私を返せ！〜親友に裏切られ、人生を奪われた私のどん底からの復讐物語〜

第一部 Side 永宮 真紀

狂気の生贄②

そう強く決意はしたものの――。

散々風香に傷つけられた私の肉体は思う様に動かず、先ずは生きていくためにリハビリを繰り返す日々が続いていた。

毎日毎日、警察の事情聴取とリハビリを繰り返す日々。

そんなある日、リハビリ室で私が歩行訓練をしていると――室内に設置されたテレビに見覚えがある顔が映っていることに気づく。

真紀――いや、風香を抱き締めながら泣き、娘の生還を心から祝っているあの2人は、私の両親だ。

本当の、真紀としての……私の両親が、テレビでインタビューに答えている。

久しぶりに見る大好きな両親の顔に、思わず涙が込み上げて来る私。

と、そんな両親や――マスコミのカメラの前で、不意に風香が己の顔に巻き付けられていた包帯に手をかける。

そうして包帯の下から現れた顔は――まさしく、私の……「永宮真紀」の顔だった。