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第一部 Side 永宮 真紀
私のお母さん
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「私、の、お母さん……」
「ええ、そうよ。真紀ちゃんのお母さんになりたいの。許してくれる……?」
優しく、柔らかくそう問いかけてくる剛志のお母さん。
色々思うことはあるけれど……それでも私は、剛志のお母さんの言葉におずおずと頷いてみせた。
「……ありがとう。お母、さん」
(ああ……思えば、「お母さん」って言ったのは……言えたのは、何日ぶりだろう……)
以前は毎日の様に口にしていたし、それが普通の言葉だったのにーー。
あの一件で風香に家族はおろか人生を丸ごと奪われてから、「お母さん」なんて言ったことなかった気がする。
「……お母、さん……お母さん……」
その言葉が本来持つ温かみを……今まで止まっていた時を取り戻す様に、何度もそう口に出してみる私。
「……おかあ、さん……」
そう口に出すたび、私の瞳からは涙が溢れーーいつのまにか止まらなくなっていた。
(きっと、私は……ずっと、「お母さん」って言いたかったんだ……)
ーー本当は、お母さんに甘えて……抱き締めて、守って欲しかったんだ。
そう気づいた瞬間、私は大きな声を上げ、泣きじゃくっていた。
(……泣くのは、あの時で最後にしようって決めたのに……。ダメだなぁ、私……)
「ええ、そうよ。真紀ちゃんのお母さんになりたいの。許してくれる……?」
優しく、柔らかくそう問いかけてくる剛志のお母さん。
色々思うことはあるけれど……それでも私は、剛志のお母さんの言葉におずおずと頷いてみせた。
「……ありがとう。お母、さん」
(ああ……思えば、「お母さん」って言ったのは……言えたのは、何日ぶりだろう……)
以前は毎日の様に口にしていたし、それが普通の言葉だったのにーー。
あの一件で風香に家族はおろか人生を丸ごと奪われてから、「お母さん」なんて言ったことなかった気がする。
「……お母、さん……お母さん……」
その言葉が本来持つ温かみを……今まで止まっていた時を取り戻す様に、何度もそう口に出してみる私。
「……おかあ、さん……」
そう口に出すたび、私の瞳からは涙が溢れーーいつのまにか止まらなくなっていた。
(きっと、私は……ずっと、「お母さん」って言いたかったんだ……)
ーー本当は、お母さんに甘えて……抱き締めて、守って欲しかったんだ。
そう気づいた瞬間、私は大きな声を上げ、泣きじゃくっていた。
(……泣くのは、あの時で最後にしようって決めたのに……。ダメだなぁ、私……)
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