60 / 205
第二章 特別な花
60,亡き家族を想う気持ち
しおりを挟む
※
次の休日。ヒルスはいつものように家に泊まりにきた。
私は仕事で忙しい母の代わりに、朝から掃除や洗濯などの家事をこなしていく。ガーデンに咲く『サルビア』に水やりをするのも大事な仕事。
私が花たちのお世話をする横で、ヒルスも一緒に水やりを手伝ってくれた。
始めはお互い花の世話に夢中だったから無言でいたけれど、以前母から聞いた話を思い出し、私は口を開いた。
「ねえ、ヒルス知ってる? 『サルビア』はね、本当はこの寒い時期には咲かない花なんだよ」
「そうなのか?」
「うん。それなのに、お母さんが育てる『サルビア』は季節に関係なくいつも咲いてる。不思議だよね。だから私、お母さんに訊いてみたんだよ。どうしてこの家の『サルビア』たちは年中咲き続けているのか。そしたらお母さんってば、愛情込めて育てているからよ、なんて言うの。全然答えになってないよね」
「いや、母さんらしいな。『サルビア』の花言葉は【家族愛】だから間違っていないのかもな」
「へぇ、そうなんだ? 花言葉なんて、よく知ってるね」
「前に母さんから教えてもらったんだ」
「……だから、お母さんは『サルビア』を大切にしているんだね」
「えっ?」
「このお花、天国で暮らすもう一人の家族のために育てているんでしょう?」
「……レイ」
「この前、お母さんとお父さんに聞いたよ。私が生まれるずっと前に、お母さんたちにはもう一人子供がいたってこと。──ヒルスの、妹だよね」
「そうだな。俺がまだ二歳前のことだったから、覚えてはいないけど」
──ねえ、ヒルス。私、彼女のお墓参りに行ってみたい。グリマルディ家の大切な家族のお墓参りに。お父さんとお母さんの大切な娘で、ヒルスの妹ってことは……私のお姉ちゃん、だよね?
そんな風に訊いてみたの。そしたらヒルスは、またいつものように穏やかな顔で頷いてくれた。
「この前のお礼、それでいいのか?」
「うん、連れていって」
家事を一通り終えてから、私たちは出かける準備をした。ヒルスは『サルビア』の花束を大切に抱え、バイクを用意する。
彼の運転するバイクに跨がり、彼女のお墓を目指した。
亡き家族のお墓は、家からそう遠くない場所にあった。森林公園の裏側に到着すると、そこに霊園があり幻想的な空間が広がっていた。
入り口から奥へ奥へと道が果てしないほどに繋がっていき、柳の木々が並び佇む。その両奥サイドには、たくさんの墓石が静かに並んでいた。
先日の雪で、まだ白い世界が広がっている。雪化粧をした木々を太陽の光が美しく輝かせていて、本当に心地の良い場所なの。
「この先にあるんだ。おいで」
幻想的に光る木々の間をかき分け、ヒルスはさりげなく私の手を引いてくれた。大きな手に包まれて、私の胸の奥がぐんと熱くなってしまう。何も言わずに自分の気持ちを隠しながら、けれども彼の手をしっかり握り返して道を進んで行った。
お墓に到着する前、一組の老夫婦が前方から歩いてきた。杖をついて歩くお爺さんを片手で支えながら、お婆さんは優しい笑みを浮かべている。二人の手には色とりどりの花束が握られていたんだけど、私たちの横を通りすぎる手前でお婆さんの手から一輪落ちてしまう。二人とも気づく様子がなかった。
「落ちましたよ」
ヒルスは一輪の黄色い花を拾い、お婆さんにそっと手渡す。
「おや、ありがとうねぇ」
皺が刻まれた優しい笑顔で、二人はゆっくりと頭を下げる。
「お墓参りに来たのかい?」
「はい。……家族の墓参りです」
「そうかい。わたしらも、天に召された子供の墓参りに来てねぇ。もう半世紀も前に事故で亡くなったけど未だに毎年来ているんだよ」
「……そうなんですね」
お婆さんのその言葉に、私は複雑な気持ちになってしまう。
「ばあさん、そんな重い話をしたらこの人たちを困らせちまうよ」
「でもねぇ、おじいさん。大切な人を想う気持ちは、誰にでも共通してありますから」
お婆さんは頬に笑いの皺を刻む。そして、ゆったりとした口調でこんなことを問いかけてきた。
「居なくなった家族がもし生きていたら、と考えたことがあるかい?」
「えっ」
この質問に、私の胸がドクンと音を立てた。
──もしも、もう一人の家族が、生きていたら。父と母の娘が元気に生きていたら。きっと私はここにはいない。別の家庭に引き取られていたのかもしれないし、今も孤児として生きていたのかもしれない。父と母と、そしてヒルスとも、出会っていなかったかもしれないよね。
悲しい出来事が過去にあったから、私は今ここにいられるのだと思う。でもそれって……天国にいる彼女にとっては、辛いことなのかも。血の繋がらない私が、グリマルディ家の娘として生活しているなんて……。
そんなことを考えてしまった。
「わたしらは何度だってあるよ。あの子が生きていたら今頃どういう風に育って、どんな生活をしていただろうってね」
「……はい」
声が勝手に暗くなってしまった。
「でもね、どんなに想っていても、一度天国にいってしまった人はこっちに戻ってくることはないからねぇ。今ある幸せを大切にしなさいね。だけど決して、居なくなった家族のことも忘れずに」
「……そうですね」
ヒルスはお婆さんの話に静かに頷いた。
そんな彼の手を私はしっかり握り締める。放さないように、離れないように、何かをたしかめるように。
「お嬢さんも今の幸せに感謝して、家族の分まで生きるんだよ」
「はい、ありがとう……お婆さん」
私は穏やかな表情を保って頷いた。
それから老夫婦は、二人並んで再び歩きだす。私は彼と一緒にしばらく黙って、その後ろ姿を見送った。
今ある幸せを大切に、か。私なんかがこの幸せを噛み締めてもいいのかな。
「……レイ」
私があれこれ考えていると、ヒルスが心配そうに顔を覗いてきた。ハッと我に返って彼を見上げると、ヒルスがいつもの優しい声で私を促した。
「行こうか」
「うん、そうだね……」
彼はもう一度私の手を引いて歩みを進める。このとき、自分の指先が先程よりも冷たくなっているような気がした。
次の休日。ヒルスはいつものように家に泊まりにきた。
私は仕事で忙しい母の代わりに、朝から掃除や洗濯などの家事をこなしていく。ガーデンに咲く『サルビア』に水やりをするのも大事な仕事。
私が花たちのお世話をする横で、ヒルスも一緒に水やりを手伝ってくれた。
始めはお互い花の世話に夢中だったから無言でいたけれど、以前母から聞いた話を思い出し、私は口を開いた。
「ねえ、ヒルス知ってる? 『サルビア』はね、本当はこの寒い時期には咲かない花なんだよ」
「そうなのか?」
「うん。それなのに、お母さんが育てる『サルビア』は季節に関係なくいつも咲いてる。不思議だよね。だから私、お母さんに訊いてみたんだよ。どうしてこの家の『サルビア』たちは年中咲き続けているのか。そしたらお母さんってば、愛情込めて育てているからよ、なんて言うの。全然答えになってないよね」
「いや、母さんらしいな。『サルビア』の花言葉は【家族愛】だから間違っていないのかもな」
「へぇ、そうなんだ? 花言葉なんて、よく知ってるね」
「前に母さんから教えてもらったんだ」
「……だから、お母さんは『サルビア』を大切にしているんだね」
「えっ?」
「このお花、天国で暮らすもう一人の家族のために育てているんでしょう?」
「……レイ」
「この前、お母さんとお父さんに聞いたよ。私が生まれるずっと前に、お母さんたちにはもう一人子供がいたってこと。──ヒルスの、妹だよね」
「そうだな。俺がまだ二歳前のことだったから、覚えてはいないけど」
──ねえ、ヒルス。私、彼女のお墓参りに行ってみたい。グリマルディ家の大切な家族のお墓参りに。お父さんとお母さんの大切な娘で、ヒルスの妹ってことは……私のお姉ちゃん、だよね?
