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第一部 Side 永宮 真紀
悪魔に魂を売る覚悟②
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その後、女医の指示に従い遺体から衣服を脱がせると、自分たちの衣服を着せる私達。
正直、ずぶ濡れな上、崖から飛び込んだからだろう――かなり損壊されていて、所々から臓器や血を大量に溢れさせた遺体に触ることは気持ち悪いことこの上なかったが、
(新しい人生を生きる為だ、これ位我慢しなくちゃ……!)
そんな強い気持ちだけを頼りに、私はそれを乗り越えた。
そうして、彼らの荷物に自分達の身分証など……その遺体が私達であることを示す為、私達は自分達に纏わるありとあらゆる物を遺体に所持させる。
でも、そんな作業を行う中……私には1つだけ疑問があった。
「先生?解剖や、DNA鑑定とかはされないんでしょうか?鑑定されたらバレちゃいますよね……?」
と、剛志達もそれが気になっていたのか、一旦作業をしていた手を止め、女医に視線を向ける。
すると、女医は冷静にこう言った。
「確かに、解剖はともかく、DNA鑑定をされたら別人だとはバレてしまうかもしれないわね。でも……じゃぁ、坊や達?果たして、あなた方の父親はわざわざDNA鑑定をする様な人かしら?」
彼女の言葉に、剛志達ははっとした様な表情を浮かべる。
「DV男の特徴は、アル中で浪費癖がある癖に家族に対してはケチな男が多いわ。そんな男が……わざわざ、身分証が遺体を家族だと示しているのに、解剖やDNA鑑定を頼むかしらね?お金もかかるかもしれないのに?」
(確かに……)
私が知っている限りでも、剛志の父親は自分のことには湯水の如くお金を使うが、家族に対しては殆どお金を出さない様なクズだった。
正直、ずぶ濡れな上、崖から飛び込んだからだろう――かなり損壊されていて、所々から臓器や血を大量に溢れさせた遺体に触ることは気持ち悪いことこの上なかったが、
(新しい人生を生きる為だ、これ位我慢しなくちゃ……!)
そんな強い気持ちだけを頼りに、私はそれを乗り越えた。
そうして、彼らの荷物に自分達の身分証など……その遺体が私達であることを示す為、私達は自分達に纏わるありとあらゆる物を遺体に所持させる。
でも、そんな作業を行う中……私には1つだけ疑問があった。
「先生?解剖や、DNA鑑定とかはされないんでしょうか?鑑定されたらバレちゃいますよね……?」
と、剛志達もそれが気になっていたのか、一旦作業をしていた手を止め、女医に視線を向ける。
すると、女医は冷静にこう言った。
「確かに、解剖はともかく、DNA鑑定をされたら別人だとはバレてしまうかもしれないわね。でも……じゃぁ、坊や達?果たして、あなた方の父親はわざわざDNA鑑定をする様な人かしら?」
彼女の言葉に、剛志達ははっとした様な表情を浮かべる。
「DV男の特徴は、アル中で浪費癖がある癖に家族に対してはケチな男が多いわ。そんな男が……わざわざ、身分証が遺体を家族だと示しているのに、解剖やDNA鑑定を頼むかしらね?お金もかかるかもしれないのに?」
(確かに……)
私が知っている限りでも、剛志の父親は自分のことには湯水の如くお金を使うが、家族に対しては殆どお金を出さない様なクズだった。
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