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五道と岳⑤
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あまりに凄惨な出来事を想像してしまい、思わず胸が詰まり、呼吸が苦しくなる僕。
(でも、きっと、これは僕も聞かなくちゃいけない話なんだ……)
すると、そこまで話した五道の瞳に昏い色が宿る。
「だから、俺は殺した。魔法使いも、弟を食った魔獣も。俺はまず、魔獣の腹を引き裂いて、弟の魂を取り出した。そうして、バラバラになっちまった弟の魂を、俺の全ての力を使って繋ぎ合わせたんだ」
ククッと薄笑いすら浮かべながら、そう話す五道。
彼は更にこう続ける。
「その後、俺は魔術師を手にかけたんだが。そいつは、その国じゃぁ英雄だったんだ。前に、魔王から国を救った救国の英雄だったらしい。だから……英雄を殺した俺を、国民達は決して許しはしなかった。あいつらは、よりによって唯一残っていた岳の遺体……弟の首を消し炭にしやがったんだ。おかしいだろう?俺の弟は、人間のために尽くしていたのに……異世界とはいえ、同じ人間に裏切られたんだぜ。こんなバカな話あっていいと思うか?」
五道は一息にそこまで話し終えると、僕らに問い掛ける様な眼差しを向けてくる。
彼が僕らに向ける瞳は、まるで僕らが答えを出すのを待っている様だった。
(でも、きっと、これは僕も聞かなくちゃいけない話なんだ……)
すると、そこまで話した五道の瞳に昏い色が宿る。
「だから、俺は殺した。魔法使いも、弟を食った魔獣も。俺はまず、魔獣の腹を引き裂いて、弟の魂を取り出した。そうして、バラバラになっちまった弟の魂を、俺の全ての力を使って繋ぎ合わせたんだ」
ククッと薄笑いすら浮かべながら、そう話す五道。
彼は更にこう続ける。
「その後、俺は魔術師を手にかけたんだが。そいつは、その国じゃぁ英雄だったんだ。前に、魔王から国を救った救国の英雄だったらしい。だから……英雄を殺した俺を、国民達は決して許しはしなかった。あいつらは、よりによって唯一残っていた岳の遺体……弟の首を消し炭にしやがったんだ。おかしいだろう?俺の弟は、人間のために尽くしていたのに……異世界とはいえ、同じ人間に裏切られたんだぜ。こんなバカな話あっていいと思うか?」
五道は一息にそこまで話し終えると、僕らに問い掛ける様な眼差しを向けてくる。
彼が僕らに向ける瞳は、まるで僕らが答えを出すのを待っている様だった。
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