58 / 94
伸るか反るか
しおりを挟む
すると、俺と同じ様に屈み込んでベッドの下を覗いていた優が、俺に目を合わせるや静かに――しかし、大きく頷いてみせる。
どうやら、優も俺と同じことを思ったらしい。
(きっと、この中に形見の指輪とやらと虎徹がある)
すると、優が俺を手招きした。
そして、俺と優は作戦会議をする為、一旦部屋を離れる。
寝室からやや離れた客間に移動し、声を殺して優はあの箱がなんであるかを俺に説明してくれた。
「土方さん。あれは金庫と言って、中に大切な物を入れて保管しておく為の箱なんだ。錠と取っ手の様な物がついていただろう?錠を鍵を使って開けるだけじゃなく、取っ手を正しい数字に合わせて回さないと開かない様な仕組みになっているんだよ」
(な、なんてややこしい……)
が、そこまでするということはあそこに優の大切な品々が隠されているというのはもう決まりと思っていいだろう。
俺は、優から借りた竹刀を構えるとこう提案してみた。
「あの箱、これでぶち壊したらダメなのか?」
「普通に不可能だし、ダメだから。第一、そんなことをしたらかなり大きい音が出るし、それで由理恵達を起こしてしまうだろう」
確かに。俺としたことが。
目的のものが見つかった高揚感で、少し熱くなっていた様だ。
俺はほんの少しだけ、周りが見えなくなりつつあった自分を反省した。
どうやら、優も俺と同じことを思ったらしい。
(きっと、この中に形見の指輪とやらと虎徹がある)
すると、優が俺を手招きした。
そして、俺と優は作戦会議をする為、一旦部屋を離れる。
寝室からやや離れた客間に移動し、声を殺して優はあの箱がなんであるかを俺に説明してくれた。
「土方さん。あれは金庫と言って、中に大切な物を入れて保管しておく為の箱なんだ。錠と取っ手の様な物がついていただろう?錠を鍵を使って開けるだけじゃなく、取っ手を正しい数字に合わせて回さないと開かない様な仕組みになっているんだよ」
(な、なんてややこしい……)
が、そこまでするということはあそこに優の大切な品々が隠されているというのはもう決まりと思っていいだろう。
俺は、優から借りた竹刀を構えるとこう提案してみた。
「あの箱、これでぶち壊したらダメなのか?」
「普通に不可能だし、ダメだから。第一、そんなことをしたらかなり大きい音が出るし、それで由理恵達を起こしてしまうだろう」
確かに。俺としたことが。
目的のものが見つかった高揚感で、少し熱くなっていた様だ。
俺はほんの少しだけ、周りが見えなくなりつつあった自分を反省した。
10
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。


クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる