私を返せ!〜親友に裏切られ、人生を奪われた私のどん底からの復讐物語〜

天咲 琴葉

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第一部 Side 永宮 真紀

悪魔の囁き④

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「……それ、は……凄く、魅力的な提案だと思います。でも、本当にバレないんでしょうか」

気付くと、自然とそんな言葉を口にしていた私。

きっと、私に残された最後の理性が、私にその質問を口に出させたのだろう。

だが、女医は私の言葉にゆっくり――しかし大きく首を縦に振った。

「普通は、バレると思う。でもね?今回は特別なの」

そう言って、女医が私たちの前に取り出したもの――それは、大きな黒いボストンバッグだった。

「これを見たら、あなた達もわかる筈よ。これが、やり直すための……新しい人生を生き直すための、千載一遇のチャンスだって」

彼女は私達にそう言いながら、バッグの中から封筒を取り出す。

見てみると、それは明らかに「遺書」だった。

雨や水で滲んだ文字で――しかし、大きく「遺書」と書かれている白い封筒。

その封筒の中には、恐らく一家心中を起こした本人と……巻き込まれた家族のものであろう複数の身分証が同封されていた。

身分証の数は全部で4枚。

その数に、私は心の底から戦慄した。

何故なら、人生をやり直したいと強く願う私達……その人数も4人だったからだ。
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