気をつけてね。レイの声をよく聞いて。聞こえなくなったら迷子になって、どっちの世界にも戻れなくなることがあるから」
「ああ、大丈夫だ。俺は、何があってもレイを見失わないよ」
迷わず俺がそう口にすると、リミィは大きく頷いてくれる。そして最後に透き通った声で言うんだ。
「お兄ちゃん、レイと幸せになってね……」
俺が返事をしようとした瞬間、辺りはあっという間に真っ白の世界に逆戻り。
目の前の風景もリミィの姿も消えていき、その場には俺と腕の中ですやすやと眠るレイだけが取り残された。
帰る場所を捜そう。赤子のレイがしんでしまう前に。
「レイ」
真っ白の世界で俺は声の限り叫んだ。
「レイ。帰り道を教えて。君はどこにいる? 俺の声が聞こえるなら、返事をしてくれ。レイ!」
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