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死霊伯爵④
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「っ?!」
王真を抱え、咄嗟に横跳びに避ける私。
「にゃ、にゃにがあったにゃぁ?!」
すると、そこにタイミング悪く我が家の猫達が駆けつける。
彼女達は死霊伯爵と融合した花子さんの姿を見るなり、大きく息を呑んだ。
「あれは、魔物……?でも、魔物は弱体化しているはずにゃぁ……」
そう話す間にも、容赦なく攻撃を仕掛けてくる花子さん。
トイレの怪異だったからだろうかーー彼女が放つ水の塊は恐ろしい程殺傷能力が高く、当たったコンクリートの屋上の床を大きく抉っていた。
そんな花子さんの攻撃を避け、なんとか給水塔の影に身を隠しながら、猫達に事情を説明する私。
と、白猫が「もしや」と呟いた。
「魔物自体は弱体化していても、元の能力の高い魔物……この場合はトイレの花子さんと融合してしまった結果、2体分の力が合わさり、あそこまで強力ににゃっているのでは?」
「つまり、死霊伯爵自体にそれ程の力はないが、死霊伯爵と融合する事で花子さんの能力が底上げされた、と?」
「にゃい!」
私の予想に頷いて見せる白猫。
すると、私たちと同じく給水塔の影に身を隠していたーーあの弓矢を持っていた少女が、やや苛立った様に口を開いた。
「お前達、死霊伯爵だの魔物だのとさっきから一体何の話をしているの?それに、その猫は猫又?やっぱり、お前達は化け物の仲間だったという訳?」
少女の言葉に「ふにゃ?!」と慌てる猫達。
少女はこんな状況だというのに容赦なく猫達に弓矢を向けようとする。
が、王真が猫達を庇う様に抱き締め、少女を鋭く睨みつけた。
王真を抱え、咄嗟に横跳びに避ける私。
「にゃ、にゃにがあったにゃぁ?!」
すると、そこにタイミング悪く我が家の猫達が駆けつける。
彼女達は死霊伯爵と融合した花子さんの姿を見るなり、大きく息を呑んだ。
「あれは、魔物……?でも、魔物は弱体化しているはずにゃぁ……」
そう話す間にも、容赦なく攻撃を仕掛けてくる花子さん。
トイレの怪異だったからだろうかーー彼女が放つ水の塊は恐ろしい程殺傷能力が高く、当たったコンクリートの屋上の床を大きく抉っていた。
そんな花子さんの攻撃を避け、なんとか給水塔の影に身を隠しながら、猫達に事情を説明する私。
と、白猫が「もしや」と呟いた。
「魔物自体は弱体化していても、元の能力の高い魔物……この場合はトイレの花子さんと融合してしまった結果、2体分の力が合わさり、あそこまで強力ににゃっているのでは?」
「つまり、死霊伯爵自体にそれ程の力はないが、死霊伯爵と融合する事で花子さんの能力が底上げされた、と?」
「にゃい!」
私の予想に頷いて見せる白猫。
すると、私たちと同じく給水塔の影に身を隠していたーーあの弓矢を持っていた少女が、やや苛立った様に口を開いた。
「お前達、死霊伯爵だの魔物だのとさっきから一体何の話をしているの?それに、その猫は猫又?やっぱり、お前達は化け物の仲間だったという訳?」
少女の言葉に「ふにゃ?!」と慌てる猫達。
少女はこんな状況だというのに容赦なく猫達に弓矢を向けようとする。
が、王真が猫達を庇う様に抱き締め、少女を鋭く睨みつけた。
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