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第一部 Side 永宮 真紀
幼馴染み③
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剛志のお陰で、なんとか元気を取り戻せた私。
と、そんな私に剛志が思いもよらない提案をしてきた。
「なんならさ?もし、お前が本当に成り代わられた時の為に、俺とお前しかわからない合言葉、決めておかねぇ?」
「ちょっとやめてよ!本当に、縁起でもないんだけど」
剛志の言葉に、一瞬あの時の恐怖を思い出し、青ざめる私。
次いで私は、手近にあったノートを手に取るや、彼の頭をバシバシと叩く。
「いってぇ!けどさ?お前のこと、本気で殺そうとしたんだろ?だったら、また何されっか分かんないじゃん?……その時……もし、『次』があったら、俺が、お前を守りたいんだよ。でも、成り代わられてたらわかんないだろ。だから……俺がお前を見分ける為に、俺とお前しか知らない……2人だけの秘密が欲しいと思ったんだ」
本気なのか冗談なのか――どちらともつかない、けれど、表情だけは真剣な様子で、剛志は私にそう語りかける。
(風香に成り代わられるなんて冗談じゃない。……第一、あんな怖い思いをするのは、二度とごめんだわ)
私は内心、そう溜息を吐いた。
けれど――。
そう思う一方で、「2人だけの秘密」という甘い言葉に、激しく私の心は揺さぶられる。
(でも……うん、剛志と2人だけの秘密は、持ってみたいかも)
「……成り代わりなんてされたくない。絶対にされたくない、けど……もし、作るとしたらどんな暗号にするのよ?折角だから、聞くだけ聞いてあげる」
興味津々な胸中を悟られない様に、務めて冷静に――そうして、ほんの少しだけつっけんどんに、剛志にそう告げる私。
そんな私に、剛志は
「さっすが、真紀!そう来なくちゃ!」
と、明るく笑いかけた。
と、そんな私に剛志が思いもよらない提案をしてきた。
「なんならさ?もし、お前が本当に成り代わられた時の為に、俺とお前しかわからない合言葉、決めておかねぇ?」
「ちょっとやめてよ!本当に、縁起でもないんだけど」
剛志の言葉に、一瞬あの時の恐怖を思い出し、青ざめる私。
次いで私は、手近にあったノートを手に取るや、彼の頭をバシバシと叩く。
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本気なのか冗談なのか――どちらともつかない、けれど、表情だけは真剣な様子で、剛志は私にそう語りかける。
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私は内心、そう溜息を吐いた。
けれど――。
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(でも……うん、剛志と2人だけの秘密は、持ってみたいかも)
「……成り代わりなんてされたくない。絶対にされたくない、けど……もし、作るとしたらどんな暗号にするのよ?折角だから、聞くだけ聞いてあげる」
興味津々な胸中を悟られない様に、務めて冷静に――そうして、ほんの少しだけつっけんどんに、剛志にそう告げる私。
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と、明るく笑いかけた。
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