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未来を共に③

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少女の瞳を怯むことなく真っ直ぐに見つめ、気持ちを込め、彼女の心の奥底に――そこにある凍ってしまった部分に届く様にと祈りながら、僕はそう告げる。

正直、どう話したら良いのか……どんな言葉をかければ彼女の心に届くのか、悩んだこともあった。

容姿のせいでいじめられた過去を話そうと考えたこともある。

(でも、安易な同情は、きっと彼女も望んでいない筈なんだ……)

そう悩んだ末、僕が辿り着いたのは――もしかしたら、「過去ではなく未来に対する言葉」なら彼女の心に届くのでは、という考えだった。

(あの子は散々苦しんだ。今は心が折れてしまっているけれど……本来は、その環境にも負けず、1人でここまで戦って来た強い心の持ち主なんだ)

少女の境遇を思い、そういう結論に達した僕。

正直、ここまで頑張って生き抜いて来た少女に、もっと頑張れというのは気が重い。

テレビや雑誌などでも「今まで頑張って来た人に「頑張れ」というのは逆効果だ」と言われているのを見たこともある。

それでも僕は、彼女に死んで欲しくは無かった。

自分の命を――彼女自身の人生を、ここで諦めて欲しくはなかったのだ。
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