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通い合う気持ち

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そんな優の表情を見た瞬間、

(コイツを、絶対に放って置く訳にはいかない……)

強くそう思う俺。

どんな手段でも良い、優をどうにか俺に――この世に、繋ぎ止めておかなくては。

本能で強く感じると同時に、俺の脳裏には、優と一緒に写真に写っていたあの女性の笑顔が過る。

恋人のいる男を寝盗ろうとするなんざ、はなはだ最低だ。

明らかに、俺が重んじて来た士道に背く行為である。

(此処が新選組だったら、俺は切腹ものだろう)

新選組の鉄の掟である局中法度きょくちゅうはっとは俺自身が定めたものであると同時に、士道を貫きながら生きて死んだ『俺達』の誓いだ。

(それを自ら破るだなんて)

あってはならない。

何故ならば俺は。

(土方歳三だから)
 
優が生きる理由だと言った――優が心の底から会いたいと願った、侍『土方歳三』なのだから。
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