私を返せ！〜親友に裏切られ、人生を奪われた私のどん底からの復讐物語〜

第一部 Side 永宮 真紀

一筋の光

それからがむしゃらにーーひたすらに、寝る間も惜しんで働いた私。

私は、昼も夜も、出来うる限り時給の高い仕事を探し、必死に人生を取り返すための資金を貯金する。

そうして、私が働き始めてから数ヶ月経った頃。

私は、アメリカから来ている同僚から、「とある2つの技術」についての話を聞く。

瞬間、私の脳をまるで雷に打たれたかの様な衝撃が駆け巡った。

（この技術さえあれば……私は、人生を取り戻せるかもしれない……！）

ーーそして、私から名前も顔も全てを奪った憎い風香に復讐が出来るかもしれない。

私は、退勤時にその同僚から資料を貰うと、それを抱えて勇んで家に帰宅した。

「剛志！お兄さん！お母さん！聞いて欲しいことがあるの！」

そう告げるが早いか、資料を家族達に見せ、その2つの技術について説明をする私。

すると、家族達は驚いた様な表情をするが、しかし話が進むに連れ、皆大きく頷き出して来る。

「成る程。確かに、この技術があれば、使い方によってはお前は自分の人生を取り戻せるかもしれないな」

腕を組み、頷きながらそう語る剛志。

だが、母や兄はとても心配そうだった。

「でも、これは……アメリカまで行かないと、本場の技術を学べないのでしょう？」

不安げにそう話す母に、私は大きくーーはっきりと頷いてみせる。

「ええ。確実に。本場は向こうみたいだから。ちゃんと極めて自分のモノにしたいなら、アメリカに留学をする必要があるわ」