私を返せ!〜親友に裏切られ、人生を奪われた私のどん底からの復讐物語〜

天咲 琴葉

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第一部 Side 永宮 真紀

2人だけの時間④

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私は唇をぎゅっと噛み締めたまま、ただひたすらに俯いていた。 

と、そんな私の頭にーー剛志が再度、そっと手を乗せて来る。

そうして、下から私の顔を覗き込む様にしながら、こう問いかけて来た。

「……もしかして、俺に見捨てられるって思った?」

「っ……?!な、んで……?!」

(何で、私の考えてることがわかったの……?!)

私は驚きと共に彼を見つめる。

すると、剛志はにっと悪戯っぽく笑ってみせた。

「お前の考えてることなんてお見通しなんだよ。……それにさ?多分……俺もお前と同じ気持ちだから」

「えっ……?!」

(同じ、気持ち……?)

ーー剛志が?私と?

(もしかして、それは……)

私ははやる気持ちを抑えながら、彼を見つめる。

そうして、ドキドキする心臓で押し潰されてしまいそうになりながら、言葉を絞り出した。

「同じ、気持ちって……剛志……それって……もしかして……?」

すると、私の言葉に剛志が大きく頷いてみせる。

「ああ。俺もさ、お前が好きだよ。真紀。……だから、お前の気持ちも……ちゃんとお前の言葉で、聞かせてくれねぇ?確かめたいんだ。……良いだろ?」

「っ……!」

剛志の言葉に、私は息を呑む。

(私の、言葉で……)

ーー思えば、私と剛志は昔から一緒にいるのが当たり前で……だからこそ、気持ちを言葉にすることが減っていたのかもしれない。

いや、言葉にしなくても伝わる私達だったから……言葉にする必要がないと勝手に私は思ってしまっていたのだ。
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