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吸血鬼さん、バトルする㊱
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私はその光景に目を白黒させながら、前に立つ彼にそう尋ねる。
すると、彼は前方を見つめたまま答えた。
「真由、この盾は全て私の血で出来ているのだよ。 吸血鬼には自身の血液を操る力があってな。 私はその力で血液を固めて盾にしながら、必要とあらば一部を液体に戻して炎を吸収させているというわけだ」
「ふぇー、成る程」
彼の説明に、私は感嘆しながら頷きつつ、彼の手に目をやってみる。
(血、かぁ。待って、血を使ってるってことは、事故にしろ故意にしろ、何処かに怪我をしてるってことだよね!? しかも、あれだけ大量の血なら、かなり大きな怪我なんじゃ……?)
そんな不安を胸に抱きつつ、彼の手を観察してみると、大きな切り傷が存在していた。
しかも、尋常な大きさではない。
左腕の肘から手首まで、恐らく自分で切り裂いたのであろう真っ直ぐで長い切り傷が口を開けているのである。
「嘘……」
何で、あんな大きな傷――もしかして、私達を護る為に、自分で自分を傷つけたの?
その事実を思い当たるに至り、私は自分の胸が酷く痛んでいることに気が付いた。
すると、彼は前方を見つめたまま答えた。
「真由、この盾は全て私の血で出来ているのだよ。 吸血鬼には自身の血液を操る力があってな。 私はその力で血液を固めて盾にしながら、必要とあらば一部を液体に戻して炎を吸収させているというわけだ」
「ふぇー、成る程」
彼の説明に、私は感嘆しながら頷きつつ、彼の手に目をやってみる。
(血、かぁ。待って、血を使ってるってことは、事故にしろ故意にしろ、何処かに怪我をしてるってことだよね!? しかも、あれだけ大量の血なら、かなり大きな怪我なんじゃ……?)
そんな不安を胸に抱きつつ、彼の手を観察してみると、大きな切り傷が存在していた。
しかも、尋常な大きさではない。
左腕の肘から手首まで、恐らく自分で切り裂いたのであろう真っ直ぐで長い切り傷が口を開けているのである。
「嘘……」
何で、あんな大きな傷――もしかして、私達を護る為に、自分で自分を傷つけたの?
その事実を思い当たるに至り、私は自分の胸が酷く痛んでいることに気が付いた。
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