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提案

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「悠理!」

駆け寄る僕に気づくや、自ら僕の方へ跳躍し、抱えて避難してくれる五道。

イグナシオは僕達が大きな岩陰に隠れてもまだ攻撃を放ち続けているが、全て天照様が対応してくれている様だ。

「なんで、こんな危ない真似を……!」

戦いの最中、敵前を駆けて抜けて来た僕に、五道は本気で怒っている眼差しを向けて来る。

が、そんな彼が告げようとして来た言葉を、僕の言葉が遮った。

「五道!お願い、今は聞いて!あの子を助けられる方法があるかもしれないんだ!」

「……何だって?」

驚いた様な表情をし、じっと僕を見つめる五道。

僕はそんな彼に、「信じてほしい」――そんな気持ちを込めて、彼の真紅の瞳を見つめ返す。

そうして、呼吸を落ち着かせながら、彼に話しかけた。

「僕には、あの子の魂の色と位置がわかる。だから……僕をあなたの目にしてくれないかな?」

「お前を、俺の目に……?」

僕の言っていることの意味がわからず、五道は一瞬首を捻る。

そんな彼に、僕は詳しく、僕が思いついた作戦を話し始めた。

「あの子の魂がわかっているのは、現状、僕だけだ。だからこそ、僕が、五道にそれを伝えながら戦うのはどうだろう?」

「けど、伝えるっつっても、どうやってだ?会話なんざしたくてもこの轟音だぜ?少しでも離れちゃ声は全く届きやしねぇし……」

僕の提案に興味を示しながらも、意図を理解しきれず、言葉に詰まる五道。

「うん。それなんだけど。だからね?五道。僕を背負って戦うことって出来ないかな?」
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