土方さんちの美味しいご飯〜鬼の副長はワンコ系イケメンの溺愛で甘くほだされる〜

天咲 琴葉

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伸るか反るか④

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俺は、優の手を握ったまま、覗き込む様にそっと彼の顔を見上げてみる。

そうして、彼にこう告げてみた。

「なぁ?……この箱の数字、お前の誕生日とかだったりしないか?」

「えっ……?」

俺の言葉に、一瞬驚いた様に目を見張る優。

彼はその表情のまま、俺に「なぜ?」と、問いかけてきた。

そんな彼に視線を合わせたまま、俺は自分の考えを披露していく。

「コイツって性格が悪いんだろ?なら……お前が嫌がることを率先してやるんじゃねぇかと思ったんだ。お前が取り戻しに来ることも見越してな」

俺の言葉に、未だ合点がいっていないという様な表情を浮かべる優。

俺はそんな彼に、少しづつこの考えに至った経緯を説明していく。

「お前、超がつく程の真面目だろ?で、この女もそれは知ってる。そうすると……この女はこう考えるんじゃないかと思ったんだ。「彼はきっと形見を取り戻しに来る。そして、この箱を開ける時、自分が知らない数字を設定していると思うだろう」って」

優は俺の言葉に虚をつかれた様な表情を浮かべた。

俺は、そんな優の頬を人差し指でつんとつつきながら、ふっと笑ってみせる。

「お前、実際、自分が知らない様な数字だろうって死にそうな表情になってただろ?」
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