私を返せ!〜親友に裏切られ、人生を奪われた私のどん底からの復讐物語〜

天咲 琴葉

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第一部 Side 永宮 真紀

悪魔に魂を売る覚悟

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「私……私は、まだここで終わりたくない!あいつらに復讐して、私の本当の人生を取り戻すまで……捕まる訳にはいかないの!お願い、剛志!おばさん!お兄さん!私に力を貸してください!」

私は身分証を掴んだまま、剛志達の方を振り返り、そう懇願する。

「私は……私自身に戻りたい!顔も家族も人生も……!全てを取り戻したいのよ!!お願い!!!」

声だけではなく、最早魂の底から――身体にある全てを振り絞る様にしながら、そう叫ぶ私。

と、無言で剛志が前に出る。

そうして、ゆっくり私の方へ歩み寄ってくると、死んだ少女と同い年の兄妹の身分証を手に取った。

「……俺も……俺だって、ここで終わるなんて嫌だ。あんなクソ親父に人生をぶち壊されたままで終わってたまるかよ!!」

それは、私が初めて聞く、剛志の魂の叫びだった。

彼は身分証をぎゅっと握り締めるや、自分の母親と兄の方を振り返る。

すると、彼らも決意が固まったのだろう。

テーブルの方に歩み出てくるや、それぞれが身分証をその手に掴んだ。

まるで、新しい人生への切符を掴むかの様に――。

そして、私達は、身分証を握りしめたまま、女医に目を向ける。

(ここまで来たら、もう引き返せない……。ううん、引き返さない。私が、全てを取り返すまで……!)

私は、決意を込め、女医に声をかけた。

「先生。やり直す覚悟が決まりました。私達は、これから一体どうしたら良いですか」

――私の耳には、もう、雨の音は聞こえなかった。
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