私を返せ！〜親友に裏切られ、人生を奪われた私のどん底からの復讐物語〜

第一部 Side 永宮 真紀

2人だけの時間⑤

でもーー。

（ちゃんと言葉にしなくちゃわからないこともある）

ううん、わかっていても言葉にして欲しいこともある。

きっと今の剛志の気持ちはそうなのだ。

そうして、私もーー。

（もし、私が剛志の立場だったとしたら……。うん、やっぱり、ちゃんと言葉で伝えて欲しいって思うよね）

私はきっと、甘えていたいんだ。

剛志にーーこの関係に。

けれど、「こんなこと」になっている今、私はきっとちゃんとしないといけない。

こんな現状だからこそ、私はしっかり伝えなければ。

（顔も名前も偽物になってしまった今、この気持ちだけは「本物」だって伝えたい……！）

私はしっかりと剛志を見つめ、彼に真っ直ぐに向き合った。

そして、深く息を吸い、何度か深呼吸をすると、今までずっと胸に秘めていた言葉を紡ぎ出す。

「剛志。……私、ずっと前から剛志のことが好きだった」

私の言葉に、とても嬉しそうに微笑む剛志。

私はそんな彼を見つめたまま、自分の思いの丈を伝えていく。

「名前が変わって……顔や全てが変わっても、私のこの気持ちだけは変わらない。私、剛志が好き……！誰よりも好き！ずっとずっと前から、剛志が好きだったの！」

いつの間にか、自然と溢れ出していた涙と共に、長年の彼への熱い思いを吐き出す私。

そんな私をーー剛志は優しく抱き締めてくれた。