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第一部 Side 永宮 真紀
待っていた災厄
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数分後。
2人だけにしかわからない秘密の暗号を作った私は、剛志と別れ、学校を後にする。
と、団地の――私の家の前に風香が立っていることに気がついた。
(まさか、私が帰ってくるのをずっと待っていたの……?)
未だ制服で鞄を持ったままの風香の姿に、内心戦慄する私。
すると、風香は私に気がついたのか――相変わらず、無邪気で無垢な笑顔を向けて来た。
「待ってたのよ、真紀ちゃん」
甘く蕩ける蜂蜜の様な声。
その仔猫の様な愛くるしさと相俟って、私は思わず、彼女に笑顔を向けてしまいそうになる。
しかし、
(ダメ!ここは心を鬼にしなくっちゃ!私は一度風香に殺されかけたじゃない!)
そう強い気持ちを持ち、かつ、あの恐怖の出来事を思い出すことで、私はなんとか彼女の持つ天性の魅惑を振り払えた。
そんな私の激しい葛藤を知ってか知らずか、笑顔を浮かべたまま、ちょこちょこと私の方に歩み寄ろうとしてくる風香。
「私ね、ずーっと待ってたのよ。どうしても、真紀ちゃんとお話したかったから」
本当に嬉しそうに、天使の様な笑みを浮かべたまま風香はそう告げる。
でも、あの恐怖の出来事を体験した私にとっては――彼女の笑顔は、最早悪魔の笑顔でしかない。
(……あんな目に遭わせたのに、よく笑ってられるわね)
私は内心そんなことを考えつつ、風香と対峙した。
2人だけにしかわからない秘密の暗号を作った私は、剛志と別れ、学校を後にする。
と、団地の――私の家の前に風香が立っていることに気がついた。
(まさか、私が帰ってくるのをずっと待っていたの……?)
未だ制服で鞄を持ったままの風香の姿に、内心戦慄する私。
すると、風香は私に気がついたのか――相変わらず、無邪気で無垢な笑顔を向けて来た。
「待ってたのよ、真紀ちゃん」
甘く蕩ける蜂蜜の様な声。
その仔猫の様な愛くるしさと相俟って、私は思わず、彼女に笑顔を向けてしまいそうになる。
しかし、
(ダメ!ここは心を鬼にしなくっちゃ!私は一度風香に殺されかけたじゃない!)
そう強い気持ちを持ち、かつ、あの恐怖の出来事を思い出すことで、私はなんとか彼女の持つ天性の魅惑を振り払えた。
そんな私の激しい葛藤を知ってか知らずか、笑顔を浮かべたまま、ちょこちょこと私の方に歩み寄ろうとしてくる風香。
「私ね、ずーっと待ってたのよ。どうしても、真紀ちゃんとお話したかったから」
本当に嬉しそうに、天使の様な笑みを浮かべたまま風香はそう告げる。
でも、あの恐怖の出来事を体験した私にとっては――彼女の笑顔は、最早悪魔の笑顔でしかない。
(……あんな目に遭わせたのに、よく笑ってられるわね)
私は内心そんなことを考えつつ、風香と対峙した。
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