そんな風に訊いてみたの。そしたらヒルスは、またいつものように穏やかな顔で頷いてくれた。
「この前のお礼、それでいいのか?」
「うん、連れていって」
家事を一通り終えてから、私たちは出かける準備をした。ヒルスは『サルビア』の花束を大切に抱え、バイクを用意する。
彼の運転するバイクに跨がり、彼女のお墓を目指した。
亡き家族のお墓は、家からそう遠くない場所にあった。森林公園の裏側に到着すると、そこに霊園があり幻想的な空間が広がっていた。
入り口から奥へ奥へと道が果てしないほどに繋がっていき、柳の木々が並び佇む。その両奥サイドには、たくさんの墓石が静かに並んでいた。
先日の雪で、まだ白い世界が広がっている。雪化粧をした木々を太陽の光が美しく輝かせていて、本当に心地の良い場所なの。
「この先にあるんだ。おいで」
幻想的に光る木々の間をかき分け、ヒルスはさりげなく私の手を引いてくれた。大きな手に包まれて、私の胸の奥がぐんと熱くなってしまう。何も言わずに自分の気持ちを隠しながら、けれども彼の手をしっかり握り返して道を進んで行った。
お墓に到着する前、一組の老夫婦が前方から歩いてきた。杖をついて歩くお爺さんを片手で支えながら、お婆さんは優しい笑みを浮かべている。二人の手には色とりどりの花束が握られていたんだけど、私たちの横を通りすぎる手前でお婆さんの手から一輪落ちてしまう。二人とも気づく様子がなかった。
「落ちましたよ」
ヒルスは一輪の黄色い花を拾い、お婆さんにそっと手渡す。
「おや、ありがとうねぇ」
皺が刻まれた優しい笑顔で、二人はゆっくりと頭を下げる。
「お墓参りに来たのかい?」
「はい。……家族の墓参りです」
「そうかい。わたしらも、天に召された子供の墓参りに来てねぇ。もう半世紀も前に事故で亡くなったけど未だに毎年来ているんだよ」
「……そうなんですね」
お婆さんのその言葉に、私は複雑な気持ちになってしまう。
「ばあさん、そんな重い話をしたらこの人たちを困らせちまうよ」
「でもねぇ、おじいさん。大切な人を想う気持ちは、誰にでも共通してありますから」
お婆さんは頬に笑いの皺を刻む。そして、ゆったりとした口調でこんなことを問いかけてきた。
「居なくなった家族がもし生きていたら、と考えたことがあるかい?」
「えっ」
この質問に、私の胸がドクンと音を立てた。
──もしも、もう一人の家族が、生きていたら。父と母の娘が元気に生きていたら。きっと私はここにはいない。別の家庭に引き取られていたのかもしれないし、今も孤児として生きていたのかもしれない。父と母と、そしてヒルスとも、出会っていなかったかもしれないよね。
悲しい出来事が過去にあったから、私は今ここにいられるのだと思う。でもそれって……天国にいる彼女にとっては、辛いことなのかも。血の繋がらない私が、グリマルディ家の娘として生活しているなんて……。
そんなことを考えてしまった。
「わたしらは何度だってあるよ。あの子が生きていたら今頃どういう風に育って、どんな生活をしていただろうってね」
「……はい」
声が勝手に暗くなってしまった。
「でもね、どんなに想っていても、一度天国にいってしまった人はこっちに戻ってくることはないからねぇ。今ある幸せを大切にしなさいね。だけど決して、居なくなった家族のことも忘れずに」
「……そうですね」
ヒルスはお婆さんの話に静かに頷いた。
そんな彼の手を私はしっかり握り締める。放さないように、離れないように、何かをたしかめるように。
「お嬢さんも今の幸せに感謝して、家族の分まで生きるんだよ」
「はい、ありがとう……お婆さん」
私は穏やかな表情を保って頷いた。
それから老夫婦は、二人並んで再び歩きだす。私は彼と一緒にしばらく黙って、その後ろ姿を見送った。
今ある幸せを大切に、か。私なんかがこの幸せを噛み締めてもいいのかな。
「……レイ」
私があれこれ考えていると、ヒルスが心配そうに顔を覗いてきた。ハッと我に返って彼を見上げると、ヒルスがいつもの優しい声で私を促した。
