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大切なものを探して④

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(それでも、俺はコイツの宝物を……コイツに笑顔を取り戻させてやりたい)

例え、それで自分が隣にいなくなるとしても――。

俺はそう心に決めると、優に提案を試みる。

「なぁ、優?……寝室に行ってみないか?」

恐らく、優も薄々はその可能性に気づいていたのだろう。

重く俺の言葉に頷いてみせた。

「……そうだね。彼女の性格上、そこが一番可能性があるかもしれない」

だが、優としてはやはり、戦闘になってしまうことが心配なのだろう。

俺は彼に笑顔を向けると、出来るだけ明るくこう言ってみせた。

「大丈夫だって。これでも剣術の稽古は積んでたんだぜ?ちゃんと死なせない程度に手加減してやるよ」

けれど、俺の言葉にほんの少しだけ苛立った様に「そうじゃない」と告げる優。

次いで彼は、素早い動きで俺を抱き締めて来た。

「……何度も言ったけれど。私は誰より、大切なあなたに傷ついて欲しくないんだよ。本当は、戦って欲しくない位なんだ」

切なげな眼差しでそう告げると、そっと俺の額に優は唇を落としてくる。

そうして、その眼差しのまま、優は俺にこうも告げた。

「あなたに何かあったら、私、切腹するから」

ちょっと待て。なんでそうなる。

俺は真剣にそう語る優に、呆気に取られ――暫し呆然としてしまった。
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