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求婚②
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(俺が、優の一生をかけてでも守りたい人……)
正直、悪くない。
俺は、左手の薬指にはまった指輪を見つめながらーー思わずにやけてしまいそうな己の表情を必死に元に戻そうとする。
が、そんな俺を、優がそっと隣から抱き締めて来た。
「土方さん……。愛してる。あなたが好きだよ」
「……優……」
こんな時にーーこんな指輪を渡してから告白してくるなんてズルい男だ。
そんなことをされたら、離れられなくなってしまうではないかーー。
俺は、そんな思いを込めて、ほんの少しだけ恨みがましい瞳で優を見上げる。
と、優はそんな俺の額に唇を落とすと、真剣な表情を向けて来た。
「さっき……あの家で、土方さんが銃口を突きつけられた時……凄く怖かったんだ。あなたを……あなたまで、失ってしまうんじゃないか、って。本当に……凄く、怖かった」
震える声でそう告げながら、俺を抱きしめる腕に力を込めてくる優。
俺は、そんな優の背中にそっと両腕を伸ばすと、優しく包み込む様に彼を抱き締めた。
「……お前は本当にバカだなぁ。約束したろ?お前を残して逝ったりしない、って。お前がちゃんと生きたいと思える時まで……いや……生きたいと思える様になっても、ずっと側にいるよ」
俺は優に万感の思いを込めてそう告げると、一瞬優から体を離すやーー初めて自分から、そっと彼に口付けをした。
正直、悪くない。
俺は、左手の薬指にはまった指輪を見つめながらーー思わずにやけてしまいそうな己の表情を必死に元に戻そうとする。
が、そんな俺を、優がそっと隣から抱き締めて来た。
「土方さん……。愛してる。あなたが好きだよ」
「……優……」
こんな時にーーこんな指輪を渡してから告白してくるなんてズルい男だ。
そんなことをされたら、離れられなくなってしまうではないかーー。
俺は、そんな思いを込めて、ほんの少しだけ恨みがましい瞳で優を見上げる。
と、優はそんな俺の額に唇を落とすと、真剣な表情を向けて来た。
「さっき……あの家で、土方さんが銃口を突きつけられた時……凄く怖かったんだ。あなたを……あなたまで、失ってしまうんじゃないか、って。本当に……凄く、怖かった」
震える声でそう告げながら、俺を抱きしめる腕に力を込めてくる優。
俺は、そんな優の背中にそっと両腕を伸ばすと、優しく包み込む様に彼を抱き締めた。
「……お前は本当にバカだなぁ。約束したろ?お前を残して逝ったりしない、って。お前がちゃんと生きたいと思える時まで……いや……生きたいと思える様になっても、ずっと側にいるよ」
俺は優に万感の思いを込めてそう告げると、一瞬優から体を離すやーー初めて自分から、そっと彼に口付けをした。
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