私を返せ！〜親友に裏切られ、人生を奪われた私のどん底からの復讐物語〜

第一部 Side 永宮 真紀

始まり

――「彼女」と出会ったのは、私こと永宮ながみや 真紀まきが小学6年生の時だ。

小学6年生の3学期、同じクラスに転校して来た彼女。

彼女はアメリカから帰国した帰国子女であり、お金持ちのお嬢様として、当時はクラスでも注目の的になっていた。

「今日から、皆さんのお友達になる瀧川たきがわ 風香ふうかさんです。仲良くしてあげるように」

担任の女の先生からそう紹介された風香。

先生の言葉の後、小さく控えめに、

「よろしくお願いします」

と、照れた様に告げながら小さく小首をかしげる彼女を見て、私は、

（なんてお人形みたいに可愛らしい子だろう）

と、感動したものだ。

生まれつき色素が薄く、白磁はくじの様に真っ白な――美しい肌をしていた風香。

彼女の髪は染めてもいないのに栗色で、まさにお人形の様にふわふわとゆるくウェーブがかかっていた。

また、いつも学校に着てくる洋服もとても愛らしく、彼女に似合った――お人形のドレスをそのまま現実に作り出した様なものだったのをよく覚えている。

その愛くるしい容貌と、やはり見た目に沿った小動物の様な言動で、瞬く間に皆の人気者になっていった風香。

私もまた、お人形の様に可愛らしく――同じ女性同士でも思わず守ってあげたくなる様な風貌をしていた風香に、いつの間にか心を掴まれていた。