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あの世にて

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あれから、どれ程のときが経ったのだろう。

「おぅ、坊主?大丈夫かぃ?」

聞き覚えのある男性の声で、僕は目を覚ます。

なんとなくまだはっきりしない頭で、目を擦りながら周囲を見回してみると――そこは、よくアニメ等で見る様な中華風な部屋の中だった。

朱塗りの柱に、精緻な蝶の彫刻が施された中華風のランタン。

白い壁には丸い窓が嵌め込まれて入り、柱の至る所には、やはり中華風な彫刻が彫り込まれている。

生憎、僕は建物の価値などはよくわからないが、それでもなんだかとっても高そうだ、ということだけは理解出来た。

僕が寝かされている寝具も、上掛けには絹で鳳凰の刺繍が施され、とても高価なものなのだろうということがわかる。

そんな寝具の上に腰掛け、心配そうに僕の様子を窺っている、僕を浚った張本人である男性。

彼は相変わらず着流しを羽織った着物姿のまま――それでも、その燃える様な真紅の瞳に、ほんの少しだけ心配そうな色を滲ませ、じっと僕を見つめていた。
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