13 / 94
新しい朝に④
しおりを挟む
が、宣言したは良いがこの家には食材がない。
俺は面倒くさそうな優を何とかどついて、食材を買いに行くことにした。
ちなみに、俺のこの服装ではこの時代には悪目立ちしてしまうということで、優の服を借りて着ることになった俺。
優はへらへらと笑いながら、
「土方さん、着るの手伝ってあげようか?」
などとぬかしていたが、俺は空いていた部屋の1つを勝手に借りると、そこで着替えることにした。
大きな布団の様なものが置かれた薄暗い部屋。
(ここは……アイツの寝室か?)
と、着替えながら、布団の様なものの隣にある洋風の座卓――その上に、何かが置いてあることに気づく。
薄く開いたカーテンの隙間――そこから差し込む光に照らされキラリと光るそれは、小さな銀色の輪だった。
その隣には、伏せられた薄い木の板もある。
「なんだ、こりゃぁ……?」
俺は何となく胸騒ぎの様なものを感じて、その薄い木の板を起こし、手に取ってみた。
すると、そこには、1枚の写真が貼られていた。
「これは……アイツか?」
――優と思しき男性が、今よりもっと幸せそうな笑顔で、女性と顔を寄せ合い写っている写真。
その写真に写る優の笑顔を見た瞬間、俺はほんの少しだけ胸がチクリと痛むのを感じていた。
(なんだ……。アイツ、人のことを好き好き言いやがって……。ちゃんと女がいるんじゃねぇか)
……別にアイツに何かを期待をしていた訳じゃ無い。
いや、そもそも俺には衆道の趣味はないのだが――。
なんとなく、胸の奥底で感じる痛み。
だが、俺にはその痛みの正体はわからず――いや、分かろうともせず。
再度、その板を元あった様に伏せると、手早く着替えを終え、部屋の外に出て行った。
俺は面倒くさそうな優を何とかどついて、食材を買いに行くことにした。
ちなみに、俺のこの服装ではこの時代には悪目立ちしてしまうということで、優の服を借りて着ることになった俺。
優はへらへらと笑いながら、
「土方さん、着るの手伝ってあげようか?」
などとぬかしていたが、俺は空いていた部屋の1つを勝手に借りると、そこで着替えることにした。
大きな布団の様なものが置かれた薄暗い部屋。
(ここは……アイツの寝室か?)
と、着替えながら、布団の様なものの隣にある洋風の座卓――その上に、何かが置いてあることに気づく。
薄く開いたカーテンの隙間――そこから差し込む光に照らされキラリと光るそれは、小さな銀色の輪だった。
その隣には、伏せられた薄い木の板もある。
「なんだ、こりゃぁ……?」
俺は何となく胸騒ぎの様なものを感じて、その薄い木の板を起こし、手に取ってみた。
すると、そこには、1枚の写真が貼られていた。
「これは……アイツか?」
――優と思しき男性が、今よりもっと幸せそうな笑顔で、女性と顔を寄せ合い写っている写真。
その写真に写る優の笑顔を見た瞬間、俺はほんの少しだけ胸がチクリと痛むのを感じていた。
(なんだ……。アイツ、人のことを好き好き言いやがって……。ちゃんと女がいるんじゃねぇか)
……別にアイツに何かを期待をしていた訳じゃ無い。
いや、そもそも俺には衆道の趣味はないのだが――。
なんとなく、胸の奥底で感じる痛み。
だが、俺にはその痛みの正体はわからず――いや、分かろうともせず。
再度、その板を元あった様に伏せると、手早く着替えを終え、部屋の外に出て行った。
10
お気に入りに追加
24
あなたにおすすめの小説

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。


ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる