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第一部 Side 永宮 真紀

悪魔に魂を売る覚悟③

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「アイツなら、俺達が死んだと分かったら……直ぐに納得して、新しい……母さんみたいなターゲットを探すかもな」

忌々しそうな声音で、そう呟く剛志。

私も、彼の言葉に小さく頷いた。

そんな私達に、女医も頷いてみせる。

「そうね。大抵のDV男は今の女が死んだら直ぐに飽きて、新しい標的を探すことの方が多いわ。下手をしたらお葬式すら出して貰えないかもね」

(それはそれで……なんか腹立たしい気がする)

私は胸の内にそんなモヤっとした感情を抱えながらも、

(まぁ、でも、追い回されるよりは良いか)

と考え、作業を再開した。

が、直ぐにまた、ふと別の疑問が頭をよぎる。

(剛志のお父さんは追いかけたりしないかもしれないけれど……風香はどうだろう?)

あの執着の化け物みたいな父娘おやこならばーー私が自殺をしたと聞いても、解剖の依頼等をして来るかもしれない。

いや、それ位軽くやってのけるだろう。

「あの……先生?相談があるんですけど……」

私は、その件を女医に相談してみることにした。
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