「行こうか」
「うん、そうだね……」
彼はもう一度私の手を引いて歩みを進める。このとき、自分の指先が先程よりも冷たくなっているような気がした。
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
【完結】炎の戦史 ~氷の少女と失われた記憶~
朱村びすりん
ファンタジー
~あらすじ~
炎の力を使える青年、リ・リュウキは記憶を失っていた。
見知らぬ山を歩いていると、人ひとり分ほどの大きな氷を発見する。その中には──なんと少女が悲しそうな顔をして凍りついていたのだ。
美しい少女に、リュウキは心を奪われそうになる。
炎の力をリュウキが放出し、氷の封印が解かれると、驚くことに彼女はまだ生きていた。
謎の少女は、どういうわけか、ハクという化け物の白虎と共生していた。
なぜ氷になっていたのかリュウキが問うと、彼女も記憶がなく分からないのだという。しかし名は覚えていて、彼女はソン・ヤエと名乗った。そして唯一、闇の記憶だけは残っており、彼女は好きでもない男に毎夜乱暴されたことによって負った心の傷が刻まれているのだという。
記憶の一部が失われている共通点があるとして、リュウキはヤエたちと共に過去を取り戻すため行動を共にしようと申し出る。
最初は戸惑っていたようだが、ヤエは渋々承諾。それから一行は山を下るために歩き始めた。
だがこの時である。突然、ハクの姿がなくなってしまったのだ。大切な友の姿が見当たらず、ヤエが取り乱していると──二人の前に謎の男が現れた。
男はどういうわけか何かの事情を知っているようで、二人にこう言い残す。
「ハクに会いたいのならば、満月の夜までに西国最西端にある『シュキ城』へ向かえ」
「記憶を取り戻すためには、意識の奥底に現れる『幻想世界』で真実を見つけ出せ」
男の言葉に半信半疑だったリュウキとヤエだが、二人にはなんの手がかりもない。
言われたとおり、シュキ城を目指すことにした。
しかし西の最西端は、化け物を生み出すとされる『幻草』が大量に栽培される土地でもあった……。
化け物や山賊が各地を荒らし、北・東・西の三ヶ国が争っている乱世の時代。
この世に平和は訪れるのだろうか。
二人は過去の記憶を取り戻すことができるのだろうか。
特異能力を持つ彼らの戦いと愛情の物語を描いた、古代中国風ファンタジー。
★2023年1月5日エブリスタ様の「東洋風ファンタジー」特集に掲載されました。ありがとうございます(人´∀`)♪
☆special thanks☆
表紙イラスト・ベアしゅう様
77話挿絵・テン様
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
【完結】君と国境を越えて
朱村びすりん
ライト文芸
イギリス人の両親を持つ高校一年生のイヴァン・ファーマーは、生まれは日本、育ちも日本、習慣や言語、そして心さえも「日本人」として生きてきた。
だがイヴァンは、見た目や国籍によって周囲の人々に「勘違い」をされてしまうことが多々ある。
自らの人種と心のギャップに幼い頃から疑問を持ち続けていた。
そんなある日、イヴァンの悩みを理解してくれる人物が現れた。
彼が働くバイト先のマニーカフェに、お客さんとして来店してきた玉木サエ。
イヴァンが悩みを打ち明けると、何事にも冷静沈着な彼女は淡々とこう答えるのだ。
「あなたはどこにでもいる普通の男子高校生よ」
イヴァンにとって初めて、出会ったときから自分を「自分」として認めてくれる相手だった。進路についても、深く話を聞いてくれる彼女にイヴァンは心を救われる。
だが彼女の後ろ姿は、いつも切なさや寂しさが醸し出されている。
彼女は他人には言えない、悩みを抱えているようで……
自身のアイデンティティに悩む少年少女の苦悩や迷い、その中で芽生える特別な想いを描いたヒューマンストーリー。
◆素敵な表紙絵はみつ葉さま(@mitsuba0605 )に依頼して描いていただきました!
