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第一部 Side 永宮 真紀
恐怖
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怖い怖い怖い怖い。
(私の目の前にいる生き物……風香は、一体何……?)
果たしてコレは、以前まで親友だった彼女と同じ生き物なのだろうか……?
風香の――狂気すら生ぬるいと感じるレベルの妄執に、絶望すら感じる私。
この時、私は漸く、この場に彼女と2人きりでいることは危険なのでは、と気がついた。
(……話し合うだけだから大丈夫だと思ってた。でも、甘かった)
まさか、風香が心の中にこんなに恐ろしい狂気を秘めていただなんて――。
私は、自分の考えの甘さに歯噛みする。
(取り敢えず今は、何とか帰って貰える様に……私が無事で済む様に、どうにかしよう)
そうして、両親が帰ってきたら、今度はちゃんと風香のことについて報告するのだ。
最悪、警察沙汰になったって構わない。
(だって、このままじゃ……私は本当に、風香の狂気に殺されてしまうかもしれないもの)
私は風香から視線を外さぬまま、自分が無事に済む方法を必死に模索した。
と、そんな私の考えを見透かした様に、風香がにっこりと微笑んでくる。
そうして、紅い唇を歪めたままこう告げた。
「ねぇ?可哀想な私を抱き締めて。そうしたら、今日は帰ってあげる」
――それは果たして「本当」だろうか?
親友だと思っていたのに、あれだけ手酷く裏切って来た存在なのだ。
私は、彼女の申し出を聞き、思案する。
だが、現状……彼女の申し出を聞く以外、私が無事に済みそうな道がないことに気がついた。
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風香の――狂気すら生ぬるいと感じるレベルの妄執に、絶望すら感じる私。
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私は、自分の考えの甘さに歯噛みする。
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――それは果たして「本当」だろうか?
親友だと思っていたのに、あれだけ手酷く裏切って来た存在なのだ。
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だが、現状……彼女の申し出を聞く以外、私が無事に済みそうな道がないことに気がついた。
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