Switch！〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜

とにかく説明を②

「魂の入れ替えか。聞いたことがあるね。そう言えばかなり昔、出雲で毎年やってる会議でそんなことを話していた気がするよ。けど、此方の世界で生き直すのは兎も角、この世界の人間の魂を持ち去った挙句売るとは……素戔嗚じゃないが、太い奴らだね」

話を聞きながら、半眼でそう語る天照様。

どうやら、かなりお怒りな様だ。

美女な分、威圧感が半端ない。

と、彼女の意見に同意する様に、両脇の弟2人ーー月読様と素戔嗚様も頷いた。

「その少女の魂とやらを取り戻しましょう」

「ああ、こんな巫山戯ふざけたことを目の前でされて黙ってられるかよ」

2人の言葉に、今度は天照様が大きく頷いてみせる。

「五道転輪王とやら？その異世界には、あたしらも行かせて貰えるんだろうね？悠理はこの神社の大事な後継者で、昔から一緒にいたあたしらにとっては、家族同然の存在なんだ。そんな危険と分かりきってる場所、幾らあんたが一緒にいるとは言え、悠理だけ行かせることは出来ないよ」

大きな漆黒の瞳に強い意志を宿し、冥府の裁判官に堂々とそう突きつける天照様。

天照様の言葉に、五道転輪王はふっと微笑んだ。

「お前、本当に大切にされてるんだな？」

彼の言葉に、なんだか嬉しくも……ほんの少しだけ照れ臭く、なんともむず痒い気持ちになった僕。

僕は、五道転輪王の言葉に、小さく頷くのがやっとだった。

僕が頷くのを見届け、3人の神々に「いいぜ」と告げる五道転輪王。

「戦力も人員も多い方が有り難い」

彼はあっけらかんとそう告げるや、「よろしくな！」と3人の神々に笑ってみせた。