消えない思い
樹木緑
BL
オメガバース:僕には忘れられない夏がある。彼が好きだった。ただ、ただ、彼が好きだった。
高校3年生 矢野浩二 α
高校3年生 佐々木裕也 α
高校1年生 赤城要 Ω
赤城要は運命の番である両親に憧れ、両親が出会った高校に入学します。
自分も両親の様に運命の番が欲しいと思っています。
そして高校の入学式で出会った矢野浩二に、淡い感情を抱き始めるようになります。
でもあるきっかけを基に、佐々木裕也と出会います。
彼こそが要の探し続けた運命の番だったのです。
そして3人の運命が絡み合って、それぞれが、それぞれの選択をしていくと言うお話です。
マンドラゴラの王様
ミドリ
キャラ文芸
覇気のない若者、秋野美空(23)は、人付き合いが苦手。
再婚した母が出ていった実家(ど田舎)でひとり暮らしをしていた。
そんなある日、裏山を散策中に見慣れぬ植物を踏んづけてしまい、葉をめくるとそこにあったのは人間の頭。驚いた美空だったが、どうやらそれが人間ではなく根っこで出来た植物だと気付き、観察日記をつけることに。
日々成長していく植物は、やがてエキゾチックな若い男性に育っていく。無垢な子供の様な彼を庇護しようと、日々奮闘する美空。
とうとう地面から解放された彼と共に暮らし始めた美空に、事件が次々と襲いかかる。
何故彼はこの場所に生えてきたのか。
何故美空はこの場所から離れたくないのか。
この地に古くから伝わる伝承と、海外から尋ねてきた怪しげな祈祷師ウドさんと関わることで、次第に全ての謎が解き明かされていく。
完結済作品です。
気弱だった美空が段々と成長していく姿を是非応援していただければと思います。
【コミカライズ決定】魔力ゼロの子爵令嬢は王太子殿下のキス係
ayame@コミカライズ決定
恋愛
【ネトコン12受賞&コミカライズ決定です!】私、ユーファミア・リブレは、魔力が溢れるこの世界で、子爵家という貴族の一員でありながら魔力を持たずに生まれた。平民でも貴族でも、程度の差はあれど、誰もが有しているはずの魔力がゼロ。けれど優しい両親と歳の離れた後継ぎの弟に囲まれ、贅沢ではないものの、それなりに幸せな暮らしを送っていた。そんなささやかな生活も、12歳のとき父が災害に巻き込まれて亡くなったことで一変する。領地を復興させるにも先立つものがなく、没落を覚悟したそのとき、王家から思わぬ打診を受けた。高すぎる魔力のせいで身体に異常をきたしているカーティス王太子殿下の治療に協力してほしいというものだ。魔力ゼロの自分は役立たずでこのまま穀潰し生活を送るか修道院にでも入るしかない立場。家族と領民を守れるならと申し出を受け、王宮に伺候した私。そして告げられた仕事内容は、カーティス王太子殿下の体内で暴走する魔力をキスを通して吸収する役目だったーーー。_______________
あまやかしても、いいですか?
藤川巴/智江千佳子
恋愛
結婚相手は会社の王子様。
「俺ね、ダメなんだ」
「あーもう、キスしたい」
「それこそだめです」
甘々(しすぎる)男子×冷静(に見えるだけ)女子の
契約結婚生活とはこれいかに。
幸せの見つけ方〜幼馴染は御曹司〜
葉月 まい
恋愛
近すぎて遠い存在
一緒にいるのに 言えない言葉
すれ違い、通り過ぎる二人の想いは
いつか重なるのだろうか…
心に秘めた想いを
いつか伝えてもいいのだろうか…
遠回りする幼馴染二人の恋の行方は?
幼い頃からいつも一緒にいた
幼馴染の朱里と瑛。
瑛は自分の辛い境遇に巻き込むまいと、
朱里を遠ざけようとする。
そうとは知らず、朱里は寂しさを抱えて…
・*:.。. ♡ 登場人物 ♡.。.:*・
栗田 朱里(21歳)… 大学生
桐生 瑛(21歳)… 大学生
桐生ホールディングス 御曹司
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる